24 / 98
第一章 ヒロイン編
24.
しおりを挟む
「ありがとう。シスト・イークス侯爵令嬢。しかし、学園では同じ学年ではあるがここは王宮だ。立場をわきまえてほしいな。」
この方侯爵令嬢なのね。
学園では平等に接してよいとされているが学園を一歩出ればカルは王族だ。先に話をかけてはいけないことは私でもわかっていることですわ。
「失礼いたしました。以後気を付けますわ。ビックリいたしましたわ。カルティド殿下がいきなり婚約発表ですもの……婚約者候補を挙げてから選ばれるとばかり……私が一番近いと思っておりましたわ。」
この方すごいですわ!
隣に……カルに肩を抱き寄せられている私がいるのに挨拶もお話もされずいない人のように扱い、カルに自分アピールをしておりますわ。
「ははっ。イークス令嬢の妄想は凄いね。俺は婚約者候補も作る予定はなかったよ。リティを婚約者と決めていたからな。」
「なっ………カルティド殿下酷いですわ。私と長い間一緒に過ごしたではありませんか。」
はっ!?なんですって!?
カルずっと私を好きといっておきながらまさかこのご令嬢に手を出していたの?
もしかしてこれって………修羅場!?
ジトーとカルを横目で見ているとそれに気づいたカルが露骨に不機嫌になっている。
このカルの表情は幼い頃から近くで見ているからわかるがたぶんこの会場でわかるのは幼馴染みの数名だろう。
………やっぱりこのご令嬢が言ってることは本当ですのね。
私にバレて不機嫌になった……といったところでしょうか。
男なんてクラリスお兄様以外は所詮そんなものですわ……。
夢見た私が馬鹿を見るのです……。
「はぁ。リティ酷いな。俺の事疑ってるだろ?」
ため息をつきながら私をジトーと見てくるカルにドキリとする。
はい、疑ってますわ。と直接言う勇気がなく心の声で返事をし目を泳がせてしまう。
「イークス令嬢、リティが誤解を招く言い方はしないでほしいな。一緒に過ごした?長い間?それは学園生活同じクラスに同じ役員をしているとそうなるな。公的には過ごしたことは多いかもしれないが、それはクラリスやレイロにセルガロも一緒だ。一切二人であったことはない。言いがかりはよしてもらいたい。」
凍りつくような低い声にご令嬢を見る冷ややかな視線、私はカルのこんな冷たい態度は今まで一度も見たことがない。
カルに言われて固まっているご令嬢を見れば、普段ここまで冷たくはないのだろう。
「カルティド殿下あんまりです……私は小さい頃からずっとカルティド殿下の婚約者になれると思って日々作法に勉学に励んで参りましたわ。なのに………私がお慕いしている気持ちは気付いていらっしゃったのでしょう?」
この態度のカルに対してまだ引き下がらないのが凄いですわ。私なら心が折れてしまいます。
このご令嬢は本当にカルの事が好きなのか……維持になっているのかわかりませんが、度胸だけは凄いですわね。
「話にならないな。この際はっきりと伝えとくがイークス令嬢の気持ちに答えることはない。今まではいきすぎた態度も多めに見ていたが、リティが絡んでくると話は別だ。今後気を付けるように。忠告はした、以上だ。」
顔が歪んでるのは悔しいからなのか想いが拒否されたからなのか私はわからないが、唇を噛み締めて震えている姿は派手なドレスに濃いメイク………いや綺麗にした顔が台無しになっていてプライドが高そうなご令嬢なだけにとてもかわいそうなことになっていますわ。
想い人であるカルにも周りのご令嬢にご令息にも見られておりますから。。
私をいないものと扱っていたのに、カルに肩を抱かれがら隣を通りすぎるときボソッと呟かれた。
「このままじゃ終わらせないわ。」
これって……私に言われたのでしょうか。
怖すぎますわ。
この方侯爵令嬢なのね。
学園では平等に接してよいとされているが学園を一歩出ればカルは王族だ。先に話をかけてはいけないことは私でもわかっていることですわ。
「失礼いたしました。以後気を付けますわ。ビックリいたしましたわ。カルティド殿下がいきなり婚約発表ですもの……婚約者候補を挙げてから選ばれるとばかり……私が一番近いと思っておりましたわ。」
この方すごいですわ!
隣に……カルに肩を抱き寄せられている私がいるのに挨拶もお話もされずいない人のように扱い、カルに自分アピールをしておりますわ。
「ははっ。イークス令嬢の妄想は凄いね。俺は婚約者候補も作る予定はなかったよ。リティを婚約者と決めていたからな。」
「なっ………カルティド殿下酷いですわ。私と長い間一緒に過ごしたではありませんか。」
はっ!?なんですって!?
