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第一章 辺境の町
第62話 ポイズンラットだらけ
しおりを挟むそうこう考えているうちに今日の目的地へ着く。
昨日行った巨木群の場所より少し手前になるけど、今回はここから森の中に入っていく事にする。
森の奥へは入らずに外周付近を通ってマッピングしながら、最終的に虹色の樹まで行くんだ。
『マップ作成』があるので迷わないし、そこまでの道をパーソナルレベルを上げるの為、魔物を討伐しながら進もうと思ってる。
ここら辺はギルドで聞いていた通り、冒険者があまり来ない事もあって、見るからに荒れ放題というか……。
倒木が道を塞いでいたり、草が生え放題になって藪も多いし見通しも、足場も悪い。
『索敵』スキルがなければ何か潜んでるんじゃないかと気になって、怖くて真っ直ぐ進めなかったかもしれない。
昨日、東の草原で確認したところ、何もないところでの『索敵』の捜索範囲は少し広がっていた気がしたんだけどなぁ。あれは遮断物が無かった場所だったからなのか……。
森の中だと100m以内が限界みたいだから、慎重に進まないと。
しかしこうやって改めて魔物を討伐しようと探していると、面白いようにすぐ『索敵』に引っかかるな。
何回も遭遇した魔物は目視しなくてもスキルからの気配だけで特定できるようになるから、これは……。
――ポイズンラットだ。
弱いけどすぐ増えるから即殲滅しなきゃいけない魔物の内の一つで、森の浅い部分に多く生息している弱い毒を持つ小型魔物。
お手頃な獲物だし、まず手始めにこの群れから討伐して行きますか!
周りは燃えやすいものでいっぱいなので、火魔法は使えない。
でも私には、聖魔法と水魔法のコンボがある……これで倒していこう!
まずは目潰し!
『聖火』!!
パアァァッと、まばゆい光が頭上で弾けた瞬間。
直接浴びる格好になったポイズンラットがふらついて、突進が止まるっ。
やはり魔物には聖魔法の『聖火』がよく効く。
よしっ、今のうちに続けて……。
『水矢』!!
何度も放ち、群れを殲滅する。
『聖火』の光で足止めして、怯んだ隙に『水弾』で止めを刺すこの方法は、ホーンラビットの毛皮を傷つけず倒すために使っていたんだけど。
思ったより『聖火』の効果が高くて、六体の群れ程度なら余裕で倒せる時間を稼げた。
割と広範囲を覆う光だし、単体のホーンラビットより、群れを成す魔物により有効なのかもね。
サクサクと手際良く順調に仕留められて良かった。色んな種類の魔法が使えて、経験値的にもおいしかったし。
じゃあ次もドンドンと行ってみよう!
また同じ反応のが近くに来てるからね、ポイズンラットの群れだねっ。
どんだけいるのポイズンラット!?
ほんと一匹見つけたら三十匹はいるってやつだよっ。地球にいるみんなの嫌われ者、例の黒光りするやつと同じだ、これっ。経験値稼ぎになるから頑張るけれども!
それから虹色の樹へ辿り着くまでに四度ほど戦闘したが、魔力不足に陥ることもなく、何も問題なく倒せた。
――全部ポイズンラットの群れだったけどね!
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