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・地下室調教編(Day7~)

二日目 3-5

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 頭で考えるまえに、行動に出ていた。
 青年は、男の顔めがけて、唾を吐きかけていたのだ。
 彼は驚いたように目を見開いたが。さっと、青年の吐いたものを手に触れて、拭った。
 そして、驚くのは、今度は青年の番だった。
「……ふふ、ふふっ」
 目の前で、男は微かに頬を赤く染めて、笑い出した。その笑い方が、今までのものとは全然違った。
 血の気のない、冷徹な笑い方しか見たことがなかった、青年は、思わず、どきりと心臓をときめかせた。
 なんと、妖艶な。
 まるで――、月夜に蠢く女吸血鬼のように。
 どっと、心拍がいっきにはねあがり、青年は胸苦しささえ覚えた。
 おかしい。
 目の前にいる男は、敵といってもいいほどの、ものなのに。
 なぜか、その一瞬だけは、彼のことを、美しいとさえ、思ってしまった。
「活きがいいとは思っていたが、これほどとはな」
 藤滝が、薔薇色に染まった唇を舐めまわした。
「とんだ、駄犬だ。どこまで、俺の手をわずらわせるのだ?」
 青年は返した。
「……っ、それを喜んでいる、変態には、付き合切れん……っ」
「ほう? まだ、そんな口がきけるのか。何をされているのか、わかっていないのか? お前は。馬鹿なのか。それとも、お前に載せられるように、こうしている俺が馬鹿なのか」
「さあな」
「ふふ、よく言う。本当に、口だけはな」
 男は、そう言うと、リモコンのスイッチを入れた。鈍い機械音が、部屋の中に響き渡る。
「~~~~ッ!!!!」
 震えだしたのは、両胸の尖りに設置されていた、ローターだった。叫びだす声もなく、青年は、達した。
「おいおい、胸だけで、こんな震え上がって……誰が変態だって? ここだけで、こんなに激しくイけるやつのほうが、変態というんじゃないのか?」
 藤滝の声すら聞こえない。そのくらい、高く到達してしまい、なかなか降りてこられない。
 それなのに、今だに、胸の上の震えはおさまることがない。
「いい表情だ。お前はそうやって、むせびないているのが、一番いい」
 藤滝はさらに、ローターの振動を強めた。
「うう、ひぎいい、あああ、う、も、やああああ……!!」
 弱から、中へと。
 震えが強くなると、もう、開いた口が閉じられなくなって、声をあげつづける。
「あ、ああ……も、これ、えええ、あ、ひいい、う、うああああ」
 びくんと大きく身体が跳ね上がった。ひぎっと声が洩れて、再び彼は到達した。
「このまま、最強まで味わってみるか?」
 涙でぐしょぐしょの顔で、頭を横に振る前に、男は、スイッチを入れた。
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