35 / 42
~another~ 期限のない恋
6.シンクロ
しおりを挟む
家に帰っても、オレは試写会のドキドキが全然止まらなかった。
胸がバクバクして、頭の中は映画のシーンと佐藤さんの笑顔でぐちゃぐちゃだ。
机の上に置いてあったスケッチブックを手に取ってそっとページをめくると、撮影中に描いた海の絵が目に飛び込んできた。
青とオレンジが混ざり合う夕陽、キラキラ光る波。
「青葉が絵を描いてると、本物の葵みたいだな」
葵の役作りで始めたスケッチだったけど、佐藤さんが褒めてくれたのが嬉しくて、あの日から毎日描くようになった。
佐藤さんが言ってくれたあの言葉が、まるで魔法みたいで……
撮影の合間にちょこちょこ描いてるだけだったのに、描くのがどんどん楽しくなって、夢中になって絵を描くようになってた。
ページをめくるだけで、撮影中のいろんな思い出がよみがえってくる。
佐藤さんが休憩時間にコーヒーを飲んでる姿を、こっそりスケッチしたやつ。
あのとき、佐藤さんのダークグレーの瞳が、ちょっと疲れたみたいに遠くを見てて……
でも、笑うとキラッと光るのがかっこよくて、思わず鉛筆を動かしちゃった。
監督が変なダンスをしてたからそれを描いたページもある。
めっちゃヘタで、顔まで変になっちゃって、監督に見つかったときは「俺はもっとイケメンだ!」って怒られたっけ。
でも、佐藤さんが「いやいや、ソックリだろ」って笑いながら肩を叩いてくれて、なんか心臓がドキッとしたんだよね。
美咲さん……彩花さんをデフォルメして書いたイラストは、映画のシーンにも使ってもらえた。
彩花さん自身が気に入ってくれて、「これでグッズ作りたい!」って言ってくれたっけ。
スケッチブックのページをめくるたび、撮影中の些細な瞬間が、まるで昨日のことみたいに頭に浮かぶ。
佐藤さんがスタジオの隅で台本を読んでる姿とか、休憩中に缶コーヒーを渡してくれて「青葉、ちゃんと水分取れよ」って言ってくれた声とか。
絵に触れるたび、佐藤さんの笑顔がチラッと頭に浮かぶたび、胸が熱くなって好きって気持ちが溢れ出してくる。
映画の中の葵が描いた海、夕陽、星空。
あの絵には、葵の悠真さんへの愛がぎゅっと詰まってた。
オレも、撮影中に佐藤さんの横顔を葵の絵を真似して描いてみたけど、ぜんぜん上手く描けなかった。
人物って、めっちゃ難しいんだなって思った。
特に、佐藤さんのあのダークグレーの瞳とか、唇の端に浮かぶ小さなえくぼとか、首筋の細い筋とか……
全部、頭では覚えているし、イメージもできるのに、オレが絵にしようとすると全然表現できなかった。
それでも、スケッチブックのページをめくるたび、佐藤さんが笑ってる絵があった。
撮影の合間に、こっそり描いたやつ。
ちょっと下手で、佐藤さんのカッコよさが全然出せてなくて、恥ずかしくて見せれなかったやつ。
でも、試写会の後、なんか……見せたい気持ちがムクムク湧いてきた。
佐藤さんがこの絵を見たら、どんな顔するかな?
「これ、俺?」って、照れ笑いしながら言ってくれるかな?
それとも、「俺はもっとカッコいいだろ?」って、監督みたいに文句言われちゃうかな?
