行方不明だった元婚約者が戻ってきたので、浮気三昧な現婚約者を捨てることにしました

小倉みち

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交流

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 私がリアムとジニーの2人以外で心配だったのは、ランスのことだ。


 彼はこの数ヵ月間、貴族の生活に慣れるべく頑張っていたが、いかんせん10年も1人で生きてきたのだ。

 それに、彼の今の立場はただの一般人である。


 彼の家は10年前の悲劇によってお取り潰しとなった。

 唯一の生き残りである彼に、与えられる爵位などない。


 その庶民の彼が、私たち上位貴族の子息子女と同じ教室で授業を受ける。


 彼の心労は計り知れない。


 しかし、このクラスの生徒はみんな良い人たちだった。


 愛想が良いとはとてもじゃないけど言えないランスに、何人かが話しかけているのを目撃した。


「よぉ」

「ランスって、確かもともと貴族なんだよな?」

「公爵家なんだろ?」


 男子生徒たちは、気さくに話しかけた。

「……ほとんど記憶にないけど」

 ランスは答える。

「俺たち、小さいころに会った気がするんだよな」

「パーティに出た記憶はあるのか?」

「……多分」

「じゃあ、会ったことあると思うぜ」

「公爵家の人間なら、小さいころに何度か社交界に出る機会もあっただろうしな」


 最初はなかなか会話が弾まなかったようだが、1日が終わればそれなりに会話出来るようになっていて、私は安心した。


 それは私もそうだ。


 今までなぜ仲良くしてこなかったのだろうと自分の対応を疑うほど、みんなは優しく接してくれた。

「良かった」

 クラスメイトが言う。

「今まであのリアムのお世話で大変そうだったじゃない?」

「結構話しかけづらかったんだけど」

「仲良くお話し出来て良かったわ」


 私は笑顔で頷く。

「私も。お話し出来て良かったわ」
 

 
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