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「と、とれたー!!」
ぽんっと弾け飛ぶようにして、落ちた景品を店主から受け取ると、その変なぬいぐるみを抱きしめて、井宮は飛び跳ねた。
「お前は小学生かよ」
「いーじゃん、ザウルスくんぬいぐるみ!」
「そっちじゃなくて」
そのオーバーな喜びかたのほうを言ったのだが。
まあ、いいや。
「よかった、よかったな」
俺は、思わず、彼の頭に触れた。ぽんぽんとなでてしまっていた。
「あ……」
途中で自分のしている行動に気が付いて、俺は慌てて手を引っ込めた。
いくら井宮が幼く見えても、彼はれっきとした大人であって男であって――。
「ん? 何?」
本人は俺の動揺など、まったく知らずに、きょとんと俺を見上げてきている。こういう鈍感なところが、俺は嫌いだ。
「あ!」
彼が大声を出した。
「どした!?」
「しまったよ、たけ!」
「は?」
「お前のせいだぞ、見て見ろ!」
彼はかき氷を指さしていた。
「溶けてる!!」
ちなみに、それは、俺のせいではない。
*
ストロー型のスプーンは便利だ。こういうとき、溶け切った氷とシロップをそのまま、ずるずる飲めるからだ。
「なあ、たけ。それ、食わないの?」
彼が俺の手に持っていた綿あめをじっと見ている。
「食った」
「ん?」
「ひとくちだけな」
「えー、ひとくちだけ」
「甘過ぎて、むかむかするから」
「そうー?」
「食べる?」
「もらう!」
彼は、俺から綿あめを奪いとると、そのまま、ぱくんと口に入れた。
「甘っ!」
「いや、だから、甘いもんだから、それ」
「……なあ、たけ」
「ん?」
「これってさ、たけ、口にしたんだよな」
「ん、ああ。嫌だったら、食うなよ」
「嫌じゃないよ。でもさ、間接き――」
「言わせない!!」
俺は大声を出して、彼のことばを遮った。
「それは、言わせない!」
「あはは、必死になっちゃって、かーわいー! あ、ビール売ってる。買おう」
「飲みすぎ、食べすぎじゃないか」
「へーき、へーき」
「さっき、たこ焼きも食べてたよな」
「これから、フランクフルトも食べるつもり」
「はいはい……って、なんでまた俺のぶんまで買ってくるの?」
ふたつビールを買って来た彼に俺はつっこむ。
「いや、これ、俺の。両方とも」
「なんなんだよ、お前!!」
「じゃ、フランクフルトも食べる」
「あー、もう、いってらっしゃい」
「いえーい」
「ほんと、ガキかよ」
なんであの頃の俺は、こんなやつのことが好きだったんだ。と、いうか――。
なんで今でも彼が隣にいるだけで、こんなにドキドキしているんだ、俺は――。
ぽんっと弾け飛ぶようにして、落ちた景品を店主から受け取ると、その変なぬいぐるみを抱きしめて、井宮は飛び跳ねた。
「お前は小学生かよ」
「いーじゃん、ザウルスくんぬいぐるみ!」
「そっちじゃなくて」
そのオーバーな喜びかたのほうを言ったのだが。
まあ、いいや。
「よかった、よかったな」
俺は、思わず、彼の頭に触れた。ぽんぽんとなでてしまっていた。
「あ……」
途中で自分のしている行動に気が付いて、俺は慌てて手を引っ込めた。
いくら井宮が幼く見えても、彼はれっきとした大人であって男であって――。
「ん? 何?」
本人は俺の動揺など、まったく知らずに、きょとんと俺を見上げてきている。こういう鈍感なところが、俺は嫌いだ。
「あ!」
彼が大声を出した。
「どした!?」
「しまったよ、たけ!」
「は?」
「お前のせいだぞ、見て見ろ!」
彼はかき氷を指さしていた。
「溶けてる!!」
ちなみに、それは、俺のせいではない。
*
ストロー型のスプーンは便利だ。こういうとき、溶け切った氷とシロップをそのまま、ずるずる飲めるからだ。
「なあ、たけ。それ、食わないの?」
彼が俺の手に持っていた綿あめをじっと見ている。
「食った」
「ん?」
「ひとくちだけな」
「えー、ひとくちだけ」
「甘過ぎて、むかむかするから」
「そうー?」
「食べる?」
「もらう!」
彼は、俺から綿あめを奪いとると、そのまま、ぱくんと口に入れた。
「甘っ!」
「いや、だから、甘いもんだから、それ」
「……なあ、たけ」
「ん?」
「これってさ、たけ、口にしたんだよな」
「ん、ああ。嫌だったら、食うなよ」
「嫌じゃないよ。でもさ、間接き――」
「言わせない!!」
俺は大声を出して、彼のことばを遮った。
「それは、言わせない!」
「あはは、必死になっちゃって、かーわいー! あ、ビール売ってる。買おう」
「飲みすぎ、食べすぎじゃないか」
「へーき、へーき」
「さっき、たこ焼きも食べてたよな」
「これから、フランクフルトも食べるつもり」
「はいはい……って、なんでまた俺のぶんまで買ってくるの?」
ふたつビールを買って来た彼に俺はつっこむ。
「いや、これ、俺の。両方とも」
「なんなんだよ、お前!!」
「じゃ、フランクフルトも食べる」
「あー、もう、いってらっしゃい」
「いえーい」
「ほんと、ガキかよ」
なんであの頃の俺は、こんなやつのことが好きだったんだ。と、いうか――。
なんで今でも彼が隣にいるだけで、こんなにドキドキしているんだ、俺は――。
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