……うん、知ってるよ。
佐藤さんは、こんな絵じゃ表せないくらい、めちゃくちゃ素敵な人だ。
ベッドに寝転がって、スケッチブックを胸に抱きしめる。
「はぁ……佐藤さんと海か……ほんと、夢みたいだなぁ」
つい声に出して呟くと、試写会のあの海のシーンが頭に浮かぶ。
葵が夕陽に染まる海で「ありがとう」って最後に呟いて、悠真さんの腕の中で逝っちゃう瞬間。
スクリーン越しなのに、涙がポロポロ止まらなかった。
佐藤さんがそっとハンカチを渡してくれて、「いいよ。青葉の涙は、誰よりも葵の気持ちを表してるから……」って囁いてくれた声が、耳の奥でまだ響いてる。
あのハンカチから漂う、佐藤さんのウッディーなコロンの香りが、葵として悠真さんに抱きしめてもらったときのことを思い出ちゃって……
なぜか、胸がギュッて締め付けられたみたいに苦しくなる。
大好きなシーンだけど、切なくて、悔しくて、葵にはもっと幸せになってほしかった。
悠真さんと、ずっと一緒にいてほしかった。
台本で決められたストーリーだけど、心の底から、幸せになってほしかった。
映画のふたりにとって、あの海は、最期のお別れのための海だった。
でも、オレと佐藤さんが見る海は、葵と悠真さんの海とは違うよね。
悲しい結末じゃなくて、幸せな始まりにしたい。
……なんて、かっこいいこと考えてるけど、正直、佐藤さんにオレの気持ちを告白する勇気なんて、ぜんっぜんないんだけど!
試写会で佐藤さんの隣に座って、肩がちょっと触れるだけで心臓バクバクだったのに、告白なんて……無理ゲーすぎる!
でも、もし、ほんのちょっとだけ勇気がもらえるなら……
海辺で佐藤さんとふたりきりになったら、波の音に紛れて「好きです」って、こっそり囁いてみようかな。
ちっちゃい声で、佐藤さんに聞こえないくらいちっちゃな声で……
それなら、フラれる心配もないし……オレの心臓も爆発しないで済むよね。
うん、そうしよう!
勇気が出たら、絶対そうしてみよう!
そう思うと、明後日の海が楽しみで、でもちょっとだけ怖い。
だって、佐藤さんとふたりで海に行くなんて、なんか……映画のワンシーンみたいだもん。
「青葉、約束覚えてるよな?海に行く約束だっただろ?」
試写会の後に佐藤さんが言ってくれた言葉が嬉しくてしかたなかった。
半年以上前の約束なのにちゃんと覚えててくれたんだってわかって、めちゃくちゃ嬉しかった。
あのときの佐藤さんの笑顔、映画の悠真さんみたいにキラキラしてて、でももっと温かくて……
スケッチブックを抱きしめながら、試写会のロビーで見た海の光を思い出す。
ガラスに映る揺れる波紋が、まるでオレの心みたいにキラキラ揺れてた。
あの海の光と、佐藤さんのダークグレーの瞳が、頭の中で混ざり合って、胸がドキドキした。
ふと、スケッチブックの端っこに、屋上庭園のシーンのラフスケッチを見つける。
あのシーン、葵が悠真さんに「愛してる」って言った瞬間。
撮影のとき、佐藤さんの目がめっちゃ真剣で、演技なのにほんとに愛されてる気がした。
唇が触れ合ったとき、本当に佐藤さんの恋人になれたんじゃないかって勘違いしそうになった。
舌を絡めるようなキスをされて、台本にはそんなの一言も書いてなかったから驚いたけど、気持ち良くて、撮影のことなんて忘れてしまってた。
庭園に咲き誇った花々の甘い匂いと、佐藤さんの深緑の落ち着いた香りが混ざり合って、頭がクラクラしたんだ。
スケッチブックのラフスケッチには、佐藤さんの横顔と、星空の下で微笑む葵の姿が描かれてる。
……これ、佐藤さんに見せたら、なんて言うかな?
「青葉、こんな絵も描いてたのか」って、優しく笑ってくれるかな?
でも、もしこの絵を見て、佐藤さんがオレの気持ちに気づいたら……?
そんなの恥ずかしくて、死んじゃうかもしれない!
