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第3章
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その後、この件に関して詳しい説明を受けた。
清水さんはどうやら、この本屋さんの息子さんのことについてよくご存知だったらしい。
地元では有名な部品メーカーの代表取締役社長。
そんな人間を産み出した母親は、貧しい本屋の店主。
心優しく、見知らぬ人に対しても親切で、何とか助けになろうとする。
「それに、こんな時のために後輩を何度も本屋に通わせておいたんだ」
と、続ける男。
「お客様の背景を知っていれば、機械販売もスムーズにいくんだよ」
そんな綺麗事を並べて、清水さんはおっしゃった。
何言ってんだこいつ。
私はドン引きした。
それで良いわけないでしょう。
「売上があるからいいでしょ? それの何が悪いの?」
全部悪いに決まってんだろ!
だいたい、企業の存在価値は、
「お客様に良い思いをしていただく」
ってことだろうが。
それを踏みにじって成績のためだけに生きていると、お前の大好きな「チームのメンバー」とやらに超弩級の被害が押し寄せてくんだよバカヤロー。
お陰様で、全くの無駄というかむしろ負の感情が入り乱れて、マイナスの行動しか起こさなかった清水さんとおさらばし、私はさっさと会社に戻った。
「お疲れ様です」
「あなた、清水に付き添ってもらったんだってね」
つっけんどんな物言いは、おそらく私が松井さんの言葉通りに動かなかったせいだろう。
機嫌の悪そうな彼女に、さらに機嫌が悪くなるようなことを言うわけにはいかず、
「はい。ですが、清水さんの方法は性にあわず、早めに切り上げてきました」
「ふうん。そう」
どっちとも判別できない相槌を聞き、くるっとそっぽを向いた松井さんから離れ、自分の席につく。
やはり、自分に合う方法は自分で探さねばなるまい。
だが、どうすればいい?
私は一体何をすれば、それがわかるんだ?
うんうん唸っていると、誰かが無言で分厚いファイルを私の机に置いたのに気づく。
振り返ってみると、松井さんだった。
「え?」
「はい、これ」
いつもなら、
「これこれをこうしておいて」
なんという指示が与えられるのだが、今回は、
「はい、これ」
だけである。
なんなんだと訝しく思いながらも、何度もめくった跡があるファイルを開くと、びっくりするくらい汚い字で、人の名前と個人情報、さらに契約した際の流れが書かれていた。
軽く紙を読んでいくと、字が汚かったり、メモや箇条、図形、たまにお手本のように綺麗な字の時がある。
全て松井さんが書いたものなのだろう。
だって松井って書いてあるし。
どういうことなのかと本人の方を向くと、素知らぬ顔でパソコンに何かを打ち込んでいた。
とりあえず、意図が読めない。
私は一体何をすれば正解なのだろうか?
どうすることも出来ず、私はひたすらページをめくり続けた。
清水さんはどうやら、この本屋さんの息子さんのことについてよくご存知だったらしい。
地元では有名な部品メーカーの代表取締役社長。
そんな人間を産み出した母親は、貧しい本屋の店主。
心優しく、見知らぬ人に対しても親切で、何とか助けになろうとする。
「それに、こんな時のために後輩を何度も本屋に通わせておいたんだ」
と、続ける男。
「お客様の背景を知っていれば、機械販売もスムーズにいくんだよ」
そんな綺麗事を並べて、清水さんはおっしゃった。
何言ってんだこいつ。
私はドン引きした。
それで良いわけないでしょう。
「売上があるからいいでしょ? それの何が悪いの?」
全部悪いに決まってんだろ!
だいたい、企業の存在価値は、
「お客様に良い思いをしていただく」
ってことだろうが。
それを踏みにじって成績のためだけに生きていると、お前の大好きな「チームのメンバー」とやらに超弩級の被害が押し寄せてくんだよバカヤロー。
お陰様で、全くの無駄というかむしろ負の感情が入り乱れて、マイナスの行動しか起こさなかった清水さんとおさらばし、私はさっさと会社に戻った。
「お疲れ様です」
「あなた、清水に付き添ってもらったんだってね」
つっけんどんな物言いは、おそらく私が松井さんの言葉通りに動かなかったせいだろう。
機嫌の悪そうな彼女に、さらに機嫌が悪くなるようなことを言うわけにはいかず、
「はい。ですが、清水さんの方法は性にあわず、早めに切り上げてきました」
「ふうん。そう」
どっちとも判別できない相槌を聞き、くるっとそっぽを向いた松井さんから離れ、自分の席につく。
やはり、自分に合う方法は自分で探さねばなるまい。
だが、どうすればいい?
私は一体何をすれば、それがわかるんだ?
うんうん唸っていると、誰かが無言で分厚いファイルを私の机に置いたのに気づく。
振り返ってみると、松井さんだった。
「え?」
「はい、これ」
いつもなら、
「これこれをこうしておいて」
なんという指示が与えられるのだが、今回は、
「はい、これ」
だけである。
なんなんだと訝しく思いながらも、何度もめくった跡があるファイルを開くと、びっくりするくらい汚い字で、人の名前と個人情報、さらに契約した際の流れが書かれていた。
軽く紙を読んでいくと、字が汚かったり、メモや箇条、図形、たまにお手本のように綺麗な字の時がある。
全て松井さんが書いたものなのだろう。
だって松井って書いてあるし。
どういうことなのかと本人の方を向くと、素知らぬ顔でパソコンに何かを打ち込んでいた。
とりあえず、意図が読めない。
私は一体何をすれば正解なのだろうか?
どうすることも出来ず、私はひたすらページをめくり続けた。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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