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本章 ――魔導騎士団の見習い団員――
15、甘酸っぱい
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魔導騎士団の入団を許された日の翌日、朝の訓練からセレナも参加することになった。
「主―! 坊-! 朝ですよー!!」
「主―!! 坊ー!!」
よく似た高い声と、低い声が頭の中に響いてくる。ついでに身体も揺さぶられているのかもしれない。フワフワのベッドが揺らされ、身体が転げてしまう。
「んん~」
傍らにある温もりが、もぞもぞと動きはじめると、ガバリと起き上がった。
「坊ってやめろ………あー……リー、レナっ! 起きろっ!!」
離れていく温もりを追いかけて、ギュっとしがみ付いたらそのままふわりと体が浮遊感に襲われた。
「ふぁ……わぁあ!? じっ地震!? 何事!?」
体を起こされ肩をガタガタと揺らされ、瑠璃色の目が飛び出してきそうな勢いで瞼が開いた。寝起きで状況が整理できないのか軽くパニックになっているセレナの肩から手を放したルイスが身を屈めた。瑠璃色の目を覗き込んだ真朱色のつり目がニヤリと笑ったかと思うと、セレナはおでこに衝撃を受けた。
「リーナ…いやっレナは、まず落ち着けっ シリウスか? パルムか? 起こしてくれてありがとなっ ついでにスピカ起こして、レナの顔洗って身支度させとけっ!! オレも着替えてくるっ」
「痛いよ…」
セレナは痛みを覚えたおでこを片手で押さえている。そこにトンと一瞬手を置いてルイスは早々に部屋を出て行った。
セレナのおでこにぶつかってコロッとその胸に落ちてきたスピカが目をこすって、小さなあくびをしている。主であるセレナも、星獣であるスピカも少々朝が弱いのだ。眠そうに目を擦っていた羽を生やした小さな乙女は、ハッと気がついて口を動かした。
「朝……っ! …朝だよっ!! 姫、訓練は? 着替えなくていいの?」
「はっ!! えっと……えとえとっ…、顔洗……ふぐっ!?」
有無を言わさず、宙に浮かんだ水の球がパチャンとセレナの顔を包み、濡れた顔をふわりと風が乾かす。
「あひあとっ」
さっさとスピカが用意してくれた服に着替えて振返ると、もうそこにルイスが戻ってきていた。騎士服を身に着け、手に持っていた太いベルト2本と剣、白いマントをソファに投げると、ドカリと座った。顔は洗ったようだが髪は梳かしてないだろうし、まだブーツもしっかりと履けていない様だ。
――ってか、いつからいたの!?
「起きたなっ……んっ」
ルイスが投げて寄越したのは、瓶に入った飲み物だ。
「なになに?」
「飲んだら、出るぞっ」
セレナに投げて寄越したモノと同じ瓶の蓋を開け、ソファに座ったままルイスはそれを一気に飲み干した。それに倣うようにセレナも瓶の中身を口に含んだ。大好きな味が口の中に広がる。
「甘酸っぱいっ! あのリンゴだっ どうしたのこれ? 北の方に行かないと…」
「この間なっ」
行ってきたという事だろう。幼い頃ルイスは父であるリーベルタスと国外や国内の辺境をまわっては、男爵家を訪れ土産を持ってきてくれていた。その中で特別セレナが気に入ったのが王国内の北の地でしか栽培できないリンゴという果実の1つだった。
リンゴというのは大きさは様々で種類も豊富だが、王国内で人気の高いものは甘味の強い品種だ。だが、セレナの好みは甘酸っぱい小さな実のリンゴだった。生産量が少なく、その為辺境の男爵家までは流通していないのだ。
「懐かしいっ ありがとうルーっ」
「おう」
ルイスの背中に抱きつくと、振り返った真朱色のつり目に満面の笑みが写る。吊られて真朱色のつり目も弧を描いた。視界にスピカのニヤリとした顔が入り込み、ハッとした様に真朱色のつり目は見開き慌てて目線を反らした。
処女宮おとめ座の星獣であるスピカだが、乙女座はふたつの姿を持っている。 妖精のような見目のスピカと、黒い髪に金色の目を持つ 予言の女神ポリマ。だが、ポリマはあまり前に出てこない。
以前大好きだった星獣の姫が悪い予言に振り回され、苦しんだ為だ。その為セレナには予言に振り回されず、自分で考え決断することを第一と考えている。セレナ自身が迷っている時は、どちらがセレナにとって良いかを見極めて助言する程度だ。
そしてスピカは星獣の姫の子であるリーベルタスと、その子であるルイスをかわいがっており、かわいさあまってよくからかったりしてくるのだ。
「飲んだら行くぞっ」
