濡れ衣で死刑執行されましたが、妖精王の加護で復活しました ~私の代わりに、妖精王が怒ってくれるみたいです~

小倉みち

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執着 ~ライアン視点~

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 俺がその占い師の女に執着するのは、時間がかからなかった。

 部下を呼びつけ、その女をもう一度連れてきてもらう。


「いかがでしたか? 陛下」

 女は言った。

「効果の方は?」

「素晴らしい」

 私は興奮して早口になる。

「おかげで妻がまた元の姿に戻った。お前のその薬のレシピは素晴らしい」

「左様ですか」


 1国の王に褒められても、占い師の女は顔色1つ変えなかった。

 褒められ慣れているのだろう。


「お前の力さえあれば、この国の混乱を鎮めることも可能ではないか?」

 俺は女に尋ねた。

「ぜひその力を、我が国に役立ててほしいのだ」

「もちろんです」

 女は微笑んだ。

「陛下のためなら、私の力などいくらでもお貸ししましょう。お代はいりませんわ」

「なんて慈悲深い。すぐにでもお前の場所を城で提供しよう。お前の名は?」

「……ニンファです」

「ニンファ? 意外な名前だな」


 妖精か。

 妖精と名のつくほど、この女には可憐さが見受けられないが。


「よく言われますわ」

 占い師は言った。

「好きに名前をつけていただいても構いませんよ、陛下なら」

「いや、良い。俺もお前をニンファと呼ぼう。よろしく頼む」


 ニンファの住む家は、城の中に用意した。

 わざわざ部下に命じて、城の内部に小屋を立てさせる。


 部下曰く、この女はよそから来たさすらいの者らしい。

 本来であれば、どこぞの馬の骨とも知らぬ者を城に住まわせるなど言語道断だが、俺にはこの女しかいなかった。


 女を城に住まわせたのは、女がどこにもいかないようにするためだ。

 大きな城壁は、女を囲うための檻。


 俺はほくそ笑んだ。

 この力さえあれば、俺はもっともっと――。

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