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王国危機一髪!!!!

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 王国の第二王子。
 兄や弟との王位継承の争奪戦を考え、利権やらなんやらを取るため、騎士団長などのいわゆる下の者にさえ平気で媚びを売っている者だ。


 そんなことは生来より上に立つことを宿命づけられた者が行うなんて許されるはずもない。
 しかし、現在の王はなにも言わず静かに物事を眺める人であり、王子を窘めるのは兄や母くらいのものだった。もちろん、第二王子が従うことなんて一度としてなかったが。


 そんな第二王子が、いわば敗走したともとれる騎士団の帰還を見て、さらに報告を聞くと目の色が変わる。
 深緑の森にいる魔女に対する価値観が一変したのだ。
 それは、聖女としての才華があるはずだった女性に対しても同じだった。


(魔女を利用すれば……!)


 ニヤリと笑う王子。
 聖女に媚びを売って、その聖女の地位を失墜させてしまう影響を持つ魔女は排そうとしていた。
 だが、ここに来て利用しようと考えたのだ。
 その姑息なまでの思考回路は、王族でなければ良き一角となっていただろうに。


 王子は誰よりもはやく書状を送った。
 森の奥深くに住む魔女へ。


 書状の内容は大体こんな感じだ。
『第二王子である俺の専属の治癒師として使ってやる』と。
 バカである。
 媚びを売る性格をしながら、上に立っている者という自覚が中途半端にあるせいだろう。


 書状を送る方法は、意思疎通が可能な魔物に頼むのだ。適当な対価を支払えば安易にOKを出す魔物に。


 それから数日後である。
 王子の送った書状が魔女の家に届いたのは。


 魔物は森に住まう化け物達に会いながらもなんとか送ることができた。
 けど受け取ったのは魔女ではなく、ドラゴンさんであった。
 ドラゴンさんはボロボロになった書状を読む。加藤種族の文字なれど博識なドラゴンさんは文字を読めた。
 ドラゴンさんはボロボロになった書状を読む。
 欠けている部分がある。


 大体内容はこんな風になっていた。


『第二王子――――俺の専属――――として使ってやる』


 ドラゴンさんは激怒した。
『あいつは俺のだ』
 そう口にしたドラゴンさんは翼を広げて王国に襲来する。部下ドラゴンを百匹ほど連れて。


 ふぎゃ
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