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第44話 魔術学院入学式
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陛下たちは樹のやったことに唖然としていた。
「こ、これは……」
「僕、何かマズいことしちゃいました?」
「この付与魔法は国宝級だぞ……」
「私も断絶結界を利用した防御障壁など聞いたことありません」
アリアまでもが驚いた表情をしていた。
「いや、思い付いたとしても出来る者など居ないだろうに、こうもあっさりとやってくれるとはな」
陛下も公爵様も驚くことに疲れたという様子だった。
「こんな国宝級の物を生徒に着せる訳にはいかんよ。何事かと思われるわい」
「そうですか。それは残念ですが、仕方ありません」
「とにかく、制服の方は少し見直すとしよう」
「はい、そうした方がいいかと。入学者の方は決まっているのですか?」
樹は陛下に尋ねた。
「ああ、もう既に試験を実施し、合格者は決定しておる。再来週には入学式だ」
「随分、急に僕たちに話が来たんですね」
「すまんな。樹とアリアを学長、副学長にするにあたっての審議に手間取ってな。文句を言ってくる有力貴族も居たが、黙らせといたわい」
そう言って陛下は豪快に笑った。
本当に大丈夫なのかよ。
一抹の不安も残る中、二週間が経過した。
「いよいよ今日が入学式かぁ。なんか緊張するな」
「そうですね」
樹はタキシード姿、アリアは着物姿だった。
「その着物、凄く似合っているな。かわいいぞ」
「そんな、ありがとうございます。樹さまもよくお似合いですよ」
「そうか? こういう堅苦しい服装は苦手なんだけどな」
そんな会話をしながら、セザールとシャルに見送られ、屋敷を出た。
屋敷から数十分歩いた所に建てられた魔術学院へと向かった。
「学長、副学長、お待ちしておりました。私、事務長を務めます、エドモンと申します」
「おう、よろしく頼む」
「よろしくお願いします」
「では、控室の方に参りましょう」
エドモンにより、樹とアリアは控室に案内された。
樹たちは今日の入学式で学長挨拶と副学長挨拶を話すことになっている。
会場には既に生徒の大半が入っていた。
「ここの学長、あの綾瀬樹さんらしいぜ」
「ああ、副学長はアリアさん出そうじゃないか」
「二人ともこの国ではトップクラスの冒険者だもんな。そんな所に入学できるなんて夢みたいだぜ」
「樹さんたちも授業してくれるのかな?」
入学式のために集まった生徒さんたちからそんな話し声が聞こえてきた。
樹とアリアがここの学長、副学長だということは既に噂が広がっていたのだ。
入学式も順調に進んでいき、ついに、樹の挨拶の時間となった。
「えー、まずは皆さん、入学おめでとう。知っている者も多いと思うが、今回こちらの学院で学長を務めさせていただく、綾瀬樹だ。皆さんの授業を担当することは少ないと思うが、出来る限り生徒の皆さんと交流出来たらと思っております」
挨拶が終わると拍手が返って来た。
樹が授業をしないと聞いて少し残念がる生徒も何人かいたようだが。
続いて、アリアの挨拶が始まった。
アリアも挨拶が終わると拍手が鳴り響いた。
こうして、魔術学院の入学式は幕を閉じるのであった。
「こ、これは……」
「僕、何かマズいことしちゃいました?」
「この付与魔法は国宝級だぞ……」
「私も断絶結界を利用した防御障壁など聞いたことありません」
アリアまでもが驚いた表情をしていた。
「いや、思い付いたとしても出来る者など居ないだろうに、こうもあっさりとやってくれるとはな」
陛下も公爵様も驚くことに疲れたという様子だった。
「こんな国宝級の物を生徒に着せる訳にはいかんよ。何事かと思われるわい」
「そうですか。それは残念ですが、仕方ありません」
「とにかく、制服の方は少し見直すとしよう」
「はい、そうした方がいいかと。入学者の方は決まっているのですか?」
樹は陛下に尋ねた。
「ああ、もう既に試験を実施し、合格者は決定しておる。再来週には入学式だ」
「随分、急に僕たちに話が来たんですね」
「すまんな。樹とアリアを学長、副学長にするにあたっての審議に手間取ってな。文句を言ってくる有力貴族も居たが、黙らせといたわい」
そう言って陛下は豪快に笑った。
本当に大丈夫なのかよ。
一抹の不安も残る中、二週間が経過した。
「いよいよ今日が入学式かぁ。なんか緊張するな」
「そうですね」
樹はタキシード姿、アリアは着物姿だった。
「その着物、凄く似合っているな。かわいいぞ」
「そんな、ありがとうございます。樹さまもよくお似合いですよ」
「そうか? こういう堅苦しい服装は苦手なんだけどな」
そんな会話をしながら、セザールとシャルに見送られ、屋敷を出た。
屋敷から数十分歩いた所に建てられた魔術学院へと向かった。
「学長、副学長、お待ちしておりました。私、事務長を務めます、エドモンと申します」
「おう、よろしく頼む」
「よろしくお願いします」
「では、控室の方に参りましょう」
エドモンにより、樹とアリアは控室に案内された。
樹たちは今日の入学式で学長挨拶と副学長挨拶を話すことになっている。
会場には既に生徒の大半が入っていた。
「ここの学長、あの綾瀬樹さんらしいぜ」
「ああ、副学長はアリアさん出そうじゃないか」
「二人ともこの国ではトップクラスの冒険者だもんな。そんな所に入学できるなんて夢みたいだぜ」
「樹さんたちも授業してくれるのかな?」
入学式のために集まった生徒さんたちからそんな話し声が聞こえてきた。
樹とアリアがここの学長、副学長だということは既に噂が広がっていたのだ。
入学式も順調に進んでいき、ついに、樹の挨拶の時間となった。
「えー、まずは皆さん、入学おめでとう。知っている者も多いと思うが、今回こちらの学院で学長を務めさせていただく、綾瀬樹だ。皆さんの授業を担当することは少ないと思うが、出来る限り生徒の皆さんと交流出来たらと思っております」
挨拶が終わると拍手が返って来た。
樹が授業をしないと聞いて少し残念がる生徒も何人かいたようだが。
続いて、アリアの挨拶が始まった。
アリアも挨拶が終わると拍手が鳴り響いた。
こうして、魔術学院の入学式は幕を閉じるのであった。
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