このときをずっと待っていました ~あなたたちを全員ざまぁしてやりますわ~

小倉みち

文字の大きさ
15 / 16

新公爵

しおりを挟む
「「「「は?」」」」


 4人は絶句した。


「というわけだ。空いた公爵の席はディーナ嬢が引き取ってくれた。だから安心して市井に下ると良い」


「ちょ、ちょっと待ってください!」

 と、父。

「ディーナがなぜ?」

「ディーナごときが、公爵なんて務まるはずが」

 と、母。


「お前たちに出来るのだから、ディーナ嬢なら当然出来るだろう」

 国王陛下は言った。

「そ、そんなわけ――」

「ではお前たちは、公爵を継いでから一体何をしたのだ?」


「それは……」


 黙り込む両親。


「ディーナ嬢、教えてくれ」

「はい。特にございません」


「何を……!」


 父は私に食ってかかろうとするが、いつの間にかやってきた兵士に動きを封じ込められる。


 当然あの人たちが、公爵としての仕事をこなしているはずはなかった。


 有り余る金を湯水のように使い、その贅沢な生活を守るためだけに庶民から税金を搾り取るだけ搾り取る。

 この人たちに任せておいても仕方がないので、途中から私がほとんど仕事をするようになっていた。


「ひたすら遊ぶだけの生活――であれば、ディーナ嬢も当然務まるだろうな」

 陛下は皮肉たっぷりに言った。

「良かったではないか。ヘンリー」

「え、あ」

「お前だけ追放するのは忍びないからな。お前の恋人とその家族も、お前と一緒に市井で生活してくれるらしいぞ」


「えっ」

 と、マリーが目を丸くする。

「私もなんですか?」


「は?」

 私は思わず声をあげてしまう。


 この期に及んで、まだこの女はお咎めなしだと思っているのか。


「お前も同罪だろう」

 陛下はため息まじりに言った。

「お前もこの茶番の首謀者だ」

「でもそれはお父様とお母様が――」

「証拠も先ほど提示したはずだ。お前は罪を償わなければならない」

「じゃあ、お姉様はどうなんです!?」


 マリーの言うことは、もうめちゃくちゃだ。


「お姉様だって私たちの家族ですし、お姉様も罪を償う必要があるのでは?」


「「……」」

 私と陛下は顔を見合わせた。


 なんで私、こんなのとずっと生活出来ていたんだろう。


「お前、先ほどの話を聞いていたのか?」

 と、陛下。

「ディーナ嬢は新公爵となる。お前たちの尻拭いをしなくてはならない」


「ごめんなさいね、マリー」

 私はせいぜい嫌味ったらしく謝った。

「ほら言ってたじゃないの。私のこと、赤の他人だって。でしょ? 赤の他人と一緒に暮らしたくないって言ってたじゃない?」

「いや、それは――」

「せっかくの親子水入らずなんだもの。赤の他人の私なんてわざわざ呼ばないで、自分たちだけで楽しみなさいよ。ほら、せっかくあなたの大好きな未来の旦那様までついてくるんだから。良かったわねマリー。これで大好きな人たちしかいない幸せな生活が送れるわよ」

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

公爵家の養女

透明
恋愛
リーナ・フォン・ヴァンディリア 彼女はヴァンディリア公爵家の養女である。 見目麗しいその姿を見て、人々は〝公爵家に咲く一輪の白薔薇〟と評した。 彼女は良くも悪くも常に社交界の中心にいた。 そんな彼女ももう時期、結婚をする。 数多の名家の若い男が彼女に思いを寄せている中、選ばれたのはとある伯爵家の息子だった。 美しき公爵家の白薔薇も、いよいよ人の者になる。 国中ではその話題で持ちきり、彼女に思いを寄せていた男たちは皆、胸を痛める中「リーナ・フォン・ヴァンディリア公女が、盗賊に襲われ逝去された」と伝令が響き渡る。 リーナの死は、貴族たちの関係を大いに揺るがし、一日にして国中を混乱と悲しみに包み込んだ。 そんな事も知らず何故か森で殺された彼女は、自身の寝室のベッドの上で目を覚ましたのだった。 愛に憎悪、帝国の闇 回帰した直後のリーナは、それらが自身の運命に絡んでくると言うことは、この時はまだ、夢にも思っていなかったのだった―― ※月曜にから毎週、月、水曜日の朝8:10、金曜日の夜22:00投稿です。 小説家になろう様でも掲載しております。

【完結】不貞三昧の夫が、『妻売り』すると聞いたので

との
恋愛
神も国法も夫の不貞如きでは離婚を認めない『離婚、暗黒時代』に、庶民の間では『妻売り』が行われていた。 妻を縄で縛り、公開の場で競りを行う『妻売り』は悪習か、やむにやまれぬ者達が捻り出した奇策か⋯⋯。 結婚前から愛人を作り、2度としないと言う約束で結婚したはずなのに⋯⋯愛人を作り続ける夫と離婚できない主人公アイラ。 夫が『妻売り』すると言いながら、競りの参加者を募っている場に遭遇したアイラは⋯⋯何を考え、どんな行動に出るのか。 『妻売り』自体は本当にあったお話ですが、このお話は⋯⋯もちろん、フィクション。 ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 8話で完結、公開予約設定済み。 R15は念の為・・

「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?

綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。 相手はとある貴族のご令嬢。 確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。 別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。 何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

妹が処刑さる……あの、あれは全て妹にあげたんです。

MME
恋愛
妹が好きだ。妹が欲しい物はみんなあげる。それであの娘が喜ぶなら何だって。それが婚約者だって。どうして皆が怒っているんだろう。お願いです妹を処刑しないで下さい。あれはあげたんです。私が我慢すればいいのです。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...