「んーもうちょっとまって…って、ルー後ろ跳ねてるよっ」
ブーツを履きソファから立ち上がり骨張っている平らな腰にベルトを回すルイスの後ろから、セレナがパチャリと水をかけて朱色の髪についている寝癖を手櫛で治し、そのセレナの金色の髪をスピカが結い上げていく。
「…オレの髪なんかどうでもいい…」
「えぇっダメダメっ ルーってばせっかく可愛い顔してるんだから、ちゃんとしないとっ」
「……可愛くなくていい」
ルイスが小さく呟くが、それは他の会話にかき消されてしまうようだ。スピカの鼻歌が大きくなった気がする。
いそいそとルイスの身だしなみを整えるセレナ。そのセレナの身支度はスピカがそつなく手伝う。金色の髪に、瑠璃色のリボンが揺れている。
「まぁ…レナの好きにすれば、いんだけどな……うしっ行くぞっ」
「うんっ」
まだ窓の外が薄暗い中、ふたりは揃って訓練所へ向かった。昨日数年ぶりの再会を果たしたばかりだというのに、もうそれがごく当たり前のように、隣に互いがいるのだ。
――どんなに会ってなくても、
――当たり前に、ここにいてくれるんだよね
――やっぱり優しいなっ
――同じ口数少ないでも、お父様とはこうはいかないわねっ
今日はスピカや他の星獣達も好きに出入りできるように窓を開けていく。窓は開けていくがそこから飛びだすのはやめて、そろって階段を足早に下った。魔導騎士団の扉を開いて、訓練所に向かう。
「ねぇ、訓練ってどんな事するの? 」
「あぁ……」
騎士服を身に纏った魔導騎士団のメンツが訓練所に集まっている。全員が魔導騎士団かはわからないが、その数およそ20名程。
そこへ「おはようございます」とリンと響くセレナの声。
今日からこれが、セレナの日常になっていくのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――
ポリマ → 前に一瞬声だけ出てたかな? 黒い髪に金色の目を持つ おとめ座もう一つの姿の予言の女神ポリマ
星を詠み、人の心も聞こえてしまう。リーベルタスの母である現ガーランド侯爵の妹で先代の星獣の姫であるカーラに付き従ってたけど、良くない未来を知っても運命を変えずに苦痛に身を投じる主の苦悩を見ていたので、今の主が未来に翻弄されない様になるべく距離をとっている。
――――――――――――――――――――――――――――――
今後も、よろしくですっ!!
「主―! 坊-! 朝ですよー!!」
「主―!! 坊ー!!」
よく似た高い声と、低い声が頭の中に響いてくる。ついでに身体も揺さぶられているのかもしれない。フワフワのベッドが揺らされ、身体が転げてしまう。
「んん~」
傍らにある温もりが、もぞもぞと動きはじめると、ガバリと起き上がった。
「坊ってやめろ………あー……リー、レナっ! 起きろっ!!」
離れていく温もりを追いかけて、ギュっとしがみ付いたらそのままふわりと体が浮遊感に襲われた。
「ふぁ……わぁあ!? じっ地震!? 何事!?」
体を起こされ肩をガタガタと揺らされ、瑠璃色の目が飛び出してきそうな勢いで瞼が開いた。寝起きで状況が整理できないのか軽くパニックになっているセレナの肩から手を放したルイスが身を屈めた。瑠璃色の目を覗き込んだ真朱色のつり目がニヤリと笑ったかと思うと、セレナはおでこに衝撃を受けた。
「リーナ…いやっレナは、まず落ち着けっ シリウスか? パルムか? 起こしてくれてありがとなっ ついでにスピカ起こして、レナの顔洗って身支度させとけっ!! オレも着替えてくるっ」
「痛いよ…」
セレナは痛みを覚えたおでこを片手で押さえている。そこにトンと一瞬手を置いてルイスは早々に部屋を出て行った。
セレナのおでこにぶつかってコロッとその胸に落ちてきたスピカが目をこすって、小さなあくびをしている。主であるセレナも、星獣であるスピカも少々朝が弱いのだ。眠そうに目を擦っていた羽を生やした小さな乙女は、ハッと気がついて口を動かした。
「朝……っ! …朝だよっ!! 姫、訓練は? 着替えなくていいの?」
「はっ!! えっと……えとえとっ…、顔洗……ふぐっ!?」
有無を言わさず、宙に浮かんだ水の球がパチャンとセレナの顔を包み、濡れた顔をふわりと風が乾かす。
「あひあとっ」
さっさとスピカが用意してくれた服に着替えて振返ると、もうそこにルイスが戻ってきていた。騎士服を身に着け、手に持っていた太いベルト2本と剣、白いマントをソファに投げると、ドカリと座った。顔は洗ったようだが髪は梳かしてないだろうし、まだブーツもしっかりと履けていない様だ。
――ってか、いつからいたの!?