カルずっと私を好きといっておきながらまさかこのご令嬢に手を出していたの?
もしかしてこれって………修羅場!?
ジトーとカルを横目で見ているとそれに気づいたカルが露骨に不機嫌になっている。
このカルの表情は幼い頃から近くで見ているからわかるがたぶんこの会場でわかるのは幼馴染みの数名だろう。
………やっぱりこのご令嬢が言ってることは本当ですのね。
私にバレて不機嫌になった……といったところでしょうか。
男なんてクラリスお兄様以外は所詮そんなものですわ……。
夢見た私が馬鹿を見るのです……。
「はぁ。リティ酷いな。俺の事疑ってるだろ?」
ため息をつきながら私をジトーと見てくるカルにドキリとする。
はい、疑ってますわ。と直接言う勇気がなく心の声で返事をし目を泳がせてしまう。
「イークス令嬢、リティが誤解を招く言い方はしないでほしいな。一緒に過ごした?長い間?それは学園生活同じクラスに同じ役員をしているとそうなるな。公的には過ごしたことは多いかもしれないが、それはクラリスやレイロにセルガロも一緒だ。一切二人であったことはない。言いがかりはよしてもらいたい。」
凍りつくような低い声にご令嬢を見る冷ややかな視線、私はカルのこんな冷たい態度は今まで一度も見たことがない。
カルに言われて固まっているご令嬢を見れば、普段ここまで冷たくはないのだろう。
「カルティド殿下あんまりです……私は小さい頃からずっとカルティド殿下の婚約者になれると思って日々作法に勉学に励んで参りましたわ。なのに………私がお慕いしている気持ちは気付いていらっしゃったのでしょう?」
この態度のカルに対してまだ引き下がらないのが凄いですわ。私なら心が折れてしまいます。
このご令嬢は本当にカルの事が好きなのか……維持になっているのかわかりませんが、度胸だけは凄いですわね。
「話にならないな。この際はっきりと伝えとくがイークス令嬢の気持ちに答えることはない。今まではいきすぎた態度も多めに見ていたが、リティが絡んでくると話は別だ。今後気を付けるように。忠告はした、以上だ。」
顔が歪んでるのは悔しいからなのか想いが拒否されたからなのか私はわからないが、唇を噛み締めて震えている姿は派手なドレスに濃いメイク………いや綺麗にした顔が台無しになっていてプライドが高そうなご令嬢なだけにとてもかわいそうなことになっていますわ。
想い人であるカルにも周りのご令嬢にご令息にも見られておりますから。。
私をいないものと扱っていたのに、カルに肩を抱かれがら隣を通りすぎるときボソッと呟かれた。
「このままじゃ終わらせないわ。」
これって……私に言われたのでしょうか。
怖すぎますわ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
転生したら乙女ゲームのヒロインの幼馴染で溺愛されてるんだけど…(短編版)
凪ルナ
恋愛
転生したら乙女ゲームの世界でした。
って、何、そのあるある。
しかも生まれ変わったら美少女って本当に、何、そのあるあるな設定。
美形に転生とか面倒事な予感しかしないよね。
そして、何故か私、三咲はな(みさきはな)は乙女ゲームヒロイン、真中千夏(まなかちなつ)の幼馴染になってました。
(いやいや、何で、そうなるんだよ。私は地味に生きていきたいんだよ!だから、千夏、頼むから攻略対象者引き連れて私のところに来ないで!)
と、主人公が、内心荒ぶりながらも、乙女ゲームヒロイン千夏から溺愛され、そして、攻略対象者となんだかんだで関わっちゃう話、になる予定。
ーーーーー
とりあえず短編で、高校生になってからの話だけ書いてみましたが、小学生くらいからの長編を、短編の評価、まあ、つまりはウケ次第で書いてみようかなっと考え中…
長編を書くなら、主人公のはなちゃんと千夏の出会いくらいから、はなちゃんと千夏の幼馴染(攻略対象者)との出会い、そして、はなちゃんのお兄ちゃん(イケメンだけどシスコンなので残念)とはなちゃんのイチャイチャ(これ需要あるのかな…)とか、中学生になって、はなちゃんがモテ始めて、千夏、攻略対象者な幼馴染、お兄ちゃんが焦って…とかを書きたいな、と思ってます。
もし、読んでみたい!と、思ってくれた方がいるなら、よかったら、感想とか書いてもらって、そこに書いてくれたら…壁|ω・`)チラッ
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる