結婚させられたくないので魔導騎士団に入団しますっ!

モー子

文字の大きさ
15 / 95
序章

5-4

しおりを挟む
 娘が瑠璃色の目をそこで小競り合う2人の周辺の悲惨な様子に向ける。その視線を追う様に険悪な様子であった2人は揃って視線を巡らせた。

「でぇ? まだ? 」
『『もう、やりません…』』

 しょんぼりと肩を落とす輝く焔を纏った金髪の男と、薄い蒼の長い髪の水瓶を盛った男、2人の周りを妖精姿のスピカが楽しそうに飛んでまわる。

『プフフフッ 怒られちゃったわねぇ アハハハハハッ』
『くっ』
『う…』

 恨めしそうにスピカを見上げている二人の足元に、星屑の鞭がバチンと音を鳴らした。再び肩を揺らす二人。

しましょうね? 」
『『……はい』』

 本来のこの辺りの様子を、近くに漂っていた妖精に聞いたくれたスピカが、指示を出しその一帯を元々あったように修復していく。

 ――まったくもう……本来の目的忘れて、どうしてケンカするかなぁ

 普段は王都にいる娘の兄の元にいる獅子宮のレオと、スペンサー領を中心に風に流れて漂っている宝瓶宮のエアリスは、寄ると触ると意見をたがえ張り合うのだ。星獣達は他の地に住みながらも、星獣の姫からの祈りで星獣の森に現れる事が出来き、昨日王都から来たレオはそのまま娘の旅の道中を見守ることにしていたのだ。
 因みに魔力の多い星獣は地上に顕現していなければ、何処で呼んでもその場に顕現する事が可能だ。つまり星獣たちが元々存在する亜空間にいる星獣とはいつでも連絡が取れるが、地上に顕現している星獣とは物や人、魔術を介さなければ連絡が取れないのだ。

 ――どっちがよりあたしの役に立っているか? だっけ?
 ――ダントツの1位は紛れもなくスピカよね

 片付けにいそしむ2人を脇目で見ながら、娘は飛んできたスピカを肩に乗せた。

『姫、そろそろこっちの道に来れない人が、怪しんできたわ』
「っ!? 不味いわね…」

 まだ文句を言い合いながら片付けているレオとエリアスに、ため息を一つ送ると娘はポケットにしまっていた銀時計を取り出した。

『おねがいロロ、壊れたモノの時間を戻してくれる? 』

 両の掌で包み込んだ銀の懐中時計に話しかけながら、魔力を送る娘。銀時計が光り出し、レオとエリアスによって壊された小屋や、バケツ、めくれ上がって所々にあいてしまった地面の窪みを元の様子に戻してくれた。

『マスター、完了ですロロ』
「ありがとうロロ スピカもピスケスもシリウスもありがとねっ」

 辺りを確認してカバンを回収してからスピカに頼んで、見えない・認識できない・聞こえないの結界を解けば、すぐに人の声が近づいてきた。見知った道を間違えて、迷子になるなんて調子が悪いのかもなどという会話も聞こえてくる。

「もーっ! 早くここを離れなきゃっ」

『……姫、元気ダシテッ』

 フワフワと宙に浮く、羽の付いた手のひらサイズの小さな乙女。そのまるで妖精のような姿は透けていて、彼女が許可を与えればその姿を人に見せることもできる。スピカ同様に12宮の星獣や、輝きが強く魔力の多い星獣は同じ事が出来る。姿を見せる許可は、それぞれの星獣本人に任せられている。

『マスター、時間ロロ!! 時間ロロ!!』
「えっ!!」

 スピカとの会話にポケットの懐中時計から声がかかった。セリーナはハッとして、その懐中時計に話しかけた。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シリウス→おおいぬ座・風属性

ピスケス→魚座 2匹の魚の姿で泳ぎ、人魚にも人の姿にもなれる。長く蒼い髪。金色の鱗・金色の目 エロスの美の女神様 無口 水属性

銀の懐中時計(ロロ)→時計座のホロロギウム・・時間の一部を少し戻したり進めたり、管理したりできる。『~~~ロロ』と言葉の最後にロロが付く 火属性

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ダーッと進めてきましたが、序章を1日2回のペースで更新していきたいと思います。その後は下書き期間を経てまた更新していければと思います。まだまだ序章です……<(_ _)>
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

助けた騎士団になつかれました。

藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。 しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。 一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。 ☆本編完結しました。ありがとうございました!☆ 番外編①~2020.03.11 終了

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のない、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

処理中です...