258 / 281
・屋敷編
Wed-10
しおりを挟む
じくじくと秘孔を熱で煽られても、戒められて手首では、自らを慰めることもできずに、体をくねらせて少しでもそれから逃れようとすることしかできない。ばくばくと心拍があがる。薬が回って来た証拠だ。前の兆しが大きく膨らみ、刺激を求めてひくひくと先端を涙で濡らす。糸を引いて水は下へとぽたぽたと落ちていく。
こういう見せしめのような悪戯をよくも考え付くものだ。
自分で発散できない熱に弄ばれて、慰めることも逃げることもできない状態で、熱に浮かされる青年たちの痴態を眺めて楽しむ、という趣向。そこに手が加えられることはない。永遠に熱に浮かされる。
「……くっ」
噛み締めていたはずの歯と歯の間から息が洩れた。膚にあたる空気が少し冷たいと感じる。発熱した体温のせいだ。
吊るされた男体が、呻きながら身悶える姿に、客たちの視線が注がれていく。見定めるかのような視線、欲望の対象へ注がれるねっとりとした視線。先走りで濡らした太腿が微かに痙攣する。見られただけで、内側から悦が襲ってくる。きゅっと後孔がしまった。
――欲しい。
熱でぐずぐずにされた頭の片隅に、静かに欲望が垂れさがる。
――欲しい。後ろを貫いてほしい。
薬に侵されて、くぱくぱと物欲しげに開閉しだす後ろに、意識が向いた途端、カッと全身が炎にくべられたかのように発熱する。
こういう見せしめのような悪戯をよくも考え付くものだ。
自分で発散できない熱に弄ばれて、慰めることも逃げることもできない状態で、熱に浮かされる青年たちの痴態を眺めて楽しむ、という趣向。そこに手が加えられることはない。永遠に熱に浮かされる。
「……くっ」
噛み締めていたはずの歯と歯の間から息が洩れた。膚にあたる空気が少し冷たいと感じる。発熱した体温のせいだ。
吊るされた男体が、呻きながら身悶える姿に、客たちの視線が注がれていく。見定めるかのような視線、欲望の対象へ注がれるねっとりとした視線。先走りで濡らした太腿が微かに痙攣する。見られただけで、内側から悦が襲ってくる。きゅっと後孔がしまった。
――欲しい。
熱でぐずぐずにされた頭の片隅に、静かに欲望が垂れさがる。
――欲しい。後ろを貫いてほしい。
薬に侵されて、くぱくぱと物欲しげに開閉しだす後ろに、意識が向いた途端、カッと全身が炎にくべられたかのように発熱する。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
610
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる