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第一章 ヒロイン編

59.

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「カル……もう機嫌直して……ぇっ。耐えられませ………んんっ。」

「それで?リティ話の続きを話して。」

カルの手が私の太ももを触りながら話すなんて……とても耐えられそうにありませんわ。
何故このようなことに…話しよりも変な声が出てしまうではないですか。

「す………すみませ………ん。し………んっ…知らなかっ………たんです。」

太ももを触られ変な気持ちになりながら必死に話してるのをわかってるのに、触るのをやめてくれないカル。
際どいところまで触られ声が出ないようにすることの方が無理です。

「そうか?は知っていたようだが……。」

カルの機嫌が悪い理由の人の名前を言われてビクッと身体が反応するとそれが嫌だったのか

「俺以外の名前に反応するなんて悪い子だね。」

「ちっちが………う。んっ……そう……いう意味じゃ……なくて…。」

マシューリ様の名前を出してから太ももを触っていた手は私の胸元へと移動し気づけば首筋から胸元の半分がさらけ出されていた。
名前に反応したんじゃなくてカルが怒ってる原因の人の前が出て動揺したんですって言いたいんです。

「リティから昔聞いてはいたが、まさか相手がマシューリだとは嫉妬で狂いそうだ。」

「んっ……。」

私の頬に優しく触れながら唇に深いキスをしてくるカル。
クラリスお兄様………私の話でもカルはなかなか聞いてくれませんわ。
こうなってしまってはカルは感情が収まるまでやめてはくれないだろう。
カルの首に腕を回して抱きつき深いキスを受け入れた。



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「リティはカルティドに説明しただろうか。」

今回のことはリティは相手を知らなかったから悪くはないが相手が悪かった。

「マシューリ様のことですか?俺もチラッと話は聞いてましたがまさか相手がマシューリ様とは思ってもみませんでしたよ。」

「イグルスもリティから聞いていたのか。実はこの話は母上の兄弟が嫁がれている隣国だったからリティに母上が提案してきたことなんだ。幼かったリティに母国語や隣国の言葉の練習を兼ねていたんだが………。」

「そうだったんですね。リティは隣国の言葉も含め数他国語話せるからな。昔リティの勉強に付き合っていて俺まで何ヵ国語かは話せるようになりましたからね。今となってはありがたいですがね。この前の夜会のことは広がってはないですが、あの場にはバカ兄もパートナーとして親が反対してましたが無視をしてサラリー・モーリス男爵令嬢といましたから………もしかしたら漏れてる可能性がありますね。」

母上や父上のことだ。リティを他国に嫁がせる目的だったわけではないだろう。
叔母のいる隣国に遊びに行けるようにと軽いノリだったに違いない。
それがまさかあんなことになるとは夢にも思わなかっただろう。

ブレーリは口が軽いからな。。」

「まぁ、もし広まっていれば俺の親ブレーリ公爵夫妻も動くとは思いますがね。この前の件でバカ兄はかなり絞られてましたからね。今は警告からの沈黙、次は容赦はしないでしょう。」

「そうか。あいつも公爵令息としてのプライドが高いもんな。自滅しなければいいが。」

「どうでしょうね。俺は自滅してもらっても構いませんがね。どのみちいずれ公爵家を次ぐのは俺になるでしょうから。」

自信満々に長男から跡継ぎを奪う宣言をしたイグルスだが自信に道溢れている。
兄を見切ったのか………あるいはあの件のことでブレーリ公爵が見切ったのか………今はわからないが俺もイグルスが次の公爵に相応しいに納得だな。
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