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切り捨て
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我が妹ながら、究極のエゴイストだ。
自分の身を守るために、せっかく今まで育ててくれた両親をあっさり切り捨てたのだから。
「みなさん、聞いてください!」
彼女は、たっぷりと悲壮感溢れる声色で、貴族たちに訴えかける。
「実は本当は、お父様とお母様に暴力を振るわれていたんです! それで……っ」
彼女は、わあっと泣き出す。
しかし、余りにもその演技は下手くそで、見るに堪えなかった。
どこかの演技スクールで、一度見てもらった方が良いと思う。
「なるほど」
国王は、彼女の話に乗った。
「お前は両親に虐待をされていた。その認識であっているか?」
「はい!」
「待ってください!」
父親は叫んだ。
「陛下、違います。この馬鹿は嘘をついています!」
「虐待する親は、みな同じことを言うのだ」
陛下は仰々しく肩を竦める。
「なんと酷いことだ……。自分の保身のために、娘を売りに出そうとするなんて」
陛下はマリーの味方についたように見えた。
見えた、というだけだが。
しかし彼のこの発言で、完全に自分が持ち直したと考えたマリーは、調子に乗り始める。
「そうなんです……っ。陛下、わかってただけますか?」
猫なで声で、彼女はそう言った。
「実は」
と、先ほどまで黙っていたヘンリー王子も便乗する。
両親と一緒に立てたガバガバの計画が不可能となるや否や、彼も自分を散々持ち上げてくれた公爵夫妻を切り捨てにかかった。
「私は彼女から相談を受けていたんです! 両親から虐待を受けていると。私は、彼女が可哀想で可哀想で」
両親は、とんでもないスピードの裏切りに、唖然としていた。
「なるほど」
国王陛下は、ふむふむと相槌を打つ。
「つまり、虐待していたのは公爵夫妻であったと?」
「はい!」
「お前の物を取ったり、殴ったりしたのは公爵夫妻であったと?」
「はい!」
「ということは、公爵令嬢ディーナの仕業ではないということだな?」
「はい!」
「つまりお前たちは、ディーナに虐待の濡れ衣を着せようとしていた――ということか」
「はい! ……あっ」
自分の身を守るために、せっかく今まで育ててくれた両親をあっさり切り捨てたのだから。
「みなさん、聞いてください!」
彼女は、たっぷりと悲壮感溢れる声色で、貴族たちに訴えかける。
「実は本当は、お父様とお母様に暴力を振るわれていたんです! それで……っ」
彼女は、わあっと泣き出す。
しかし、余りにもその演技は下手くそで、見るに堪えなかった。
どこかの演技スクールで、一度見てもらった方が良いと思う。
「なるほど」
国王は、彼女の話に乗った。
「お前は両親に虐待をされていた。その認識であっているか?」
「はい!」
「待ってください!」
父親は叫んだ。
「陛下、違います。この馬鹿は嘘をついています!」
「虐待する親は、みな同じことを言うのだ」
陛下は仰々しく肩を竦める。
「なんと酷いことだ……。自分の保身のために、娘を売りに出そうとするなんて」
陛下はマリーの味方についたように見えた。
見えた、というだけだが。
しかし彼のこの発言で、完全に自分が持ち直したと考えたマリーは、調子に乗り始める。
「そうなんです……っ。陛下、わかってただけますか?」
猫なで声で、彼女はそう言った。
「実は」
と、先ほどまで黙っていたヘンリー王子も便乗する。
両親と一緒に立てたガバガバの計画が不可能となるや否や、彼も自分を散々持ち上げてくれた公爵夫妻を切り捨てにかかった。
「私は彼女から相談を受けていたんです! 両親から虐待を受けていると。私は、彼女が可哀想で可哀想で」
両親は、とんでもないスピードの裏切りに、唖然としていた。
「なるほど」
国王陛下は、ふむふむと相槌を打つ。
「つまり、虐待していたのは公爵夫妻であったと?」
「はい!」
「お前の物を取ったり、殴ったりしたのは公爵夫妻であったと?」
「はい!」
「ということは、公爵令嬢ディーナの仕業ではないということだな?」
「はい!」
「つまりお前たちは、ディーナに虐待の濡れ衣を着せようとしていた――ということか」
「はい! ……あっ」
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