でも、なんか……見せたい。
佐藤さんに、オレの全部を知ってほしいって、どこかで思ってる。
スケッチブックを胸に抱きしめたまま、ベッドの上でゴロゴロする。
海のデート、どんな感じになるんだろう。
って、勝手にデートって言っちゃっていいのかわからないけど……デートって、言いたいなぁ……
佐藤さんと並んで波打ち際を歩いて、夕陽を見ながらスケッチして……
映画の葵がやりたかったこと、全部やってみたい。
あの海で、佐藤さんにこのスケッチブックを見せたら、どんな言葉をくれるんだろう。
「青葉の絵、めっちゃいいな」って、頭ポンポンしてくれたら、嬉しくて泣いちゃうかもしれない。
……うん、絶対スケッチブック持って行こう。
下手くそでも、オレの気持ちが詰まった絵を、佐藤さんに見てもらおう。
海の風に吹かれながら、佐藤さんの隣で笑ってたい。
映画の切ない結末を、幸せな始まりに変えたい。
そんなことを考えながら、スケッチブックを抱いたまま、ドキドキが止まらない夜を過ごした。
胸がバクバクして、頭の中は映画のシーンと佐藤さんの笑顔でぐちゃぐちゃだ。
机の上に置いてあったスケッチブックを手に取ってそっとページをめくると、撮影中に描いた海の絵が目に飛び込んできた。
青とオレンジが混ざり合う夕陽、キラキラ光る波。
「青葉が絵を描いてると、本物の葵みたいだな」
葵の役作りで始めたスケッチだったけど、佐藤さんが褒めてくれたのが嬉しくて、あの日から毎日描くようになった。
佐藤さんが言ってくれたあの言葉が、まるで魔法みたいで……
撮影の合間にちょこちょこ描いてるだけだったのに、描くのがどんどん楽しくなって、夢中になって絵を描くようになってた。
ページをめくるだけで、撮影中のいろんな思い出がよみがえってくる。
佐藤さんが休憩時間にコーヒーを飲んでる姿を、こっそりスケッチしたやつ。
あのとき、佐藤さんのダークグレーの瞳が、ちょっと疲れたみたいに遠くを見てて……
でも、笑うとキラッと光るのがかっこよくて、思わず鉛筆を動かしちゃった。
監督が変なダンスをしてたからそれを描いたページもある。
めっちゃヘタで、顔まで変になっちゃって、監督に見つかったときは「俺はもっとイケメンだ!」って怒られたっけ。
でも、佐藤さんが「いやいや、ソックリだろ」って笑いながら肩を叩いてくれて、なんか心臓がドキッとしたんだよね。
美咲さん……彩花さんをデフォルメして書いたイラストは、映画のシーンにも使ってもらえた。
彩花さん自身が気に入ってくれて、「これでグッズ作りたい!」って言ってくれたっけ。
スケッチブックのページをめくるたび、撮影中の些細な瞬間が、まるで昨日のことみたいに頭に浮かぶ。
佐藤さんがスタジオの隅で台本を読んでる姿とか、休憩中に缶コーヒーを渡してくれて「青葉、ちゃんと水分取れよ」って言ってくれた声とか。
絵に触れるたび、佐藤さんの笑顔がチラッと頭に浮かぶたび、胸が熱くなって好きって気持ちが溢れ出してくる。
映画の中の葵が描いた海、夕陽、星空。
あの絵には、葵の悠真さんへの愛がぎゅっと詰まってた。
オレも、撮影中に佐藤さんの横顔を葵の絵を真似して描いてみたけど、ぜんぜん上手く描けなかった。
人物って、めっちゃ難しいんだなって思った。
特に、佐藤さんのあのダークグレーの瞳とか、唇の端に浮かぶ小さなえくぼとか、首筋の細い筋とか……
全部、頭では覚えているし、イメージもできるのに、オレが絵にしようとすると全然表現できなかった。
それでも、スケッチブックのページをめくるたび、佐藤さんが笑ってる絵があった。
撮影の合間に、こっそり描いたやつ。
ちょっと下手で、佐藤さんのカッコよさが全然出せてなくて、恥ずかしくて見せれなかったやつ。
でも、試写会の後、なんか……見せたい気持ちがムクムク湧いてきた。
佐藤さんがこの絵を見たら、どんな顔するかな?
