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32話
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『ねぇ坊や、起きて』
『わたしの坊や、可愛い坊や』
なんだ?
妙な声を聞いたな。
俺は3度目の神からのリクエストを完了した。
またどこかに強制移転させられるか?
と思いきや今度はそのままだ。
今は久しぶりの外で安堵し、野宿中だ。
そんで無防備に寝ているとあの声だ。
周りを見てもエラ、ミレーヌと俺で肩を寄せあって寝ていた。
目が覚めたのは俺だけ。
一般の奴等もその辺で寝ている。
気が付いたら胸元が暖かい。
覗き込むと、あの妖精かもしれない何かが俺を見上げた。
するとまたあの声だ。
『坊やが助けてくれたのね。力も分けてくれて感謝しているわ』
口が動いてないのに脳裏に響く。
これは念話か?
『これで聞こえるのか?』
心の中で声をだすようにして試す。
『あら? あたしたち波長が合うのね。訓練なしに出来るなんて』
『勝手に助けた。それだけだ。身体が大丈夫ならもう帰るといいさ』
『身体は大丈夫よ。あなたの所が何故か落ち着くの』
『ってことは、このままか?』
『嫌なら追い出してもいいわ』
『そんな目をすんなよ。まぁいいさ、好きにしな』
『そう、それなら好きにさせてもらうわ。
わたしはアイラ。あなたはクロ―ね?』
……まぁいい。
俺の居場所は、せめてミレーヌとエラの二人の隣だけでいい。
ささやかだけど、飯と寝床だけは、奪わせない。
『よくわかったな』
『坊やの声が、聞こえるの』
『坊やって、俺まだ20だぜ?』
『ええ、私からしたら坊やよ?』
『そっか、わかったよ』
『ちなみに私、結構役立つわ。これから楽しみにしてて』
『そうか。期待している』
翌朝。
俺たちは疲れを癒した後、近くの町まで向かう。
ちょうど夕方にさしかかる頃についた。
門番からは大いに感謝される。
まあ、盗賊の倉庫からは、
めぼしい物は根こそぎ頂いたけどな。
必要以上にそのことには、触れなくていいだろう。
町では、感謝してくれる人たちが多い。
俺は嬉しくともなんともない。
もちろん面倒くさい。
だが助けたのは事実だから、否定もしない。
ログが割り込んできた。
【リクエスト開示:04】
【内容:反抗勢力の沈静化】
【条件:被害最小】
『あら? クロ―面白い物を利用しているのね』
『これ、何か気になるか?』
『今は大丈夫かしら、気になったら伝えるわ』
『そっか』
今回は、判断がいるな。
犯罪者とは、書かれていない。
ミレーヌが心配そうに言った。
「ねぇクロ―」
「今回は……悪って書いてない」
「誰がってのが厄介だな」
「そうね。あくまでも“反抗勢力”だものね」
エラはあっけらかんとしている。
「でも危ないんでしょ?」
「命の取り合いになるだろうな」
相手は人間。
理由がある。
だが武装している。
今回時間制限は、ないようだ。
迷いようがないし、迷う時間が命取りだ。
ここはやはり、精神追放を使う。
あとは反抗勢力とやらだが……。
「ミレーヌ、反抗勢力の情報はどう調べる?」
「そうね、内容が微妙なので聞き出しづらいわね」
『クロ―、情報が集まる所なら、聞き出せるわ』
『本当か? それは助かる』
「ミレーヌ、ここで情報が集まるギルドがあるとしたらどこになる?」
「ここなら探索者ギルド一択だわ」
「聞き出すのね?」
「ああ、こいつがな?」
俺の首から吊らす袋から顔半分ほど出して、ミレーヌを見た。
「え? クロ―。その子、どうしたの?」
「盗賊のアジトで助けたら、ついてきた」
「そうすると……あなた、エレメンタラーになるわね」
「まあ、呼称はなんでもいい。今は彼女のやり方を待つ」
