愛される奇蹟

こうらい ゆあ

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緊張した面持ちの冬弥が珍しく、安心させるように手を握ると嬉しそうに微笑んでくる
オレよりも大人でカッコいいのに、可愛いと思ってしまうのは好きな人だからだろうか...

今日は約束していた顔合わせの日
母さんにも自分の恋愛対象が男性で、今は彼氏がいるってやっと言えた
何となく察してくれていたようで、「今度連れて来てね~」と軽く言われ色々とホッとした

姉貴と春人さん、母さんには驚いて貰おう
父さんは、単身赴任でいないから戻ってきた時に

前までなら、こんなこと考えることすらなかったし、自分の彼氏を紹介する未来なんて来ないと思っていた

ギュッと少し強めに手を握られ、冬弥を見上げる
「うん、行こっか。姉貴も母さんも冬弥のファンだからめっちゃ慌てるだろうけど」

手を握ったまま玄関を入り、そのままリビングに向かう
「ただいま~。彼氏連れてきた!オレの彼氏の冬弥!」
「……………」
楽しく談笑してたのに、オレが入ってきた瞬間に目を見開いて固まる3人。予想通り過ぎてついクスッと笑ってしまう

「あ、初めて。夏樹、くんとお付き合いさせて貰ってる冬弥です。
モデルの仕事をしているので、夏樹のことはちゃんと養っていけるので安心してください」

冬弥も緊張しているのかよくわからないことを言ってる

「………ちょっ!ナツ!」
一番最初に正気に戻った姉貴がオレの方に静かに寄ってきた

「こんな大切なことは一番最初に言いなさーいっ!!!」
見事な右ストレートがオレの鳩尾にクリティカルヒットし、膝から崩れ落ちて床に倒れ込む
姉貴、どこのジム通ってんだ...?

オロオロする冬弥に春人さんと母さんがオレたちを無視して椅子に座るように促してる
「大丈夫、いつものことだから。
最初は驚くけど、慣れるてくるよ~」

「ほっんとーに!ナツ、ちゃんと言っといてよ!そしたらもっとオシャレしたし、心の準備もできたのに!!」
怒っている姉貴、そんな様子を見てのほほんと眺めてくる春人さんと母さん...
うん、我が家は今日も平和だなぁ...

痛む腹を摩りながら改めて冬弥を紹介することになったけど、いつも通りギャーギャー騒がしい感じになってしまった


冬弥、我が家にも頑張って慣れてね。
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