「これ、俺?」って、照れ笑いしながら言ってくれるかな?
それとも、「俺はもっとカッコいいだろ?」って、監督みたいに文句言われちゃうかな?
……うん、知ってるよ。
佐藤さんは、こんな絵じゃ表せないくらい、めちゃくちゃ素敵な人だ。
ベッドに寝転がって、スケッチブックを胸に抱きしめる。
「はぁ……佐藤さんと海か……ほんと、夢みたいだなぁ」
つい声に出して呟くと、試写会のあの海のシーンが頭に浮かぶ。
葵が夕陽に染まる海で「ありがとう」って最後に呟いて、悠真さんの腕の中で逝っちゃう瞬間。
スクリーン越しなのに、涙がポロポロ止まらなかった。
佐藤さんがそっとハンカチを渡してくれて、「いいよ。青葉の涙は、誰よりも葵の気持ちを表してるから……」って囁いてくれた声が、耳の奥でまだ響いてる。
あのハンカチから漂う、佐藤さんのウッディーなコロンの香りが、葵として悠真さんに抱きしめてもらったときのことを思い出ちゃって……
なぜか、胸がギュッて締め付けられたみたいに苦しくなる。
大好きなシーンだけど、切なくて、悔しくて、葵にはもっと幸せになってほしかった。
悠真さんと、ずっと一緒にいてほしかった。
台本で決められたストーリーだけど、心の底から、幸せになってほしかった。
映画のふたりにとって、あの海は、最期のお別れのための海だった。
でも、オレと佐藤さんが見る海は、葵と悠真さんの海とは違うよね。
悲しい結末じゃなくて、幸せな始まりにしたい。
……なんて、かっこいいこと考えてるけど、正直、佐藤さんにオレの気持ちを告白する勇気なんて、ぜんっぜんないんだけど!
試写会で佐藤さんの隣に座って、肩がちょっと触れるだけで心臓バクバクだったのに、告白なんて……無理ゲーすぎる!
でも、もし、ほんのちょっとだけ勇気がもらえるなら……
海辺で佐藤さんとふたりきりになったら、波の音に紛れて「好きです」って、こっそり囁いてみようかな。
ちっちゃい声で、佐藤さんに聞こえないくらいちっちゃな声で……
それなら、フラれる心配もないし……オレの心臓も爆発しないで済むよね。
うん、そうしよう!
勇気が出たら、絶対そうしてみよう!
そう思うと、明後日の海が楽しみで、でもちょっとだけ怖い。
だって、佐藤さんとふたりで海に行くなんて、なんか……映画のワンシーンみたいだもん。
「青葉、約束覚えてるよな?海に行く約束だっただろ?」
試写会の後に佐藤さんが言ってくれた言葉が嬉しくてしかたなかった。
半年以上前の約束なのにちゃんと覚えててくれたんだってわかって、めちゃくちゃ嬉しかった。
あのときの佐藤さんの笑顔、映画の悠真さんみたいにキラキラしてて、でももっと温かくて……
スケッチブックを抱きしめながら、試写会のロビーで見た海の光を思い出す。
ガラスに映る揺れる波紋が、まるでオレの心みたいにキラキラ揺れてた。
あの海の光と、佐藤さんのダークグレーの瞳が、頭の中で混ざり合って、胸がドキドキした。
ふと、スケッチブックの端っこに、屋上庭園のシーンのラフスケッチを見つける。
あのシーン、葵が悠真さんに「愛してる」って言った瞬間。
撮影のとき、佐藤さんの目がめっちゃ真剣で、演技なのにほんとに愛されてる気がした。
唇が触れ合ったとき、本当に佐藤さんの恋人になれたんじゃないかって勘違いしそうになった。
舌を絡めるようなキスをされて、台本にはそんなの一言も書いてなかったから驚いたけど、気持ち良くて、撮影のことなんて忘れてしまってた。
庭園に咲き誇った花々の甘い匂いと、佐藤さんの深緑の落ち着いた香りが混ざり合って、頭がクラクラしたんだ。
スケッチブックのラフスケッチには、佐藤さんの横顔と、星空の下で微笑む葵の姿が描かれてる。
……これ、佐藤さんに見せたら、なんて言うかな?
