異世界転生したらチート能力で最強になって、気づいたら美女たちに囲まれて国まで作ってた件

自ら

文字の大きさ
16 / 38
第3章 - ツンデレ令嬢と敏腕商人

第16話:敏腕商人の本音

しおりを挟む
 それから数日、レイラは頻繁に屋敷を訪れるようになった。

 最初は週に一度程度だったのが、二日に一度になり、やがて毎日のように姿を見せるようになった。その度に、彼女は「商談があってさ」と言いながら笑顔で現れる。

 だが、実際の商談は十分程度で終わってしまう。残りの時間は、屋敷で俺たちと過ごしているのだ。

「また来たのか」

 クレアが、少し呆れたように言う。だが、その表情には嫌悪感はなく、むしろどこか親しみすら感じられた。

「悪い? あたしも仲間に入れてよ」

 レイラは、堂々とした態度でリビングのソファに座る。その姿は、まるで昔からこの屋敷の住人だったかのような自然さだった。

「別に構わないが...お前、本当に商人か? 仕事はいいのか?」

「大丈夫大丈夫。あたしの仕事は効率的だから、時間に余裕があるんだ」

 レイラは、自信満々に胸を張る。

「効率的...」

 リリエルが、興味深そうにレイラを観察する。

「あなたは、時間管理が優れているのか?」

「まあね。商人ってのは、時間も金も無駄にできないからさ」

「興味深い。私も、時間管理には苦労している」

「へぇ、研究者なのに?」

「ああ。研究に没頭すると、時間の感覚を失う」

「分かる分かる。あたしも商売に夢中になると、食事も忘れるからね」

 レイラとリリエルは、意外にも話が合うようだった。二人とも、自分の仕事に情熱を注いでいる点で共通しているのだろう。

 ミーナは、レイラの周りをくるくると回っている。

「レイラおねえちゃん、かっこいい!」

「おう、ありがとな」

 レイラは、ミーナの頭を豪快に撫でる。

「ミーナも可愛いな。将来、いい女になるぞ」

「ほんと!?」

「ああ。あたしが保証する」

 ミーナは、嬉しそうに尻尾を振った。

 シャルロットは、少し離れたところでレイラを観察している。最初は商人に対して警戒していたが、今では徐々に興味を持ち始めているようだった。

「シャルロット、どうした? そんなところで突っ立って」

 レイラが、シャルロットに声をかける。

「...別に」

「ははっ、素直じゃないね。まぁ、お嬢様だからしょうがないか」

「お嬢様って...」

 シャルロットは、少し不機嫌そうな表情になる。

「悪い意味じゃないよ。品があって、綺麗だって意味さ」

「...そう」

 シャルロットは、頬を赤らめて視線を逸らした。

「でもさ、あんまり堅苦しくしてると疲れるぞ。もっと楽にしなよ」

「楽に...?」

「ああ。こっち来て、一緒に座ろうぜ」

 レイラが、隣の席を示す。

 シャルロットは、少し迷ってから、ゆっくりとレイラの隣に座った。

「ほら、そうそう。これでいいんだよ」

 レイラは、満足そうに笑った。

 こうして、レイラは徐々に屋敷に馴染んでいった。クレアとは冒険の話で盛り上がり、リリエルとは仕事の効率化について議論し、ミーナとは遊び、シャルロットとは貴族社会と商人社会の違いについて語り合う。

