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・地下室調教編(Day7~)

三日目 3-5

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 様子をみていた使用人が、顔色を変えて、いまにも飛びつこうとしてくる。それを、藤滝は一喝して、おさめると、青年を抱き上げたまま部屋を闊歩していく。
「くそ、おろせって!」
「いまにおろしてやる」
 男は平然と青年にこたえた。部屋の隅に置かれていた、ベッドに彼をなげつけるように乱暴に下ろすと、受け身をとった青年の上に、男は乗り出して来た。
 またもや、逃げ路をふさがれた。青年は、じっと男を睨みつけた。それが余計に男を煽っているということも知らずに。
「ずいぶんと乱暴な手つきだな」
「減らない口だな」
 藤滝がこたえた。
「それより、どうだった? 俺の仕込んだもののは?」
 仕込んだ……? ああ、なるほど。と、青年は、昨夜の異常な興奮と、今朝がた滝田に教えられたことを思い出して、ほくそえんだ。
 まだ、この男は、自分が青年にほどこしたものが「解除・・」されているということを知らないのだろう。
 なにせ、まだきっと彼は滝田裏切り者の存在を知らないでいるに違いない。まだ、この部分においては、自分のほうが上手かみてにあるはずだ。
 青年は、自分に余裕を取り戻した。
 だが、状況としてはいっこうにかわらない。あの滝田には、この目の前にいる男を篭絡するようにと乞われていたが、そんなことが果たしてできるだろうか。こんなひとをひととも思わないような人間に――?
「相変わらず反抗的だな、お前は」
「誰に膝づけばここから出られるんだ?」
「そのためには、返すものを返してもらわねくてはな」
「くそくらえ」
「汚い口はよせ。……ところで」
 ひたり。
 男の指が、青年の胸に触れた。
 そのままそれが、ゆっくりと青年の身体の上を移動する。
「……っ」
 ただ触られただけだ。それだが、思わず青年は息をつめた。
 冷たい感覚は徐々に自分の体温とまざりあって、男の指に冷たさを感じなくなってくる。
 何度も同じ場所をいったりきたりしているだけの手のひらに、何をされているというわけでもない。敏感にされていた尖りにはあえて触れずに、胸部をぐるりと一周してきてはまた、ぐるりと身体を触られている。
「く、何しているんだよ」
 青年は、男へと眼光を飛ばした。
「触ってばっかりで、くすぐったいが?」
 身じろぎしようとした青年の腕を男が引き掴んで、もとに引き寄せた。
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