キッドナッパー

TERRA

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Day.3

21

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霧が深く立ち込める山中。
木々は背を高く伸ばし、枝が絡み合い、空を覆い隠している。
その間を縫うように進む男の姿があった。
その手には、重そうな袋が握られている。
足元の土は湿り気を帯び、靴の跡がくっきりと残る。

森の中は静寂に包まれている。
しかし、その静けさはどこか不気味だった。
遠くで鳥の声が響くが、それは短く途切れ、再び静寂が訪れる。
木々の間からは、霧が低く漂い、影がぼんやりと揺れている。
男は立ち止まり、視線を周囲に巡らせた。

誰もいない。
それでも、森の奥深くから何かがこちらを見ているような気配がする。

男は地面に膝をつき、手に持ったスコップで穴を掘り始めた。
湿った土が掘り返され、暗い穴が徐々に深くなっていく。
袋の中身は見えない。
しかし、その形状は不自然に膨らんでおり、何か重いものが入っていることを示していた。

森の空気は冷たく、湿り気を帯びている。
木々の間からは、時折風が吹き抜け、葉がざわめく音が響く。
その音はまるで囁き声のように聞こえた。

男は無言のまま、袋を穴の中に押し込む。
そして、再びスコップを手に取り、掘り返した土をかけていく。
霧が濃くなるにつれ、男の姿はぼんやりと滲み、まるで幻のように消えていく。

遠くで鳥の声が響くが、それもすぐに霧の中に吸い込まれていった。

森の奥深くでは、何かが潜んでいるような気配が漂っていた。
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