このときをずっと待っていました ~あなたたちを全員ざまぁしてやりますわ~

小倉みち

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映像

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 その映像は、私がこの10年間ずっと撮りためていたものだった。


 私があの人たちを両親と思えなくなったころから、ずっと。


 映像は、多岐に及ぶ。


「邪魔なのよ、あんた」

「どけ」

「これから、私とお母様とお父様の家族3で劇場を見に行くの。だから、お姉様は1人でお留守番しててちょうだいね」


 小さな私を蹴飛ばして、屋敷を楽しそうに出て行く3人。


「お母様、あの」

「何? 話しかけないでちょうだい」

「ど、どうして私のご飯だけ……」

「うるさいわね。それはあんたが、私の娘じゃないからよ」

「そ、そんな……」

「私はお前を産んだ覚えはない。赤の他人に、わざわざ公爵家である私たちと同じ食事を恵んであげるとでも思って?」


 私がいつも、粗末な食事を与えられていたというシーン。


 くすくす。

 くすくす。

「やだ、もう」

「良いだろ。お前だって、喜んでいるんだから……」

「お姉様が悲しんでしまいますわ」

「本気でそう思っていないくせに」

「まあ、酷い」

「酷いのは父上とお前の両親さ。あんなみすぼらしくて不細工な女と結婚しろと強要してくる。本心から愛しているのは、お前だっていうのに」

「うふふ」


 と、屋敷の広間で堂々と事に及ぶシーン。


 ほかにも。


 私の一張羅を盗んで自分のものにしようとする妹や、幼い私に何度も折檻をする両親。

 私を侮辱する発言を何度もする王子と妹。


 さらに、


「例の作戦、どういたしましょうか?」

「もうすぐ、城で国王も参加するパーティが開かれる。そこで決行しよう」

「楽しみですわ……。そこでようやく、私と王子の結婚が正式に認められるのね」


 という、連中の嘘がはっきりと示された証拠もあった。


 その映像のおぞましさを目の当たりにして。

 ある者は絶句し、ある者は顔を歪め、またある者は悲鳴をあげて顔を覆った。


 映像をすべて流し終わり、私は淡々と告げる。


「以上が、私の提示する証拠となります」

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