999本のバラを君に

恋桜苺

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その14

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その14

 紫苑が帰ったあと母と2人で話し合うことにした。
「なんであんな事言ったんだよ。」
「だって本当の事でしょ。男同士で付き合うなんて、本人達が良くても世間はなんて言うか。」
 結局世間の目とかで丸め込めようとする。いつもそうだ。僕の事を心配していると言いながらも結局は自分の事。泣いていたら慰めるのもその場しのぎ。その後はいつも通りで本当は何も心配していない。
 いつもは説得を諦めて言う事を聞くけど今回は違う。僕が気持ち悪いと言われるのは別にいい。だけど紫苑も気持ち悪いと言われるのは我慢出来ない。こんな嘘だらけの僕を好きになってくれた紫苑だけは絶対に守る。
「同性愛の何がいけないの?」
「だから世間様は許さないの。」
「世間様が許さないからやったらいけないの?同じ愛情なのに?好きって言う気持ちは何1つ普通の人達と変わらないのに?」
 屁理屈だ。そんなのは分かってる。それでも言いたい。
「好きって気持ちは他の人の恋する気持ちと何も変わらないだろ。人を好きになって何が悪い。たまたま好きなったのが同性だったりしただけで本人に非はない。なんで好きってだけで、付き合っただけで気持ち悪いなんて言われないといけないんだよ。」
「あんた達は若いし世間に色々言われることは少ないかもしれないわ。でもね、そんな事私は許しません。同性ではなくちゃんと異性と付き合いなさい。」
「じゃあ母さんは僕が紫苑を好きっていう気持ちを否定するんだね。」
「ええ、もちろん否定するわ。」
「そっか、じゃあそれは僕の存在を否定していることと同じだね。」
「なんでそうなるのよ。」
「僕は紫苑が好きだよ。恋愛的な意味で。そして紫苑と出会ったことで僕は変われた。こうして反抗できていることも紫苑のおかげだ。でもその気持ちを否定するなら今の僕を否定している事と同じだよ。」
 紫苑が好きだという気持ちを失ったらきっと臆病な自分に戻ってしまう。僕は今の自分が紫苑のおかげで変われていることを知っている。どれだけ確かに世間は許さないかもしれない、それでも紫苑と一緒にいたい。ずっとずっと隣で歩いていたい。
「そう…。じゃあ勝手にしなさい。だけど私に迷惑はかけないで、もうこれ以上面倒事に巻き込まれたくないの。」
 ほらやっぱり全て自分のためだった。でもこれで付き合う事を許してくれた。
 でも、こんな自分が紫苑と一緒にいていいのだろうか。紫苑は本当の僕をまだ知らない。嘘つきで、わがままで、最悪な僕の事を知らない。知られたら幻滅されるかな。それでも一緒にいたいと思うのはそれだけ好きになってしまったんだろう。
 あぁ紫苑、いつか僕より良い人を見つけて僕を振ってくれないかな。そうしたら僕は君の隣をその人に譲るのに。
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