 その姿は、まるで元々この屋敷の一員だったかのようだった。

 ある日の夕方、レイラは俺を庭に呼び出した。

「なぁ、レン。ちょっと話があるんだ」

「どうした?」

 俺たちは、庭のベンチに座った。夕日が、空をオレンジ色に染めている。風が優しく吹いて、木々の葉を揺らしていた。

「あのさ...」

 レイラが、珍しく言葉に詰まる。

「あたし、あんたのこと...」

 彼女の声が、震えている。いつもの豪快な態度とは違う、どこか繊細な雰囲気が漂っていた。

「どうした? らしくないぞ」

「...いや、何でもない」

 レイラは、急に話題を変えた。

「ただ...あんたと一緒にいると、楽しいんだ」

「俺もだよ」

「商売だけじゃなくて、もっと色々...一緒にやりたいんだ」

 レイラの目が、俺を真っ直ぐ見つめる。その目には、何か言いたいことがあるようだったが、結局言葉にはならなかった。

「レイラ...」

「ああ、もう! あたし、こういうの苦手なんだよ!」

 レイラは、頭を抱えた。

「普段は、何でもはっきり言えるのに、こういう時だけは...」

「こういう時?」

「...バカ」

 レイラは、照れたように顔を背けた。その横顔は、夕日に照らされて、いつもより柔らかく見えた。まるで、普段は見せない彼女の本当の姿が、そこにあるかのようだった。

「レン、あんたって鈍感だよな」

「え?」

「いや、何でもない。忘れてくれ」

 レイラは、立ち上がった。

「そろそろ帰るわ。また明日来るから」

「ああ」

 レイラは、屋敷を後にした。その背中を見送りながら、俺は何となく彼女の気持ちに気づいていた。

 だが、それを言葉にすることは、まだできなかった。

 翌日、レイラはいつも通り屋敷を訪れた。

「よぉ、相棒」

「おはよう、レイラ」

 彼女は、昨日のことを何も言わず、いつもの調子で振る舞っている。だが、時々俺を見る目が、いつもより優しいことに気づいた。

「今日は、商談なしでいいだろ?」

「ああ。今日は休みだ」

「よし、じゃあみんなで遊ぼうぜ!」

 レイラの提案で、俺たちは庭で遊ぶことになった。

 クレアとレイラは、剣の稽古をしている。レイラも、商人とはいえ護身術として剣を習っているらしい。

「なかなかやるじゃないか」

「お前こそ。さすが騎士だな」

 二人は、笑いながら剣を交えている。その姿は、まるで長年の友人のようだった。

 リリエルは、魔法の実験をしている。レイラも興味深そうに見守っている。

「すげぇな。魔法って、こんなに繊細なのか」

「ああ。一つ一つの魔力制御が重要だ」

「商売と似てるな。細かい計算が大事なんだ」

 ミーナとシャルロットは、花壇で花を摘んでいる。

「この花、綺麗!」

「ええ。とても美しいわね」

 二人は、仲良く花を集めている。

 レイラは、その光景を見て、満足そうに微笑んだ。

「いいな、こういうの」

「ん?」

「こうやって、みんなで過ごす時間。あたし、こういうの好きなんだ」

 レイラの声には、どこか寂しさが混じっていた。

「レイラ、一人暮らしなのか?」

「ああ。商売が忙しくてさ、家族とも疎遠になっちまった」

「そうか...」

「でも、ここに来ると、家族みたいな温かさを感じるんだ」

 レイラは、俺を見つめた。

「あんたのおかげだよ、レン」

「俺は、何もしてないけど」

「いや、あんたがいるから、みんなが集まってる。あんたが、この場所を作ってるんだ」

 レイラの言葉は、真摯で、心から出たものだと分かった。

「ありがとう、レイラ」

「礼を言うのは、あたしの方だよ」

 レイラは、また豪快に笑った。

 夕方になり、レイラが帰る時間になった。

「じゃあな、相棒。また明日」

「ああ。気をつけて帰れよ」

「心配してくれるの? 嬉しいね」

 レイラは、いたずらっぽく笑った。

「じゃ、また」

 彼女は、手を振りながら去っていった。

 クレアが、俺の隣に立つ。

「レイラ、いい奴だな」

「ああ」

「お前のこと、好きなんじゃないか?」

「...そうかもな」

「お前、どう思ってるんだ?」

 クレアの問いに、俺は少し考えてから答えた。

「俺も、レイラのことが好きだ」

「...そうか」

 クレアは、複雑そうな表情を浮かべた。

「また、家族が増えるな」

「怒ってるか?」

「いや。もう慣れた」

 クレアは、小さく笑った。

「それに、レイラはいい奴だ。仲間として、歓迎する」