「青葉、こんな絵も描いてたのか」って、優しく笑ってくれるかな?
でも、もしこの絵を見て、佐藤さんがオレの気持ちに気づいたら……?
そんなの恥ずかしくて、死んじゃうかもしれない!
でも、なんか……見せたい。
佐藤さんに、オレの全部を知ってほしいって、どこかで思ってる。
スケッチブックを胸に抱きしめたまま、ベッドの上でゴロゴロする。
海のデート、どんな感じになるんだろう。
って、勝手にデートって言っちゃっていいのかわからないけど……デートって、言いたいなぁ……
佐藤さんと並んで波打ち際を歩いて、夕陽を見ながらスケッチして……
映画の葵がやりたかったこと、全部やってみたい。
あの海で、佐藤さんにこのスケッチブックを見せたら、どんな言葉をくれるんだろう。
「青葉の絵、めっちゃいいな」って、頭ポンポンしてくれたら、嬉しくて泣いちゃうかもしれない。
……うん、絶対スケッチブック持って行こう。
下手くそでも、オレの気持ちが詰まった絵を、佐藤さんに見てもらおう。
海の風に吹かれながら、佐藤さんの隣で笑ってたい。
映画の切ない結末を、幸せな始まりに変えたい。
そんなことを考えながら、スケッチブックを抱いたまま、ドキドキが止まらない夜を過ごした。
131
あなたにおすすめの小説
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
カフェ・コン・レーチェ
こうらい ゆあ
BL
小さな喫茶店 音雫には、今日も静かなオルゴール調のの曲が流れている。
背が高すぎるせいか、いつも肩をすぼめている常連の彼が来てくれるのを、僕は密かに楽しみにしていた。
苦いブラックが苦手なのに、毎日変わらずブラックを頼む彼が気になる。
今日はいつもより温度を下げてみようかな?香りだけ甘いものは苦手かな?どうすれば、喜んでくれる?
「君の淹れる珈琲が一番美味しい」
苦手なくせに、いつも僕が淹れた珈琲を褒めてくれる彼。
照れ臭そうに顔を赤ながらも褒めてくれる彼ともっと仲良くなりたい。
そんな、ささやかな想いを込めて、今日も丁寧に豆を挽く。
甘く、切なく、でも愛しくてたまらない――
珈琲の香りに包まれた、静かで優しい記憶の物語。
この運命を、あなたに。
皆中透
BL
オメガが治める国、オルサラータ。この国は、王がアルファを側室に迎える形式で子孫を残し、繁栄して来た。
イセイは現王ジュオの運命のつがいとの間の息子で、ジュオの二番目の子供にあたる。彼には兄が一人と弟が二人いるのだが、その弟の父であるイファに長年恋心を寄せていた。
しかし、実父の側室であり、弟たちの父親である人を奪ってまで幸せになる事など出来ないと思い、一度もその想いを告げたことはなかった。そして、成人後には遠くの領地をもらい、イファから離れる道を選ぶと決めている。そうして想いに蓋をしたまま、彼は成人の日を迎えた。
祝宴の日の朝、正装をした四兄弟は杯を交わし、これからも変わらずにいることを誓い合おうとしていた。すると、その杯を飲み干したイセイは、そのままその場に倒れ込んでしまう。
暗殺かと思われたその出来事は、イセイが翌日目を覚ましたことで杞憂に終わったのだが、目覚めたイセイはなぜかオメガになっていて……。
秘めた想いが絡まり合い、真っ直ぐに繋がれない恋。
不器用な二人が番うまでの日々を綴る、訳ありオメガバース。
【完結】完璧アルファな推し本人に、推し語りするハメになったオレの顛末
竜也りく
BL
物腰柔らか、王子様のように麗しい顔、細身ながら鍛えられた身体、しかし誰にも靡かないアルファの中のアルファ。
巷のお嬢さん方を骨抜きにしているヴァッサレア公爵家の次男アルロード様にオレもまたメロメロだった。
時に男友達に、時にお嬢さん方に混ざって、アルロード様の素晴らしさを存分に語っていたら、なんとある日ご本人に聞かれてしまった。
しかも「私はそういう人の心の機微が分からなくて困っているんだ。これからも君の話を聞かせて欲しい」と頼まれる始末。
どうやら自分の事を言われているとはこれっぽっちも思っていないらしい。
そんなこんなで推し本人に熱い推し語りをする羽目になって半年、しかしオレも末端とはいえど貴族の一員。そろそろ結婚、という話もでるわけで見合いをするんだと話のついでに言ったところ……
★『小説家になろう』さんでも掲載しています。
六年目の恋、もう一度手をつなぐ
高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。
順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。
「もう、おればっかりが好きなんやろか?」
馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。
そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。
嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き……
「そっちがその気なら、もういい!」
堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……?
倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡
大嫌いなアルファと結婚しまして
リミル
BL
面倒見のいい隠れSなα×アルファから転化したΩ
久世優生と神崎基城はアルファの幼馴染みで、互いのスペックを競い合うライバル同士でもあった。
パーティーの最中、基城は原因不明の体調不良に襲われ、第二性がアルファからオメガに転化したと告げられる。
オメガになったことで、優生に馬鹿にされるかと思えば、何故かプロポーズを申し込まれてしまい──!?
(完結)冷徹アルファを揺さぶるオメガの衝動
相沢蒼依
BL
名門・青陵高校に通う佐伯涼は、誰もが一目置く完璧なアルファ。冷静沈着で成績優秀、規律を重んじる彼は、常に自分を律して生きてきた。だがその裏には厳格な父と家の名に縛られ、感情を抑え込んできた孤独があった。
一方、クラスの問題児と呼ばれる榎本虎太郎は自由奔放で喧嘩っ早く、どこか影を抱えた青年。不良のような外見とは裏腹に、心はまっすぐで仲間思い。彼が強さを求めるのは、かつて“弱さ”ゆえに傷ついた過去がある。
青陵高校1年の秋。冷徹で完璧主義の委員長・佐伯涼(α)は、他校の生徒に絡まれたところを隣のクラスの榎本虎太郎(Ω)に助けられる。だがプライドを傷つけられた佐伯は「余計なことをするな」と突き放し、二人の関係は最悪の出会いから始まった。
《届かぬ調べに、心が響き合い》
https://estar.jp/novels/26414089
https://blove.jp/novel/265056/
https://www.neopage.com/book/32111833029792800
(ネオページが作品の連載がいちばん進んでおります)
さよならの向こう側
よんど
BL
【お知らせ】
今作に番外編を加えて大幅に加筆修正したものをJ庭58で販売しました。此方の本編を直す予定は御座いません。
BOOTH
https://yonsanbooth-444.booth.pm/items/7436395
''Ωのまま死ぬくらいなら自由に生きようと思った''
僕の人生が変わったのは高校生の時。
たまたまαと密室で二人きりになり、自分の予期せぬ発情に当てられた相手がうなじを噛んだのが事の始まりだった。相手はクラスメイトで特に話した事もない顔の整った寡黙な青年だった。
時は流れて大学生になったが、僕達は相も変わらず一緒にいた。番になった際に特に解消する理由がなかった為放置していたが、ある日自身が病に掛かってしまい事は一変する。
死のカウントダウンを知らされ、どうせ死ぬならΩである事に縛られず自由に生きたいと思うようになり、ようやくこのタイミングで番の解消を提案するが...
運命で結ばれた訳じゃない二人が、不器用ながらに関係を重ねて少しずつ寄り添っていく溺愛ラブストーリー。
(※) 過激表現のある章に付けています。
*** 攻め視点
※当作品がフィクションである事を理解して頂いた上で何でもOKな方のみ拝読お願いします。
扉絵
YOHJI@yohji_fanart様
(無断転載×)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる