愛される奇蹟

こうらい ゆあ

文字の大きさ
7 / 13

7

しおりを挟む
テーブルの上に3人分の料理を並べる
とりあえず、パンにしたけど足りなかったらご飯も出そう。
「「「いただきます」」」

いつも通り幸せそうに食べる冬弥にホッと安堵する
「夏樹、今日のシチューも美味しいね。天才!肉もホロホロだぁ~」
パンを頬張りながらどんどん平らげていくのを見て嬉しくなる

そんな冬弥を驚いた顔で見ているのに気づき
「あの、お味大丈夫ですか?合わなかったらごめんなさい...」
「いや、シチューはめちゃくちゃ美味しいよ。
ただ、冬弥がちゃんと飯食ってるのが驚きで...
ロケ弁は基本食わない。食レポは一口のみ...自分から食べ物を摂取してることなんてほぼ皆無のヤツが...」

聞いてるこっちが信じられない内容が聞こえる

「冬弥、オレが作った時はいつもこんな感じなんですが...」
急に手をガシッと握られ驚いていると、横から冬弥にマネージャーの手を払い除けられ、消毒とかいってウェットティッシュで拭いてくる

「おい、誰か雑菌だ。
いや、それよりも、早坂くん。もし可能なら今後もコイツに飯を作ってやってくれ。身体が資本の仕事なのに、普段の生活がめちゃくちゃなんだよ
バイト代はちゃんと出すから、本当によろしく頼む!」

二人のやり取りを見ていて苦笑してしまい、とりあえずマネージャーさんに向き合い
「わかりました。学校もあるから休みとか時間のある時にですが、こんな感じで作らせて貰います
あ、食費とかは冬弥から貰ってるんで大丈夫なのかな?」

今後のこともあるから、とバイト代は貰える事になりなんだか申し訳なく思っていると、冬弥が抱き付いてきて、頬にキスをしてくる

マネージャーさん、めっちゃ目見開いてんじゃん!?

「ま、まさか...付き合ってるわけじゃないよな?」
「ち、違いますっ!いや、えっと...んっ!?ふぉ、や...」

慌てて否定しようとするが、冬弥に口を手で塞がれモゴモゴとしか言えない

「オレが夏樹にアプローチ中だから、邪魔しないでよ
ご飯食べたなら、さっさと帰って。明日はオフなんだから、夏樹と2人っきりでゆっくりしたいし」

不機嫌になる冬弥に呆れたように溜息をつき、オレに色々ごめんな。と言って早々に帰って行った



マネージャーが帰ってからは機嫌も直り、後ろから抱き着いてくる
「夏樹、ごめんね。アイツにはオレからしっかり文句言っとくから
あと、今日は泊まれる?せっかく半日はゆっくり一緒にいる予定だったのに...明日はオフだから、夏樹がいいなら...」


泊まるって、なると色々一線越えそうなんだけど...
嫌じゃない自分がいて戸惑う
確かに、最近は特に冬弥からのスキンシップに抵抗がないし、むしろ嬉しいって気持ちもあって...

悩んでいると頸の辺りにキスをされ、ビクッと震えてしまう
「夏樹、大好きだよ。オレのことも、好きになって欲しいなぁ...」
振り向くと頬を抑えられ、ゆっくりとキスをされる
最初は触れるだけのキスだったのに、唇を舐められ舌を絡めるような深い口付けに変わる

「っん、ふぁ...ん...」
いつの間にかこんなキスにも慣れてしまい、気持ち良さからズボンがキツくなるのがわかる
「んっ、とうや...ダメだって...」
「夏樹、大好きだよ」
耳元で囁かれる甘い声と少し涙で潤んだ綺麗な目に、つい頷いてしまう

「オレ、まだハッキリとはわかんないけど...でも、冬弥のこと好きなんだと思う
冬弥にキスせれるのも、抱き付かれるのも...むしろ、好きだし...」

驚いた顔で見つめてきたと思ったら、徐々に赤くなって恥ずかしそうにする冬弥が可愛く見える
自分からはもっと恥ずかしいこといっぱいしてくるくせに、オレからの告白には真っ赤になるのかよ

チュッと音を立ててキスをし、スマホを持って離れる
「親に泊まること、電話してくる。
あと、オレ着替えとか持ってないから、冬弥の服借りるから」
ニッと悪戯っぽく笑い、廊下に電話しに行く
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

声なき王子は素性不明の猟師に恋をする

石月煤子
BL
第一王子である腹違いの兄から命を狙われた、妾の子である庶子のロスティア。 毒薬によって声を失った彼は城から逃げ延び、雪原に倒れていたところを、猟師と狼によって助けられた。 「王冠はあんたに相応しい。王子」 貴方のそばで生きられたら。 それ以上の幸福なんて、きっと、ない。

みそっかす‪α‬、ある日スパダリΩに拾われる。

Q矢(Q.➽)
BL
飯嶋 茜太(いいじま せんた)、25歳。 ‪性別 男、‪α‬。長身で黒髪黒目、ルックスそこそこ、学歴そこそこ。 基本性格は明るく人懐っこい。 でも、モテません。 それは、‪"α‬"だから―――。 さて、期待外れと呼ばれて今迄の生活を捨てたαに、幸せは訪れるのか。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

忘れ物

うりぼう
BL
記憶喪失もの 事故で記憶を失った真樹。 恋人である律は一番傍にいながらも自分が恋人だと言い出せない。 そんな中、真樹が昔から好きだった女性と付き合い始め…… というお話です。

S級エスパーは今日も不機嫌

ノルジャン
BL
低級ガイドの成瀬暖は、S級エスパーの篠原蓮司に嫌われている。少しでも篠原の役に立ちたいと、ガイディングしようとするが拒否される日々。ある日、所属しているギルドから解雇させられそうになり、焦った成瀬はなんとか自分の級を上げようとする。

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

彼は罰ゲームでおれと付き合った

和泉奏
BL
「全部嘘だったなんて、知りたくなかった」

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

処理中です...