「そうね。エレメンタルなら問題ないでしょうね」
俺たちはそのまま探索者ギルドに向かう。
誰でも自由に行き来できる開放的なギルドだ。
中に入ってもアイラは袋から出てこない。
だが――
何かしているのは、なんとなくわかる。
『クロ―わかったわ。彼ら、さまざまな場所で根を下ろしているみたい』
『つまり一か所で固まってないということか?』
『集まっても月1回。つまりタイミングよく今日ね』
『場所と時間は?』
『商会連合の倉庫よ。今夜子の正刻に会合が行われるわ。運がいいわね』
『助かった』
『どういたしまして』
「調べおわったぞ。商会連合の倉庫。今夜子の正刻に会合が行われる」
エラは楽しそうだ。
「ねぇそれって警備手薄じゃない?」
「なんでそういえる?」
エラはニヤリとする。
黒い笑みが本当に似合う奴だ。
「あえてよ。そうすることで大したことない会合に見える」
「それにバレテもそれぞれの立場の者なら如何様にもなるからね」
「なるほどな。願ったり叶ったりだな」
「クロ―今夜決行?」
「ああ、もちろんそうだ」
俺たちは、手近な宿をとり、三人でごろ寝をして夜まで待った。
……。
夜になり、俺たちは移動をした。
建物の隙間から、倉庫を見る。
「なあ、あれか?」
「そうね」
「わぁ次々入っていくね」
「精神追放なら大騒ぎにはならないが、
もし万が一の時に備えて援護を頼む」
「わかったわ」
「クロ―、正面からいくの?」
「俺とミレーヌでいく。十分後にエラもきてくれ」
「わかったわ」
「うん、わかった」
「ミレーヌいくぞ!」
「ええ」
俺は正面から突入を開始した。
まずは扉前にいる二人だ。
「やる気、追放!」
「追放!」
なんだ?
今違和感が。
こめかみが痛む。
「クッ」
「クロ―? 大丈夫」
「ああ、問題ない」
「中に入ってヤバイ時は援護頼む」
「もちろんよ、任せて」
「行くぞ」
俺たちは他の来場者同様にゆっくりと扉を開いた。
『わたしの坊や、可愛い坊や』
なんだ?
妙な声を聞いたな。
俺は3度目の神からのリクエストを完了した。
またどこかに強制移転させられるか?
と思いきや今度はそのままだ。
今は久しぶりの外で安堵し、野宿中だ。
そんで無防備に寝ているとあの声だ。
周りを見てもエラ、ミレーヌと俺で肩を寄せあって寝ていた。
目が覚めたのは俺だけ。
一般の奴等もその辺で寝ている。
気が付いたら胸元が暖かい。
覗き込むと、あの妖精かもしれない何かが俺を見上げた。
するとまたあの声だ。
『坊やが助けてくれたのね。力も分けてくれて感謝しているわ』
口が動いてないのに脳裏に響く。
これは念話か?
『これで聞こえるのか?』
心の中で声をだすようにして試す。
『あら? あたしたち波長が合うのね。訓練なしに出来るなんて』
『勝手に助けた。それだけだ。身体が大丈夫ならもう帰るといいさ』
『身体は大丈夫よ。あなたの所が何故か落ち着くの』
『ってことは、このままか?』
『嫌なら追い出してもいいわ』
『そんな目をすんなよ。まぁいいさ、好きにしな』
『そう、それなら好きにさせてもらうわ。
わたしはアイラ。あなたはクロ―ね?』
……まぁいい。
俺の居場所は、せめてミレーヌとエラの二人の隣だけでいい。
ささやかだけど、飯と寝床だけは、奪わせない。
『よくわかったな』
『坊やの声が、聞こえるの』
『坊やって、俺まだ20だぜ?』
『ええ、私からしたら坊やよ?』
『そっか、わかったよ』
『ちなみに私、結構役立つわ。これから楽しみにしてて』
『そうか。期待している』
翌朝。
俺たちは疲れを癒した後、近くの町まで向かう。
ちょうど夕方にさしかかる頃についた。
門番からは大いに感謝される。
まあ、盗賊の倉庫からは、
めぼしい物は根こそぎ頂いたけどな。
