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第4章
手紙
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「手紙?」
私は首を傾げた。
「一体どなたからなの?」
残念ながら、友人のいない(アン令嬢は除く)私には、手紙を送り合う相手すらいない。
……あっ。
もしや、適当に送りつけた求婚状の受取先から、
「やっぱり、ぜひ我が息子の婚約者になってください!」
なんていう返事が改めて送られてきたのでは――。
「なわけないでしょうが」
私の心の声を一体どうやって読み取ったのか、カレンは速攻否定してきた。
「残念ながら、お嬢様の都合の良いことは起こりえません。絶対に」
「そこまで否定しなくても良いじゃないの……」
私は妙に落ち込んだ。
さっきと言い、殿下のことと言い、新しい婚約者探しのことと言い、なんかもう、駄目な気がしてきた。
楽観的で鈍感な部分だけが私の取柄だっていうのに、もう何もかもうまく行かない。
「はぁ」
私はため息をついた。
今日はもう疲れた。
何もしてないけど。
なんか今日は、精神的に駄目な日なんだと思う。
「お嬢様?」
カレンが心配そうに尋ねてきた。
「あの、どうされましたか?」
「いや、うん……」
一気にすべてのやる気をなくした私は、
「今日はもう寝るわ」
と、カレンに告げた。
「昼ですけど」
「体調がすぐれないの。放って置いて」
「……わかりました。では、ハーブティをお持ちしておきますね」
カレンは何かを察したのか、いつものような「お小言」は言わなかった。
それと、とカレンは続ける。
「手紙の送り主ですが」
「ああ、うん……。後にしてほしいんだけど。で、誰?」
「アン公爵令嬢からです。どうも、来週末のお茶会のお話だとか」
「えっ」
私の声は上ずった。
「いつ? いつどこで? 行くわ。絶対に行く! ――カレン。今から、お茶会用のドレスを見繕いに行くわよ!」
「えっ、あの。体調がお悪いのでは?」
「今治ったわ!」
手紙の内容で、さきほどまでの怠さが一気に改善された。
やっぱり、持つべきものは友達だわ。
私は首を傾げた。
「一体どなたからなの?」
残念ながら、友人のいない(アン令嬢は除く)私には、手紙を送り合う相手すらいない。
……あっ。
もしや、適当に送りつけた求婚状の受取先から、
「やっぱり、ぜひ我が息子の婚約者になってください!」
なんていう返事が改めて送られてきたのでは――。
「なわけないでしょうが」
私の心の声を一体どうやって読み取ったのか、カレンは速攻否定してきた。
「残念ながら、お嬢様の都合の良いことは起こりえません。絶対に」
「そこまで否定しなくても良いじゃないの……」
私は妙に落ち込んだ。
さっきと言い、殿下のことと言い、新しい婚約者探しのことと言い、なんかもう、駄目な気がしてきた。
楽観的で鈍感な部分だけが私の取柄だっていうのに、もう何もかもうまく行かない。
「はぁ」
私はため息をついた。
今日はもう疲れた。
何もしてないけど。
なんか今日は、精神的に駄目な日なんだと思う。
「お嬢様?」
カレンが心配そうに尋ねてきた。
「あの、どうされましたか?」
「いや、うん……」
一気にすべてのやる気をなくした私は、
「今日はもう寝るわ」
と、カレンに告げた。
「昼ですけど」
「体調がすぐれないの。放って置いて」
「……わかりました。では、ハーブティをお持ちしておきますね」
カレンは何かを察したのか、いつものような「お小言」は言わなかった。
それと、とカレンは続ける。
「手紙の送り主ですが」
「ああ、うん……。後にしてほしいんだけど。で、誰?」
「アン公爵令嬢からです。どうも、来週末のお茶会のお話だとか」
「えっ」
私の声は上ずった。
「いつ? いつどこで? 行くわ。絶対に行く! ――カレン。今から、お茶会用のドレスを見繕いに行くわよ!」
「えっ、あの。体調がお悪いのでは?」
「今治ったわ!」
手紙の内容で、さきほどまでの怠さが一気に改善された。
やっぱり、持つべきものは友達だわ。
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