お兄様が攻略対象者で妹のモブ令嬢のはずですが、攻略対象者が近づいてきて溺愛がとまりません。

MAYY

文字の大きさ
7 / 98
第一章 ヒロイン編

7.

しおりを挟む
学園の休みの前日にカルティド殿下からクラリスお兄様経由でお手紙を頂いた。

『愛しのリティアナへ
       明日の服装はドレスではなく軽装でよろしく。
       楽しみにしているよ。                  カルティド』


カルティド殿下は何を考えてるのかしら………買い物ね~ヒロインにプレゼントするものを女性目線で選んでほしいとか??
本人に直接聞けばいいのに……意外に奥手なの??
それにこんな愛しの………だなんて機嫌とらなくてもいいのに。

疑問だらけだが明日はやって来る。
侍女達にどんな服装がいいのか一緒に考えてほしいことを頼むとウキウキしだした。

あまりの浮かれっぷりに「デートじゃないからね。」と侍女達に釘を指したがニヤニヤされながら服装に髪型に決まっていった。
本当に伝わっているのか………と新たな疑問が浮上して当日には疑問だらけの朝を迎えた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーー


「リティアナ今日は一段と可愛いね。リティアナの隣を歩けるのが誇らしいよ。」

お迎えに来るなり私の手を取り紳士かと突っ込みをいれるようなキスをされ、見つめながら朝から甘い言葉をふり注いでくる。

本当に本当に………………なんですの!なんですの!!
めちゃくちゃ朝から甘いです!!
誰ですか?あなたは誰でしょうか!?
こんな甘いカルティド殿下初めてなんですが!!
私……男性に前世も今世も家族意外に免疫がないのです。
勘弁してください。
この世界で絶対的なヒロインのお相手の一人ですので深く関わりたくないのです。
最後悲しい思いしたくないから………………。
心はパニックになりながらも令嬢らしく顔に出さずカルティド殿下に笑顔を向ける。

「カルティド殿下、ありがとうございます。でもそんな持ち上げなくてもちゃんと買い物にお付き合いいたしますわ。」

「なかなか手強いね。俺はね、女性に対して心に思ってないことを言えるほど優しくないよ。それだけは覚えておいて。」

「はい。わかりましたわ。」

笑顔から突然真顔になって私をまっすぐに見つめて言うカルティド殿下があまりにも真剣な表情だったから圧倒されてあれこれ考えず素直に言葉が出た。


馬車に揺られながら王都へ向かってる途中、カルティド殿下から、

「今日は視察とか殿下としてじゃなく休日を楽しみたいんだ。だから俺のことはカルと呼んでほしい。」

そうだね、何処にいても殿下として対応しないといけないから休日くらい伸び伸びしたいって気持ちはわかる。

「はい、わかりましたわ。それではカルと呼ばせていただきます。」

「いいね~リティアナから呼ばれると特別な響きに聞こえて嬉しいよ。………俺もリティアナをリティと呼んでもいいかな?」

すっごく嬉しそうな笑顔で私のカル呼びを喜ぶカルティド殿下に嫌ですとは言える雰囲気ではなく、今日くらいいいかな~と軽い気持ちで「いいですよ。」と答えた私は後々後悔することになるのはまだ先の話である。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

【完結】男の美醜が逆転した世界で私は貴方に恋をした

梅干しおにぎり
恋愛
私の感覚は間違っていなかった。貴方の格好良さは私にしか分からない。 過去の作品の加筆修正版です。

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

処理中です...