必要以上にそのことには、触れなくていいだろう。
町では、感謝してくれる人たちが多い。
俺は嬉しくともなんともない。
もちろん面倒くさい。
だが助けたのは事実だから、否定もしない。
ログが割り込んできた。
【リクエスト開示:04】
【内容:反抗勢力の沈静化】
【条件:被害最小】
『あら? クロ―面白い物を利用しているのね』
『これ、何か気になるか?』
『今は大丈夫かしら、気になったら伝えるわ』
『そっか』
今回は、判断がいるな。
犯罪者とは、書かれていない。
ミレーヌが心配そうに言った。
「ねぇクロ―」
「今回は……悪って書いてない」
「誰がってのが厄介だな」
「そうね。あくまでも“反抗勢力”だものね」
エラはあっけらかんとしている。
「でも危ないんでしょ?」
「命の取り合いになるだろうな」
相手は人間。
理由がある。
だが武装している。
今回時間制限は、ないようだ。
迷いようがないし、迷う時間が命取りだ。
ここはやはり、精神追放を使う。
あとは反抗勢力とやらだが……。
「ミレーヌ、反抗勢力の情報はどう調べる?」
「そうね、内容が微妙なので聞き出しづらいわね」
『クロ―、情報が集まる所なら、聞き出せるわ』
『本当か? それは助かる』
「ミレーヌ、ここで情報が集まるギルドがあるとしたらどこになる?」
「ここなら探索者ギルド一択だわ」
「聞き出すのね?」
「ああ、こいつがな?」
俺の首から吊らす袋から顔半分ほど出して、ミレーヌを見た。
「え? クロ―。その子、どうしたの?」
「盗賊のアジトで助けたら、ついてきた」
「そうすると……あなた、エレメンタラーになるわね」
「まあ、呼称はなんでもいい。今は彼女のやり方を待つ」
「そうね。エレメンタルなら問題ないでしょうね」
俺たちはそのまま探索者ギルドに向かう。
誰でも自由に行き来できる開放的なギルドだ。
中に入ってもアイラは袋から出てこない。
だが――
何かしているのは、なんとなくわかる。
『クロ―わかったわ。彼ら、さまざまな場所で根を下ろしているみたい』
『つまり一か所で固まってないということか?』
『集まっても月1回。つまりタイミングよく今日ね』
『場所と時間は?』
『商会連合の倉庫よ。今夜子の正刻に会合が行われるわ。運がいいわね』
『助かった』
『どういたしまして』
「調べおわったぞ。商会連合の倉庫。今夜子の正刻に会合が行われる」
エラは楽しそうだ。
「ねぇそれって警備手薄じゃない?」
「なんでそういえる?」
エラはニヤリとする。
黒い笑みが本当に似合う奴だ。
「あえてよ。そうすることで大したことない会合に見える」
「それにバレテもそれぞれの立場の者なら如何様にもなるからね」
「なるほどな。願ったり叶ったりだな」
「クロ―今夜決行?」
「ああ、もちろんそうだ」
俺たちは、手近な宿をとり、三人でごろ寝をして夜まで待った。
……。
夜になり、俺たちは移動をした。
建物の隙間から、倉庫を見る。
「なあ、あれか?」
「そうね」
「わぁ次々入っていくね」
「精神追放なら大騒ぎにはならないが、
もし万が一の時に備えて援護を頼む」
「わかったわ」
「クロ―、正面からいくの?」
「俺とミレーヌでいく。十分後にエラもきてくれ」
「わかったわ」
「うん、わかった」
「ミレーヌいくぞ!」
「ええ」
俺は正面から突入を開始した。
まずは扉前にいる二人だ。
「やる気、追放!」
「追放!」
なんだ?
今違和感が。
こめかみが痛む。
「クッ」
「クロ―? 大丈夫」
「ああ、問題ない」
「中に入ってヤバイ時は援護頼む」
「もちろんよ、任せて」
「行くぞ」
俺たちは他の来場者同様にゆっくりと扉を開いた。
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