異世界転生したらチート能力で最強になって、気づいたら美女たちに囲まれて国まで作ってた件

自ら

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第3章 - ツンデレ令嬢と敏腕商人

第14話:ツンデレ令嬢の心変わり

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 魔物襲撃事件の翌日、パーティー最終日の朝を迎えた。

 昨日の事件で、王都の街は少なからず被害を受けたが、幸い死者は出なかった。俺たちが迅速に対応できたおかげだ。街の人々は、俺たちに感謝の言葉を惜しみなく投げかけてくれた。

 公爵も、朝食の席で何度も礼を述べてくれた。

「レン殿、本当にありがとうございました。あなた方がいなければ、多くの命が失われていたことでしょう」

「いえ、当然のことをしただけです」

「謙虚ですな。だが、あの戦いぶりは見事でした」

 公爵は、満面の笑みで俺の肩を叩いた。

 朝食を終えると、俺は庭を散歩することにした。昨日の戦闘で少し疲れていたわけではないが、朝の空気を吸いたかった。

 広い庭園には、色とりどりの花が咲いている。手入れが行き届いていて、まるで絵画のような美しさだ。噴水の周りを歩いていると、ベンチに座っている人影が目に入った。

 シャルロットだった。

 彼女は、一人で何かを考え込んでいるようだった。俺の足音に気づいて、顔を上げる。

「...レン」

「おはよう、シャルロット」

「おはよう...」

 シャルロットは、少し戸惑ったような表情をしている。昨日までの高圧的な態度は完全に消えていて、むしろどこか不安そうにすら見えた。

「隣、座ってもいいか?」

「...ええ」

 俺は、シャルロットの隣に座った。しばらく、沈黙が続く。鳥のさえずりと、噴水の水音だけが聞こえる。

「あの...」

 シャルロットが、小さな声で口を開いた。

「昨日のこと...」

「うん」

「本当に...ありがとう」

 その言葉は、心の底から絞り出されたような、真摯なものだった。

「どういたしまして」

「私...あなたのこと、誤解してたわ」

 シャルロットは、膝の上で手を組みながら続けた。

「最初に会った時、平民だとか、失礼なことを言ったわね」

「気にしてないよ」

「でも、私は気にしてるの」

 シャルロットは、俺の方を向いた。その青い瞳には、後悔の色が浮かんでいる。

「あなたは...本当に優しくて、強くて...それに、誰に対しても分け隔てなく接する」

「そんな大したことじゃないよ」

「いいえ、大したことよ」

 シャルロットは、強く首を横に振った。

「貴族の中には、平民を見下す者が多いわ。私も、その一人だった。でも、あなたは違う。身分なんて関係なく、困っている人を助ける」

 彼女の声が、少し震える。

「昨日、私は民間人を守ろうとした。でも、力が足りなかった。あのままだったら、私も、守ろうとした人たちも、みんな死んでいたかもしれない」

「でも、実際には誰も死ななかった」

「それは、あなたが助けてくれたから」

 シャルロットは、俺をじっと見つめた。

「私...あなたともっと一緒にいたい」

 その言葉に、俺は少し驚いた。

「一緒に...?」

「ええ。あなたと一緒なら、私はもっと強くなれる気がするの。もっと多くの人を守れる気がするの」

 シャルロットは、少し恥ずかしそうに視線を逸らしながら続けた。

「それに...あなたと一緒にいると、楽しいわ。初めて、心から楽しいと思えた」

「シャルロット...」

「だから...お願い」

 シャルロットは、もう一度俺を見つめた。その目には、真剣な光が宿っている。

「冒険に、連れて行ってくれないかしら?」

 俺は、少し考えてから答えた。

「いいけど、危険だぞ」

「分かってるわ。でも、あなたがいれば大丈夫」

「そこまで信頼してくれるのか」

「...ええ」

 シャルロットは、頬を赤らめながら頷いた。

「あなたは、私が初めて心から信頼できると思った人よ」

 その言葉を聞いて、俺は微笑んだ。

「分かった。じゃあ、一緒に行こう」

「本当!?」

 シャルロットの表情が、パッと明るくなる。

「ありがとう、レン!」

 彼女は、嬉しそうに俺の手を握った。その手は、温かくて、少し震えている。

「でも、お父さんには許可をもらわないとな」

「...そうね。父に、話してみるわ」

 シャルロットと俺は、公爵の書斎へと向かった。

 ノックをすると、中から「どうぞ」という声が聞こえる。

 扉を開けると、公爵が机に座って書類を読んでいた。俺たちの姿を見ると、驚いたように顔を上げる。

「シャルロット、それにレン殿。どうしたのかね?」

「父上...お話があります」

 シャルロットは、緊張した様子で一歩前に出た。

「私...レンさんと一緒に、冒険に出たいのです」

「冒険に...?」

 公爵は、少し驚いたような表情を浮かべた。

「そうです。レンさんたちと共に旅をして、もっと強くなりたいのです」

「...そうか」

 公爵は、しばらく黙って考え込んでいたが、やがて穏やかな笑顔を浮かべた。

「良いだろう」

「本当ですか!?」

 シャルロットが、驚いたように声を上げる。

「ああ。お前が、そこまで真剣に人を信頼する姿を見たのは初めてだ」

 公爵は、俺の方を向いた。

「レン殿、娘をよろしく頼む」

「はい。必ず、守ります」

「うむ。それに...」

 公爵は、少し寂しそうな笑顔を浮かべた。

「お前も、もう大人だ。自分の道を選ぶ権利がある。父としては寂しいが、応援しよう」

「父上...」

 シャルロットの目に、涙が浮かぶ。

「ありがとうございます、父上」

「いいんだ。ただ、時々は手紙を寄こしてくれよ」

「はい!」

