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第一章 ヒロイン編
58.
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「リティ、カルティドが常にピリピリしていて周りがとても怖がっているからどうにかしてくれ。」
家で突然クラリスお兄様が私に言ってきた。
毎日毎日だんだんと疲れて帰ってくるクラリスお兄様を心配しておりましたが………予想通りカルが原因でしたか。
「そうですか………やはりあの出来事のせいですか??」
「………ああ間違いなく。リティが悪いわけじゃないがカルティドの目の前であれはまずかった。カルティドは昔から何にでも冷静な男だが、リティが絡むと途端に感情が激しくなる。リティやばっ………いや愛されてるな。」
クラリスお兄様、今カルのことヤバイ奴と言いそうになりましたね。
ふぅ………わかってはいましたがカルは私が絡むとヤバイ奴にになるんですね。
カルの性格からして生死問わずなところもあるはずです。
「わかりましたわ。今日は学園で何処にいますか?後で行きますわ。」
「それなら今から一緒にいこう。」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーー
「カルティド、少しは休んだらどうだ?」
「…………………。」
クラリスお兄様の言葉が聞こえてないみたい。
公務の書類なのかカリカリカリと書類に目を通してサインしているカル。
「そんなに仕事が好きだったか?」
書いていた手がピタッと止まりこちらを見ずにため息をつくカルが珍しくて新鮮だった。
「何かしてないとやってられないんだ。リティに会いに行きたくてたまらない。あの事を思い出すたびに俺の腕の中でリティをめちゃくちゃにしてとろけさせたくなるんだよ。」
クラリスお兄様の前でなんてことを言ってるんですかこのハレンチ皇太子は。
いつもこんな調子でクラリスお兄様に言っていたら………と考えると恥ずかしさが爆発して考えたくありませんね。
「お前なぁ実の兄の前でよく言えるな。リティへの愛情はわかったからとりあえず落ち着け。直接本人に言えばいいだろ!?」
「まだ言い足りない。今リティに会うと溢れる思いをぶつけてしまいそうで……だから仕事に専念してるってわかってるだろクラ………リ………リティ!?」
言いながらこちらを初めて向いたカルはクラリスお兄様の隣に私を見つけるなり目を見開いてビックリしていた。
「カルティドもリティに言いたいことあるなら我慢せずに言え。どこまで受け止めるかはリティ次第だ。」
言うだけ言って出ていくクラリスお兄様。
カルから何を言われるのか想像がつかず余計怖いのですが。
私が受け入れなかった場合カルはどうなるのか……それを考える方が恐ろしいですわ。
つまり、私はカルのことを受け入れないとカルがヤバイことになるんでしょうね。
「リティから来てくれるなんて嬉しいよ。こっちにおいで。」
優しい笑顔で私を自分の膝の上に呼ぶカル。
クラリスお兄様が機嫌悪いって言ってたのは嘘でした?
すっごく上機嫌ですよ。
「違う、座ったらどうするんだった?」
「……………………恥ずかしいんです。このままでもいいですか?」
「駄目。」
「………………わかりましたわ。それであの出来事のことなんですが、本当に知らなかったのです。」
首に腕を回して私はカルから離れませんと言わんばかりの状態で話をしていると、だんだんカルの顔が険しくなってきた。
家で突然クラリスお兄様が私に言ってきた。
毎日毎日だんだんと疲れて帰ってくるクラリスお兄様を心配しておりましたが………予想通りカルが原因でしたか。
「そうですか………やはりあの出来事のせいですか??」
「………ああ間違いなく。リティが悪いわけじゃないがカルティドの目の前であれはまずかった。カルティドは昔から何にでも冷静な男だが、リティが絡むと途端に感情が激しくなる。リティやばっ………いや愛されてるな。」
クラリスお兄様、今カルのことヤバイ奴と言いそうになりましたね。
ふぅ………わかってはいましたがカルは私が絡むとヤバイ奴にになるんですね。
カルの性格からして生死問わずなところもあるはずです。
「わかりましたわ。今日は学園で何処にいますか?後で行きますわ。」
「それなら今から一緒にいこう。」
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「カルティド、少しは休んだらどうだ?」
「…………………。」
クラリスお兄様の言葉が聞こえてないみたい。
公務の書類なのかカリカリカリと書類に目を通してサインしているカル。
「そんなに仕事が好きだったか?」
書いていた手がピタッと止まりこちらを見ずにため息をつくカルが珍しくて新鮮だった。
「何かしてないとやってられないんだ。リティに会いに行きたくてたまらない。あの事を思い出すたびに俺の腕の中でリティをめちゃくちゃにしてとろけさせたくなるんだよ。」
クラリスお兄様の前でなんてことを言ってるんですかこのハレンチ皇太子は。
いつもこんな調子でクラリスお兄様に言っていたら………と考えると恥ずかしさが爆発して考えたくありませんね。
「お前なぁ実の兄の前でよく言えるな。リティへの愛情はわかったからとりあえず落ち着け。直接本人に言えばいいだろ!?」
「まだ言い足りない。今リティに会うと溢れる思いをぶつけてしまいそうで……だから仕事に専念してるってわかってるだろクラ………リ………リティ!?」
言いながらこちらを初めて向いたカルはクラリスお兄様の隣に私を見つけるなり目を見開いてビックリしていた。
「カルティドもリティに言いたいことあるなら我慢せずに言え。どこまで受け止めるかはリティ次第だ。」
言うだけ言って出ていくクラリスお兄様。
カルから何を言われるのか想像がつかず余計怖いのですが。
私が受け入れなかった場合カルはどうなるのか……それを考える方が恐ろしいですわ。
つまり、私はカルのことを受け入れないとカルがヤバイことになるんでしょうね。
「リティから来てくれるなんて嬉しいよ。こっちにおいで。」
優しい笑顔で私を自分の膝の上に呼ぶカル。
クラリスお兄様が機嫌悪いって言ってたのは嘘でした?
すっごく上機嫌ですよ。
「違う、座ったらどうするんだった?」
「……………………恥ずかしいんです。このままでもいいですか?」
「駄目。」
「………………わかりましたわ。それであの出来事のことなんですが、本当に知らなかったのです。」
首に腕を回して私はカルから離れませんと言わんばかりの状態で話をしていると、だんだんカルの顔が険しくなってきた。
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