14 / 16
公爵家
しおりを挟む
「「「「……」」」」
映像を見終わったとき、4人が気まずそうな顔で私から目を背けているのが見えた。
今更もう遅いし、何も感じないけど。
ただ、腹が立つ。
「ということらしい」
陛下がヘンリー王子に言った。
「わかったな」
「……はい」
意外と素直なのは、もう言い逃れ出来ないと悟ったからか。
「本当にわかったのか?」
「わかりました」
――いや。
そうじゃない。
まだこの男は、1つの望みにかけているのだ。
そう。
次期公爵の座である。
それを陛下が、軽く捻り潰した。
「次に、公爵家のことだが。今回の件はあまりにも目に余る。よって、公爵家を取り潰すことに決めた。それで良いな」
「「「「なっ……!」」」」
顔を真っ赤にする一同。
それとは対照的に、周囲の貴族たちは大きな喝采を陛下に送った。
みんな、賛成の意を示しているということだ。
「お、お待ちください! 父上」
「もうお前は我が息子ではない。父と呼ぶな」
「で、ですが」
「黙れ」
「ひっ……」
陛下の凄みに負け、ヘンリー王子は腰を抜かす。
「ま、待ってください! 陛下」
今度は父が叫んだ。
「それはあんまりです!」
「あんまりなのはこちらの方だ」
と、陛下が言う。
「お前たちのどうでも良い茶番に付き合わされ、こちらは迷惑している。だからこそ、それ相応の罰を与えるべきだろう」
「で、ですが」
と、母。
「公爵家は、有力貴族です。そんな私たちの家を取り潰せば、回り回って国にも悪影響が」
「案ずるな。その対策は既に取ってある」
陛下は私の方を向いた。
私は前に1歩出て、優雅に一礼した。
「改めまして。私は、陛下より新しく『公爵』の称号を賜った者。ディーナでございます。どうぞ、お見知りおきを」
映像を見終わったとき、4人が気まずそうな顔で私から目を背けているのが見えた。
今更もう遅いし、何も感じないけど。
ただ、腹が立つ。
「ということらしい」
陛下がヘンリー王子に言った。
「わかったな」
「……はい」
意外と素直なのは、もう言い逃れ出来ないと悟ったからか。
「本当にわかったのか?」
「わかりました」
――いや。
そうじゃない。
まだこの男は、1つの望みにかけているのだ。
そう。
次期公爵の座である。
それを陛下が、軽く捻り潰した。
「次に、公爵家のことだが。今回の件はあまりにも目に余る。よって、公爵家を取り潰すことに決めた。それで良いな」
「「「「なっ……!」」」」
顔を真っ赤にする一同。
それとは対照的に、周囲の貴族たちは大きな喝采を陛下に送った。
みんな、賛成の意を示しているということだ。
「お、お待ちください! 父上」
「もうお前は我が息子ではない。父と呼ぶな」
「で、ですが」
「黙れ」
「ひっ……」
陛下の凄みに負け、ヘンリー王子は腰を抜かす。
「ま、待ってください! 陛下」
今度は父が叫んだ。
「それはあんまりです!」
「あんまりなのはこちらの方だ」
と、陛下が言う。
「お前たちのどうでも良い茶番に付き合わされ、こちらは迷惑している。だからこそ、それ相応の罰を与えるべきだろう」
「で、ですが」
と、母。
「公爵家は、有力貴族です。そんな私たちの家を取り潰せば、回り回って国にも悪影響が」
「案ずるな。その対策は既に取ってある」
陛下は私の方を向いた。
私は前に1歩出て、優雅に一礼した。
「改めまして。私は、陛下より新しく『公爵』の称号を賜った者。ディーナでございます。どうぞ、お見知りおきを」
18
あなたにおすすめの小説
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
公爵家の養女
透明
恋愛
リーナ・フォン・ヴァンディリア
彼女はヴァンディリア公爵家の養女である。
見目麗しいその姿を見て、人々は〝公爵家に咲く一輪の白薔薇〟と評した。
彼女は良くも悪くも常に社交界の中心にいた。
そんな彼女ももう時期、結婚をする。
数多の名家の若い男が彼女に思いを寄せている中、選ばれたのはとある伯爵家の息子だった。
美しき公爵家の白薔薇も、いよいよ人の者になる。
国中ではその話題で持ちきり、彼女に思いを寄せていた男たちは皆、胸を痛める中「リーナ・フォン・ヴァンディリア公女が、盗賊に襲われ逝去された」と伝令が響き渡る。
リーナの死は、貴族たちの関係を大いに揺るがし、一日にして国中を混乱と悲しみに包み込んだ。
そんな事も知らず何故か森で殺された彼女は、自身の寝室のベッドの上で目を覚ましたのだった。
愛に憎悪、帝国の闇
回帰した直後のリーナは、それらが自身の運命に絡んでくると言うことは、この時はまだ、夢にも思っていなかったのだった――
※月曜にから毎週、月、水曜日の朝8:10、金曜日の夜22:00投稿です。
小説家になろう様でも掲載しております。
【完結】不貞三昧の夫が、『妻売り』すると聞いたので
との
恋愛
神も国法も夫の不貞如きでは離婚を認めない『離婚、暗黒時代』に、庶民の間では『妻売り』が行われていた。
妻を縄で縛り、公開の場で競りを行う『妻売り』は悪習か、やむにやまれぬ者達が捻り出した奇策か⋯⋯。
結婚前から愛人を作り、2度としないと言う約束で結婚したはずなのに⋯⋯愛人を作り続ける夫と離婚できない主人公アイラ。
夫が『妻売り』すると言いながら、競りの参加者を募っている場に遭遇したアイラは⋯⋯何を考え、どんな行動に出るのか。
『妻売り』自体は本当にあったお話ですが、このお話は⋯⋯もちろん、フィクション。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
8話で完結、公開予約設定済み。
R15は念の為・・
『嫌われ令嬢ですが、最終的に溺愛される予定です』
由香
恋愛
貴族令嬢エマは、自分が周囲から嫌われていると信じて疑わなかった。
婚約者である侯爵令息レオンからも距離を取られ、冷たい視線を向けられている――そう思っていたのに。
ある日、思いがけず聞いてしまった彼の本音。
「君を嫌ったことなど、一度もない」
それは誤解とすれ違いが重なっただけの、両片思いだった。
勘違いから始まる、甘くて優しい溺愛恋物語。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる