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・地下室調教編(Day7~)

二日目 4-1

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 地下室に、青年のあげる悲鳴が、断続的に鳴り響いている。何度も、あげる声は次第に、小さくなっていった。
 何度、胸で達したのか、もうわからない。
 右も左も。
 ぐらぐらと、世界が揺れている。浮遊感。そうだ、身体が浮いているかのような、奇妙な感覚だ。
 男は満足したかのように、青年の、両胸に、テープで固定された、ローターをつまむと、一気に引ちぎった。
「うぎゃああ……!」
 ぶちぶちぶちと、いう音とともに、ローターを張り付けていた、テープがちぎれていく。その衝撃に、青年は、意識を飛ばした。
「なんだ、この程度か」
 男は、つまらなさそうに、口元から唾液をたらしたまま、動かなくなった青年を、見下ろした。
「おい、続きをさせよ」
 部屋の外へと声をかけると、黒い服を着た使用人が、さっとあらわれて、気付けの薬を使った。
 はっと、我に返った青年は、身体に残った快感に、うち震える。
「どうした? 変態」
 男になじられても、もう、言い返す余裕がない。
「ああ、そうか、楽にしてやろうと、解薬剤を持ってきてやったんだったな」
 男は、青年の前に小瓶をちらつかせた。
「だが、まあ、お前は俺のもの・・・・ではないんだったな。それなら、この俺がわざわざ手をかけなくても、よいな? ん?」
 あえて、ゆっくりと、男は、自分の懐に小瓶をしまった。
「ならば、結構。楽しんでいてくれ。思う存分に」
 青年が声を出す前に、男は踝を帰して、部屋へと出て行こうとする。
「まっ……」
 呼び止めようとして、青年は戦慄した。
 このまま、男を呼び止めたら――。
「……待って」
 けれど、声が漏れた。
「ん?」
 男が振り返って青年を見る。
「ま、待てって……」
「ん? 何か聞こえたか?」
 男は傍にひかえていた使用人に問う。使用人は、何も答えない。
「ま、待って……く、ださ……い」
 青年は、羞恥で身が焦げそうになった。
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