お兄様が攻略対象者で妹のモブ令嬢のはずですが、攻略対象者が近づいてきて溺愛がとまりません。

MAYY

文字の大きさ
58 / 98
第一章 ヒロイン編

58.

しおりを挟む
「リティ、カルティドが常にピリピリしていて周りがとても怖がっているからどうにかしてくれ。」

家で突然クラリスお兄様が私に言ってきた。
毎日毎日だんだんと疲れて帰ってくるクラリスお兄様を心配しておりましたが………予想通りカルが原因でしたか。

「そうですか………やはりのせいですか??」

「………ああ間違いなく。リティが悪いわけじゃないがカルティドの目の前であれはまずかった。カルティドは昔から何にでも冷静な男だが、リティが絡むと途端に感情が激しくなる。リティやばっ………いや愛されてるなヤバイ奴に捕まったな。」

クラリスお兄様、今カルのことヤバイ奴と言いそうになりましたね。
ふぅ………わかってはいましたがカルは私が絡むとになるんですね。
カルの性格からしてなところもあるはずです。

「わかりましたわ。今日は学園で何処にいますか?後で行きますわ。」

「それなら今から一緒にいこう。」


ーーーーーーーーーーー
ーーーーーー

「カルティド、少しは休んだらどうだ?」

「…………………。」

クラリスお兄様の言葉が聞こえてないみたい。
公務の書類なのかカリカリカリと書類に目を通してサインしているカル。

「そんなに仕事が好きだったか?」

書いていた手がピタッと止まりこちらを見ずにため息をつくカルが珍しくて新鮮だった。

「何かしてないとやってられないんだ。リティに会いに行きたくてたまらない。を思い出すたびに俺の腕の中でリティをめちゃくちゃにしてとろけさせたくなるんだよ。」

クラリスお兄様の前でなんてことを言ってるんですかこのハレンチ皇太子は。
いつもこんな調子でクラリスお兄様に言っていたら………と考えると恥ずかしさが爆発して考えたくありませんね。

「お前なぁ実の兄の前でよく言えるな。リティへの愛情はわかったからとりあえず落ち着け。直接本人リティに言えばいいだろ!?」

「まだ言い足りない。今リティに会うと溢れる思いをぶつけてしまいそうで……だから仕事に専念してるってわかってるだろクラ………リ………リティ!?」

言いながらこちらを初めて向いたカルはクラリスお兄様の隣に私を見つけるなり目を見開いてビックリしていた。

「カルティドもリティに言いたいことあるなら我慢せずに言え。どこまで受け止めるかはリティ次第だ。」

言うだけ言って出ていくクラリスお兄様。
カルから何を言われるのか想像がつかず余計怖いのですが。
私が受け入れなかった場合カルはどうなるのか……それを考える方が恐ろしいですわ。
つまり、私はカルのことを受け入れないとカルがヤバイことになるんでしょうね。

「リティから来てくれるなんて嬉しいよ。こっちにおいで。」

優しい笑顔で私を自分の膝の上に呼ぶカル。
クラリスお兄様が機嫌悪いって言ってたのは嘘でした?
すっごく上機嫌ですよ。

「違う、座ったらどうするんだった?」

「……………………恥ずかしいんです。このままでもいいですか?」

「駄目。」

「………………わかりましたわ。それであの出来事のことなんですが、本当に知らなかったのです。」

首に腕を回して私はカルから離れませんと言わんばかりの状態で話をしていると、だんだんカルの顔が険しくなってきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結】男の美醜が逆転した世界で私は貴方に恋をした

梅干しおにぎり
恋愛
私の感覚は間違っていなかった。貴方の格好良さは私にしか分からない。 過去の作品の加筆修正版です。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

処理中です...