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続いて
「以上が、セシリアに対する横暴の数々だ」
国王が締め括る。
「ちょ、ちょっと待ってくださ」
「話の途中だ。黙れ」
ジョージ王子は陛下に睨みつけられ、小動物のように縮こまった。
彼の取り巻きの貴族子息たちは、いつの間にかやって来た近衛兵たちに拘束されている。
逃げるかもしれないと判断されたのだろう。
「次に」
陛下は続ける。
「レベッカ、こちらに来い」
「はい」
今度はレベッカが、陛下の隣にやって来る。
「これがお前の婚約者だ」
「だ、だから違」
「セシリア。あれを」
「はい」
私は二度手を叩く。
すると、1人の男が姿を現した。
そのローブを被った男はは両手に手錠をかけられ、その両隣には兵士が立っている。
「この男が操作魔法を仕掛けた犯人です」
「操作魔法ってなんだ? 魔法?」
「お前、そんなこともわからないのか……」
国王陛下は盛大なため息をついた。
「操作魔法は、人間の脳を操って思い通りにする禁忌魔法だ」
「この男がジョージ殿下とマリアンヌに操作魔法をかけたのです」
私は補足説明する。
「ローブを外して頂戴」
「は!」
兵士たちは勢いよく男のローブを引き剥がす。
中から飛び出てきたのは、我が家でよく知る顔だった。
「彼は我が家でかかりつけ医をしている者です」
「そ、それがどうしたんだ?」
「もちろん、殿下とはほとんど関係のない人ではありますが。ただ、あなたのお友達とは何人かお知り合いかとは思いますが」
拘束された男子生徒たちのうちの数人が視線を逸らした。
このかかりつけ医は数日前我が家に不法侵入しようとしたところを、待機していた兵士たちが捕えた。
彼を捕まえるのは本当に簡単だった。
「マリアンヌに操作魔法がかけられたかもしれない。その証拠が家に残されていた」
「でもようやく魔法を解除することが出来た」
という噂を流せば、その犯人が心配して屋敷に侵入するだろうと踏んだのだ。
私の読み通り、その犯人は自分の仕事の完成度の確認のために我が屋敷に潜入し、ものの見事に待機していた兵士たちに捕まった。
「まさか我が家の知り合いがそんなことをするとは思ってもいませんでした――で、先生。早速魔法を解いてくださいますね?」
「そ、それは……」
まだ何かに遠慮しているのか、かかりつけ医は一向に魔法を解除しようとしない。
「先生」
私は男の耳に向かって、小声で話しかけた。
「やらないと、今すぐここで先生の爪を剥ぎますよ」
「ひっ」
冗談のつもりだったが、本気でやると思ったらしい、男は、
「すみません、すみません!」
と泣きながら解除の呪文を唱えた。
国王が締め括る。
「ちょ、ちょっと待ってくださ」
「話の途中だ。黙れ」
ジョージ王子は陛下に睨みつけられ、小動物のように縮こまった。
彼の取り巻きの貴族子息たちは、いつの間にかやって来た近衛兵たちに拘束されている。
逃げるかもしれないと判断されたのだろう。
「次に」
陛下は続ける。
「レベッカ、こちらに来い」
「はい」
今度はレベッカが、陛下の隣にやって来る。
「これがお前の婚約者だ」
「だ、だから違」
「セシリア。あれを」
「はい」
私は二度手を叩く。
すると、1人の男が姿を現した。
そのローブを被った男はは両手に手錠をかけられ、その両隣には兵士が立っている。
「この男が操作魔法を仕掛けた犯人です」
「操作魔法ってなんだ? 魔法?」
「お前、そんなこともわからないのか……」
国王陛下は盛大なため息をついた。
「操作魔法は、人間の脳を操って思い通りにする禁忌魔法だ」
「この男がジョージ殿下とマリアンヌに操作魔法をかけたのです」
私は補足説明する。
「ローブを外して頂戴」
「は!」
兵士たちは勢いよく男のローブを引き剥がす。
中から飛び出てきたのは、我が家でよく知る顔だった。
「彼は我が家でかかりつけ医をしている者です」
「そ、それがどうしたんだ?」
「もちろん、殿下とはほとんど関係のない人ではありますが。ただ、あなたのお友達とは何人かお知り合いかとは思いますが」
拘束された男子生徒たちのうちの数人が視線を逸らした。
このかかりつけ医は数日前我が家に不法侵入しようとしたところを、待機していた兵士たちが捕えた。
彼を捕まえるのは本当に簡単だった。
「マリアンヌに操作魔法がかけられたかもしれない。その証拠が家に残されていた」
「でもようやく魔法を解除することが出来た」
という噂を流せば、その犯人が心配して屋敷に侵入するだろうと踏んだのだ。
私の読み通り、その犯人は自分の仕事の完成度の確認のために我が屋敷に潜入し、ものの見事に待機していた兵士たちに捕まった。
「まさか我が家の知り合いがそんなことをするとは思ってもいませんでした――で、先生。早速魔法を解いてくださいますね?」
「そ、それは……」
まだ何かに遠慮しているのか、かかりつけ医は一向に魔法を解除しようとしない。
「先生」
私は男の耳に向かって、小声で話しかけた。
「やらないと、今すぐここで先生の爪を剥ぎますよ」
「ひっ」
冗談のつもりだったが、本気でやると思ったらしい、男は、
「すみません、すみません!」
と泣きながら解除の呪文を唱えた。
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