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39話 婚活パーティー2

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「突然のお声掛け申し訳ありません。私は伊集院 恵理子いじゅういん えりこと申します。緊張されているようでしたので、あえてお声させていただきました。」

「まぁ、ワシが大した所じゃないと言って連れてきた小童だからのぉ。」

「・・・ハハ、酷いなぁ俺、100歳だよ?」

・・・2人とも落ち着き過ぎじゃない?
女性側はともかくゲンさんは女相手にも普通に喋れるんだ?俺の方が交友ランク高いはずなのに勝てる気がしない。

ヒーラーの時は仕事スイッチ入って最低限喋れるんだけど、前世も独身だったし婚活パーティーも参加したことが無かったから何を喋ればいいのかも分からない。

施設長の寺田さんは俺が最近活動的すぎて燃え尽きないか心配していたが、予想通りに自信なくして帰ることになるかもしれない。

しかし、話しかけられたことは幸いかもしれない。男に1番に話しかけても角が立たない人物の可能性が高いからだ。
俺が適当に話しかけた女性がもしもヒエラルキーの低い人だったら、俺のせいで周りから反感を持たれるかもしれない。

伊集院さんだったか、見たところ30代で男性相手に落ち着いてるどころか余裕があるようにすら感じる。1人ではなく後ろにお友達?を連れている。

「住んでる施設が同じなんです。俺はこう言ったパーティーは初めてで勝手が分からないのはありますね。」

いつも通りの喋り方か敬語か迷って敬語にした。もしも高貴な血統な人だったり、知らない方が失礼レベルな人の可能性もあるから一々人を見て喋り方を変えるよりも最初から敬語を使った方が間違いがないだろう。

後、婚活パーティーの場合だと男は名乗るのは相手に気があるというサインになるらしいので簡単に自己紹介しないように気を付けなければならない。

「男も予想より少ないですし・・時間余りますよね?伊集院さん達はどんなことを話しながら時間を潰してるんで「だから、俺にいくら出せんだよ!!」

何を話したらいいか分からないし、女性側に質問して何か話をして貰おうとしたら不機嫌な大きな声に遮られた。おそらく男の声で遠くじゃないと思うんだが女性達が多くて姿が見えない。

「話がなげぇんだよ。だりぃな・・・はぁ!?そんなはした金で俺様の時間を潰すなよ!!」

マナーのなって無い声の持ち主はやはり男で割と近くにいたようでブチ切れながら俺達とは反対の側にズンズン歩いて離れて行くのが見えた。

「・・・ねぇ、ゲンさん。あれは流石に珍しい事なんだよね?」

「普通ではないが、無くはないじゃろうな。」

「えぇ・・・(ドン引き)」

前世の記憶あるとか関係なく驚きだよ?
ケガで痛くてイライラして周りに当たり散らす男とかは見たことあるけど状況が違うしな。

「資質と環境によってああなる。気づいとらんかもしれんがクロノスの男はレベルが高いく環境は特に良いんじゃぞ?あれじゃ、もし、男の子が癇癪起こしたら男が率先してなだめるじゃろ?叱る事もあるが、怒りはしない。」

「それは男同士の同族意識が強いだけで女性とは関係なくない?」

「新入りが施設員に強く当たったら注意するか落ち着かせるじゃろ?」

「ああ、そっか、ようやく分かったよ。」

注意を受けた新人が拗ねたらゲンさんが優しく相談に乗ったり、ルールを教えたりする。
環境としては良いよな。注意する男、落ち着かせる男や励ます男もいる。いい見本があれば考えや価値観を見つめなおす機会はある。

この世界だと自分以外の男が周りにいない環境と言うのが普通だから男の見本が身近に無いんだよな。
前世を思い出してからは男性保護施設は居心地は良いけど男の狭い世界だと思っていたが、女性に対して良い事もあるとは思ってなかった。

「怒鳴られた女性がどの子か分かったら”気にせず元気を出して”と伝えてあげて」

「名前をお伝えしますか?」

「ああ別に気があるわけじゃないよ。女性の顔も見えてないしね。俺の名前出さずに男性が言っていただけなら勘違いされないかな?そうならそうして」

「かしこまりました。」

後ろに控える施設員たちは目合わせをして1人が離れて行ってくれた。
世知辛い世の中で男のイメージを悪くして良いことはないからフォローを入れれるなら入れた方が良いだろう。

「えっと、すみませんね。ああいう男ばかりではないので安心してください。」

「ええ、素晴らしいお心遣いですわ。怒鳴られた子も喜ぶはずです。」

「だと良いんですけどね。・・・」

どうしようかな。聞きそびれた質問をまたするかな・・・

「もしよろしければ私のお友達を紹介させて頂けませんか?」

「はい。ゲンさんもいいよね?」

「ああ・・(どちらでも)いいぞ」

ゲンさんなんか()が聞こえたような気がしたよ?俺の付き添いとは言え興味持たない?

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