「ありがとう、クレア」

「礼を言われることじゃない」

 クレアは、俺の肩を叩いた。

 その夜、俺は自分の部屋で窓の外を眺めていた。星が、綺麗に輝いている。

 レイラのことを考えていた。彼女は、いつも明るくて、強くて、でもどこか寂しさを抱えている。そんな彼女を、支えてあげたい。

 ノックの音が聞こえた。

「レン、起きてる?」

 シャルロットの声だ。

「ああ、入れよ」

 シャルロットが、部屋に入ってくる。

「レイラのこと...考えてたんでしょ?」

「...分かるのか?」

「ええ。あなたの表情を見れば」

 シャルロットは、俺の隣に座った。

「レイラは、いい人よ。私も、最初は警戒してたけど、今では友達だと思ってる」

「そうか」

「だから...レイラが仲間になるなら、私は歓迎するわ」

 シャルロットは、微笑んだ。

「ありがとう、シャルロット」

「どういたしまして」

 シャルロットは、俺の手を握った。

「私たち、みんな家族よね」

「ああ」

「これからも、ずっと一緒よ」

「ああ。約束する」

 シャルロットは、満足そうに微笑んで、部屋を出ていった。

 俺は、再び窓の外を眺めた。

 レイラも、きっといつかこの家族の一員になる。

 そう確信していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

追放もの悪役勇者に転生したんだけど、パーティの荷物持ちが雑魚すぎるから追放したい。ざまぁフラグは勘違いした主人公補正で無自覚回避します

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ざまぁフラグなんて知りません!勘違いした勇者の無双冒険譚  ごく一般的なサラリーマンである主人公は、ある日、異世界に転生してしまう。  しかし、転生したのは「パーティー追放もの」の小説の世界。  なんと、追放して【ざまぁされる予定】の、【悪役勇者】に転生してしまったのだった!  このままだと、ざまぁされてしまうが――とはならず。  なんと主人公は、最近のWeb小説をあまり読んでおらず……。  自分のことを、「勇者なんだから、当然主人公だろ?」と、勝手に主人公だと勘違いしてしまったのだった!  本来の主人公である【荷物持ち】を追放してしまう勇者。  しかし、自分のことを主人公だと信じて疑わない彼は、無自覚に、主人公ムーブで【ざまぁフラグを回避】していくのであった。  本来の主人公が出会うはずだったヒロインと、先に出会ってしまい……。  本来は主人公が覚醒するはずだった【真の勇者の力】にも目覚めてしまい……。  思い込みの力で、主人公補正を自分のものにしていく勇者!  ざまぁフラグなんて知りません!  これは、自分のことを主人公だと信じて疑わない、勘違いした勇者の無双冒険譚。 ・本来の主人公は荷物持ち ・主人公は追放する側の勇者に転生 ・ざまぁフラグを無自覚回避して無双するお話です ・パーティー追放ものの逆側の話 ※カクヨム、ハーメルンにて掲載

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います

リヒト
ファンタジー
 不幸な事故の結果、死んでしまった少年、秋谷和人が転生したのは闇落ちし、ゲームの中ボスとして主人公の前に立ちふさがる貴族の子であるアレス・フォーエンス!?   「いや、本来あるべき未来のために死ぬとかごめんだから」  ゲームの中ボスであり、最終的には主人公によって殺されてしまうキャラに生まれ変わった彼であるが、ゲームのストーリーにおける闇落ちの運命を受け入れず、たとえ本来あるべき未来を捻じ曲げてても自身の未来を変えることを決意する。    何の対策もしなければ闇落ちし、主人公に殺されるという未来が待ち受けているようなキャラではあるが、それさえなければ生まれながらの勝ち組たる権力者にして金持ちたる貴族の子である。  生まれながらにして自分の人生が苦労なく楽しく暮らせることが確定している転生先である。なんとしてでも自身の闇落ちをフラグを折るしかないだろう。  果たしてアレスは自身の闇落ちフラグを折り、自身の未来を変えることが出来るのか!? 「欲張らず、謙虚に……だが、平穏で楽しい最高の暮らしを!」  そして、アレスは自身の望む平穏ライフを手にすることが出来るのか!?    自身の未来を変えようと奮起する少年の異世界転生譚が今始まる!

処理中です...