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誘導
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陛下の誘導にまんまと引っかかったマリーの顔は、どんどんと青白くなっていた。
「なるほど、そうか」
陛下は言った。
「お前たちは、私含め、ここにいるすべての者たちに嘘をついたということだな? 嘘によって、この公爵令嬢ディーナを排除しようとしたのか?」
「ち、違います!」
マリーは慌てて否定する。
「ふむ。それではお前は、両親に虐待をされたという嘘をついたということか?」
「そ、それは……」
どちらにせよ、陛下に嘘をついたことに相違なかった。
陛下に嘘をつくという行為は、陛下の真意に基づく行動や言葉を邪魔するというもの。
陛下の言動の邪魔をするということは、すなわち陛下に対する反逆罪ということだ。
「そうじゃなくて、えっと、その……」
さすがの愚妹も、自分のしでかした問題に気づいたらしい。
何か抜け道はないかと、必死に探している。
その形相が滑稽で、思わず吹き出しそうになった。
「お、脅されていたんです!」
ようやく抜け道を発見したのか、マリーは苦し紛れに叫ぶ。
「そうです、そうです!」
いかにも何も考えていなさそうなヘンリー王子も、彼女の言葉に全面同意だった。
「脅されていた?」
陛下は丁寧にオウム返しをする。
「誰にだ?」
「お、お父様とお母様ですわ! 今回の件は、すべて2人に脅されて行ったことなんです。お姉様を脅さないと、暴力を振るうぞなんて言われて……!」
マリーは、わあわあと彼らを指差しながら喚く。
相変わらず元気な彼女に対して。
両親は最愛の娘に裏切られ、唖然としている。
今まさに自分たちが陥れられそうになっているというのに、弁明する気力もないみたいだ。
確か彼女は、ヘンリー王子や両親曰く、
「地上に舞い降りた天使」
だったはずだが。
今の彼女は、その愛らしい容姿を存分に歪め、髪を振り乱しながら必死に保身に走っている。
「へえ」
陛下はいかにも納得したように大きく頷く。
「つまり、先ほどまでお前たちがしでかした茶番……いや、失礼。一連の事件の黒幕は、そこの公爵夫妻と言うことだな」
「え、ええ」
「はい。そうです、父上。ですのでどうか、私と可愛いマリーに慈悲を」
「ふむ」
陛下は神妙な面持ちで、質問を続ける。
「今お前たちが言ったことは、嘘偽りないな?」
「「はい」」
「本当に、嘘ではないんだな?」
「「はい」」
「本当なんだな?」
「もちろんです、父上」
ヘンリー王子は、一歩前に出てベラベラと言葉を放つ。
「この私が父上に嘘をつくはずがありませんよ」
両手を広げ、演説者のように仰々しく語る。
「父上がそこまで私をお疑いになるとは、心外です。私は誠実な人間ですから」
「そうか。本当だと言うのだな」
なおも念を押す陛下。
「ええ、そうですとも」
いい加減この押し問答が鬱陶しくなったのか、嫌そうな顔をする殿下。
「では、こうしよう」
陛下は提案した。
「その言葉が真実であれば、お前とそこのマリーの罪を、なかったことにしてやろう。だが、もし嘘をついていた場合――第三王子の称号を剥奪する」
「なるほど、そうか」
陛下は言った。
「お前たちは、私含め、ここにいるすべての者たちに嘘をついたということだな? 嘘によって、この公爵令嬢ディーナを排除しようとしたのか?」
「ち、違います!」
マリーは慌てて否定する。
「ふむ。それではお前は、両親に虐待をされたという嘘をついたということか?」
「そ、それは……」
どちらにせよ、陛下に嘘をついたことに相違なかった。
陛下に嘘をつくという行為は、陛下の真意に基づく行動や言葉を邪魔するというもの。
陛下の言動の邪魔をするということは、すなわち陛下に対する反逆罪ということだ。
「そうじゃなくて、えっと、その……」
さすがの愚妹も、自分のしでかした問題に気づいたらしい。
何か抜け道はないかと、必死に探している。
その形相が滑稽で、思わず吹き出しそうになった。
「お、脅されていたんです!」
ようやく抜け道を発見したのか、マリーは苦し紛れに叫ぶ。
「そうです、そうです!」
いかにも何も考えていなさそうなヘンリー王子も、彼女の言葉に全面同意だった。
「脅されていた?」
陛下は丁寧にオウム返しをする。
「誰にだ?」
「お、お父様とお母様ですわ! 今回の件は、すべて2人に脅されて行ったことなんです。お姉様を脅さないと、暴力を振るうぞなんて言われて……!」
マリーは、わあわあと彼らを指差しながら喚く。
相変わらず元気な彼女に対して。
両親は最愛の娘に裏切られ、唖然としている。
今まさに自分たちが陥れられそうになっているというのに、弁明する気力もないみたいだ。
確か彼女は、ヘンリー王子や両親曰く、
「地上に舞い降りた天使」
だったはずだが。
今の彼女は、その愛らしい容姿を存分に歪め、髪を振り乱しながら必死に保身に走っている。
「へえ」
陛下はいかにも納得したように大きく頷く。
「つまり、先ほどまでお前たちがしでかした茶番……いや、失礼。一連の事件の黒幕は、そこの公爵夫妻と言うことだな」
「え、ええ」
「はい。そうです、父上。ですのでどうか、私と可愛いマリーに慈悲を」
「ふむ」
陛下は神妙な面持ちで、質問を続ける。
「今お前たちが言ったことは、嘘偽りないな?」
「「はい」」
「本当に、嘘ではないんだな?」
「「はい」」
「本当なんだな?」
「もちろんです、父上」
ヘンリー王子は、一歩前に出てベラベラと言葉を放つ。
「この私が父上に嘘をつくはずがありませんよ」
両手を広げ、演説者のように仰々しく語る。
「父上がそこまで私をお疑いになるとは、心外です。私は誠実な人間ですから」
「そうか。本当だと言うのだな」
なおも念を押す陛下。
「ええ、そうですとも」
いい加減この押し問答が鬱陶しくなったのか、嫌そうな顔をする殿下。
「では、こうしよう」
陛下は提案した。
「その言葉が真実であれば、お前とそこのマリーの罪を、なかったことにしてやろう。だが、もし嘘をついていた場合――第三王子の称号を剥奪する」
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