 シャルロットは、嬉しそうに頷いた。

 こうして、シャルロットは正式に俺たちの仲間となった。

 その日の午後、俺たちは王都を出発し、街の屋敷へと戻った。

 馬車の中で、シャルロットは少し緊張した様子だった。

「大丈夫か?」

「ええ...ただ、みんなと上手くやっていけるかしら」

「心配しなくても大丈夫だよ。みんな、いい人たちだから」

「...そうね」

 シャルロットは、少しだけ安心したように微笑んだ。

 屋敷に到着すると、クレアたちが玄関で出迎えてくれた。

「お帰り、レン」

 クレアが、笑顔で迎えてくれる。だが、シャルロットの姿を見ると、少し複雑な表情になった。

「...また増えたのか」

「まあ、色々あってな」

「そうか...」

 クレアは、少し溜息をついたが、すぐに表情を戻した。

「まあ、仕方ない。レンが決めたことなら、私は従う」

 リリエルは、シャルロットを興味深そうに観察している。

「よろしく、シャルロット」

「...こちらこそ」

 シャルロットは、少し緊張しながら答える。

 ミーナは、嬉しそうに駆け寄ってきた。

「わーい! シャルロットおねえちゃん!」

「お、おねえちゃん...?」

 シャルロットは、少し戸惑っている。だが、ミーナの無邪気な笑顔を見て、表情が緩んだ。

「...ええ。よろしくね、ミーナ」

 シャルロットが、ミーナの頭を優しく撫でる。ミーナは、嬉しそうに尻尾を振った。

「みんな、優しいのね...」

 シャルロットは、小さく呟いた。

「こんなに...温かい場所、初めて...」

 その言葉を聞いて、俺は嬉しくなった。シャルロットが、ここに居場所を見つけてくれたのだと分かったからだ。

 その夜、俺は自分の部屋で寛いでいた。

 今日も色々なことがあった。シャルロットが仲間に加わり、屋敷はより賑やかになった。これから、どんな冒険が待っているのか。楽しみで仕方ない。

 そんなことを考えていると、ノックの音が聞こえた。

「レン...入ってもいい?」

 シャルロットの声だ。

「どうぞ」

 扉が開き、シャルロットが入ってきた。部屋着に着替えていて、髪も下ろしている。その姿は、昼間とは全く違う柔らかい雰囲気を纏っていた。

「どうした?」

「その...お話ししたくて」

 シャルロットは、少し恥ずかしそうに俯いている。

「座れよ」

 俺がベッドの端を示すと、シャルロットは少し迷ってから、そこに座った。

 しばらく、沈黙が続く。

「あの...レン」

 シャルロットが、意を決したように口を開いた。

「来てくれたの...?」

「ああ。話したいことがあるって」

「そうじゃなくて...」

 シャルロットは、顔を真っ赤にしながら続けた。

「私のために...来てくれたの...?」

 その言葉の意味を理解して、俺は少し驚いた。

「シャルロット...」

「私...ずっと、あなたのことを考えてた」

 シャルロットは、俺を見つめた。その目には、真剣な光が宿っている。

「あなたと一緒にいると、心が温かくなるの。こんな気持ち、初めて...」

「シャルロット」

「私...あなたのこと...」

 シャルロットは、言葉に詰まる。顔が真っ赤になっていて、視線が泳いでいる。

「好き...かも...」

 その言葉は、小さくて、震えていた。だが、確かに俺の耳に届いた。

 俺は、シャルロットの手を取った。

「俺も、シャルロットのことが好きだよ」

「...本当?」

「本当だよ」

 シャルロットの目から、涙が溢れ出した。

「よかった...私、怖かったの。断られたらどうしようって...」

「そんなわけないだろ」

 俺は、シャルロットを優しく抱きしめた。彼女の身体は、少し震えている。だが、徐々に落ち着いていくのが分かった。

「レン...」

「シャルロット」

 俺たちは、自然とキスをしていた。

 柔らかい唇の感触。温かい吐息。シャルロットの心臓の鼓動が、俺にも伝わってくる。

 長いキスの後、シャルロットは恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めた。

「...初めてだったわ」

「俺も、何度目かだけど」

「...何度目?」

 シャルロットが、少し不機嫌そうに顔を上げる。

「クレアたちとも...?」

「まあ、ね」

「...むぅ」

 シャルロットは、頬を膨らませた。その姿が可愛くて、思わず笑ってしまう。

「笑わないで!」

「ごめん、ごめん。可愛かったから」

「可愛い...」

 シャルロットは、また顔を赤くした。

「...もう。あなたって、本当に...」

 だが、その表情は幸せそうだった。

「レン、私...ずっとあなたと一緒にいたい」

「俺もだよ」

「これから、色々な場所に行くのよね」

「ああ。楽しみだろ?」

「ええ...とても」

 シャルロットは、また俺の胸に顔を埋めた。

「あなたと一緒なら、どこへでも行けるわ」

 俺は、シャルロットの髪を優しく撫でた。

 こうして、俺たちは長い時間、寄り添っていた。

 やがて、シャルロットが眠そうに目を閉じる。

「眠いなら、もう戻った方がいいぞ」

「...もう少し、このままで」

「分かった」

 俺は、シャルロットが眠るまで、ずっと抱きしめていた。

 穏やかな寝息を立て始めたシャルロットを、俺はそっと自分の部屋まで運んだ。ベッドに寝かせて、毛布をかける。

「おやすみ、シャルロット」

 俺が囁くと、シャルロットは寝たまま小さく微笑んだ。

 俺も、隣に横になった。

 今日も、良い一日だった。

 新しい仲間が増えて、屋敷はより賑やかになった。

 これから、もっと楽しい冒険が待っている。
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