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変化
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しばらく私たちだけにしてくれと、お父様は局員に向かって言い、彼らは了承して部屋から出て行った。
「さあ、遠慮なく椅子に座ってくれーーまあ、ここは私たちの家ではないんだがな」
お父様はそんな面白くもない冗談を言って微妙な雰囲気を変えようとしたが、
「はあ」
ランスはその冗談になんの反応もなく、椅子に座ろうともしなかった。
「ほら、持ってきてやったぞ」
お父様はわざわざ自分で椅子を運び、ランスの目の前に置いたが、彼はそれを見つめるだけで動こうともしない。
「……」
困った両親は顔を見合わせた。
私もどうすれば良いのかわからない。
ひとまず、ランスに声をかける。
「久しぶりね。私、シャーロットよ。あなたの幼なじみで、婚約者だったの。覚えている?」
ランスは何も言わなかったが、代わりに小さく頷いた。
「良かった」
私は少しほっとする。
「覚えててくれたのね」
「とりあえず」
お父様は言う。
「ランス、君だけでも助かって良かった。その、私たちは君のご両親と親友だったんだが、彼らはどうなったんだい?」
「死にました」
ランスは淡々と答える。
「俺の目の前で、暴徒に襲われて死にました」
「そ、そうか……」
お父様は目を伏せた。
「それで、あなたはどうして過ごしていたの?」
お母様は尋ねる。
「本当に大変だったでしょう。私たちが想像もつかないくらい」
「……俺は暴徒たちに生かされました。なぜなら、まだ俺は子どもだったから。価値があったんです。そのまま奴隷商人に売り飛ばされ、この国の金持ちに買われました。俺はそこから逃げ出して、今の今まで日雇い労働で」
「そうなの……。本当に、もう、なんと言ったらいいか」
至って善良な人間であるお母様は、口元をハンカチで押え、既に泣きそうになってしまっていた。
「大変すまなかった」
お父様はランスに向かって言う。
「見つけるのが、こんなにも遅くなってしまった」
「いえ」
ランスは言う。
「気にしないでください」
「そういうことを言わないでくれ、我々は昔馴染みだろう」
お父様は眉尻を下げる。
「ほら、あなた」
母が父に耳打ちした。
「あのこと、言わないと」
「そうそう、そうだったな」
お父様はそう言って、ごほんと咳払いをする。
「かつてのよしみだ。君の意見を聞かずに決めてしまったが、どうだい? これからは私たちと一緒に暮らさないか? これ以上、辛い思いをさせることはしないから。学校にもちゃんと通わせよう」
ランスはちらりと私に視線を向けた。
「彼女がいますが」
「彼女? ーーああ、シャーロットのことか。大丈夫だ。な?」
「ええ」
私は頷く。
「大丈夫よ、ランス。これから一緒に暮らしましょうよ」
私は夢見ていた。
あの頃のように、幸せな日々がまた始まると。
だが、ランスは私たちが思ってもみな
いことを言い放った。
「結構です。ご迷惑をおかけしたくはありませんので」
「さあ、遠慮なく椅子に座ってくれーーまあ、ここは私たちの家ではないんだがな」
お父様はそんな面白くもない冗談を言って微妙な雰囲気を変えようとしたが、
「はあ」
ランスはその冗談になんの反応もなく、椅子に座ろうともしなかった。
「ほら、持ってきてやったぞ」
お父様はわざわざ自分で椅子を運び、ランスの目の前に置いたが、彼はそれを見つめるだけで動こうともしない。
「……」
困った両親は顔を見合わせた。
私もどうすれば良いのかわからない。
ひとまず、ランスに声をかける。
「久しぶりね。私、シャーロットよ。あなたの幼なじみで、婚約者だったの。覚えている?」
ランスは何も言わなかったが、代わりに小さく頷いた。
「良かった」
私は少しほっとする。
「覚えててくれたのね」
「とりあえず」
お父様は言う。
「ランス、君だけでも助かって良かった。その、私たちは君のご両親と親友だったんだが、彼らはどうなったんだい?」
「死にました」
ランスは淡々と答える。
「俺の目の前で、暴徒に襲われて死にました」
「そ、そうか……」
お父様は目を伏せた。
「それで、あなたはどうして過ごしていたの?」
お母様は尋ねる。
「本当に大変だったでしょう。私たちが想像もつかないくらい」
「……俺は暴徒たちに生かされました。なぜなら、まだ俺は子どもだったから。価値があったんです。そのまま奴隷商人に売り飛ばされ、この国の金持ちに買われました。俺はそこから逃げ出して、今の今まで日雇い労働で」
「そうなの……。本当に、もう、なんと言ったらいいか」
至って善良な人間であるお母様は、口元をハンカチで押え、既に泣きそうになってしまっていた。
「大変すまなかった」
お父様はランスに向かって言う。
「見つけるのが、こんなにも遅くなってしまった」
「いえ」
ランスは言う。
「気にしないでください」
「そういうことを言わないでくれ、我々は昔馴染みだろう」
お父様は眉尻を下げる。
「ほら、あなた」
母が父に耳打ちした。
「あのこと、言わないと」
「そうそう、そうだったな」
お父様はそう言って、ごほんと咳払いをする。
「かつてのよしみだ。君の意見を聞かずに決めてしまったが、どうだい? これからは私たちと一緒に暮らさないか? これ以上、辛い思いをさせることはしないから。学校にもちゃんと通わせよう」
ランスはちらりと私に視線を向けた。
「彼女がいますが」
「彼女? ーーああ、シャーロットのことか。大丈夫だ。な?」
「ええ」
私は頷く。
「大丈夫よ、ランス。これから一緒に暮らしましょうよ」
私は夢見ていた。
あの頃のように、幸せな日々がまた始まると。
だが、ランスは私たちが思ってもみな
いことを言い放った。
「結構です。ご迷惑をおかけしたくはありませんので」
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