「起きたなっ……んっ」
ルイスが投げて寄越したのは、瓶に入った飲み物だ。
「なになに?」
「飲んだら、出るぞっ」
セレナに投げて寄越したモノと同じ瓶の蓋を開け、ソファに座ったままルイスはそれを一気に飲み干した。それに倣うようにセレナも瓶の中身を口に含んだ。大好きな味が口の中に広がる。
「甘酸っぱいっ! あのリンゴだっ どうしたのこれ? 北の方に行かないと…」
「この間なっ」
行ってきたという事だろう。幼い頃ルイスは父であるリーベルタスと国外や国内の辺境をまわっては、男爵家を訪れ土産を持ってきてくれていた。その中で特別セレナが気に入ったのが王国内の北の地でしか栽培できないリンゴという果実の1つだった。
リンゴというのは大きさは様々で種類も豊富だが、王国内で人気の高いものは甘味の強い品種だ。だが、セレナの好みは甘酸っぱい小さな実のリンゴだった。生産量が少なく、その為辺境の男爵家までは流通していないのだ。
「懐かしいっ ありがとうルーっ」
「おう」
ルイスの背中に抱きつくと、振り返った真朱色のつり目に満面の笑みが写る。吊られて真朱色のつり目も弧を描いた。視界にスピカのニヤリとした顔が入り込み、ハッとした様に真朱色のつり目は見開き慌てて目線を反らした。
処女宮おとめ座の星獣であるスピカだが、乙女座はふたつの姿を持っている。 妖精のような見目のスピカと、黒い髪に金色の目を持つ 予言の女神ポリマ。だが、ポリマはあまり前に出てこない。
以前大好きだった星獣の姫が悪い予言に振り回され、苦しんだ為だ。その為セレナには予言に振り回されず、自分で考え決断することを第一と考えている。セレナ自身が迷っている時は、どちらがセレナにとって良いかを見極めて助言する程度だ。
そしてスピカは星獣の姫の子であるリーベルタスと、その子であるルイスをかわいがっており、かわいさあまってよくからかったりしてくるのだ。
「飲んだら行くぞっ」
「んーもうちょっとまって…って、ルー後ろ跳ねてるよっ」
ブーツを履きソファから立ち上がり骨張っている平らな腰にベルトを回すルイスの後ろから、セレナがパチャリと水をかけて朱色の髪についている寝癖を手櫛で治し、そのセレナの金色の髪をスピカが結い上げていく。
「…オレの髪なんかどうでもいい…」
「えぇっダメダメっ ルーってばせっかく可愛い顔してるんだから、ちゃんとしないとっ」
「……可愛くなくていい」
ルイスが小さく呟くが、それは他の会話にかき消されてしまうようだ。スピカの鼻歌が大きくなった気がする。
いそいそとルイスの身だしなみを整えるセレナ。そのセレナの身支度はスピカがそつなく手伝う。金色の髪に、瑠璃色のリボンが揺れている。
「まぁ…レナの好きにすれば、いんだけどな……うしっ行くぞっ」
「うんっ」
まだ窓の外が薄暗い中、ふたりは揃って訓練所へ向かった。昨日数年ぶりの再会を果たしたばかりだというのに、もうそれがごく当たり前のように、隣に互いがいるのだ。
――どんなに会ってなくても、
――当たり前に、ここにいてくれるんだよね
――やっぱり優しいなっ
――同じ口数少ないでも、お父様とはこうはいかないわねっ
今日はスピカや他の星獣達も好きに出入りできるように窓を開けていく。窓は開けていくがそこから飛びだすのはやめて、そろって階段を足早に下った。魔導騎士団の扉を開いて、訓練所に向かう。
「ねぇ、訓練ってどんな事するの? 」
「あぁ……」
騎士服を身に纏った魔導騎士団のメンツが訓練所に集まっている。全員が魔導騎士団かはわからないが、その数およそ20名程。
そこへ「おはようございます」とリンと響くセレナの声。
今日からこれが、セレナの日常になっていくのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――
ポリマ → 前に一瞬声だけ出てたかな? 黒い髪に金色の目を持つ おとめ座もう一つの姿の予言の女神ポリマ
星を詠み、人の心も聞こえてしまう。リーベルタスの母である現ガーランド侯爵の妹で先代の星獣の姫であるカーラに付き従ってたけど、良くない未来を知っても運命を変えずに苦痛に身を投じる主の苦悩を見ていたので、今の主が未来に翻弄されない様になるべく距離をとっている。
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