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第一章 ヒロイン編
79.
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「リティは知ってるのか?」
俺の顔を伺うように見てきたクラリスに笑みを浮かべながら
「リティは何も知らない。リティは知らなくていい。」
「そうだな、リティは知らなくていい。世の中は残酷だよ。………いや、カルティドが残酷なのか。」
「人聞きの悪い言い方だな。」
「イークス侯爵元夫人にモーリス男爵元夫人………それにシスト・イークス令嬢の悲惨な末路の噂話が出回ってる。」
「ははっ。判決からまだ半月しか立ってないのに貴族の噂話は早いな。」
ニヤリと笑いながらクラリスを見ている俺を見て確信したみたいだな。
ハァ~とため息をつきながら
「容赦ないからな~カルティドは。裁判の判決だけでも結構堪えてたはずだが追い討ちをかけるとは……。」
「俺がしなかったらクラリスがやってただろ?」
「ははっ、確かに。」
クラリスも今回内心相当怒っていたんだろう、笑顔だが目は笑ってなく標的を射る目をしている。
「それに、侯爵に少し情報を渡しただけだ。元々愛妻家の侯爵は裏切られたことを許せずどんな判決になろうが離縁しただろう。実際、大っぴらにしてなかっただけで裁判には来ていたが判決を聞く時点で既に離縁していた。」
「侯爵から愛されていたイークス侯爵元夫人は離縁されると思わなかったんだろう。あの温厚な侯爵が怒鳴り声で罵倒したらしいぞ『淫乱』と。」
「侯爵夫人になれたんだ、普通にしていれば幸せな暮らしが出来ただろうが自業自得だろ。それに若い頃からあまりいい噂を聞かなかったモーリス男爵元夫人と仲良くなったのが災いだったな。そっちには何もしてないぞ、自ら自爆しただけだ。」
「ああ、モーリス男爵元夫人にしても男爵も悪い噂が耐えなかったからな。この件がなくても親子共々何処かで爵位剥奪か捕まるか………だっただろう。今回表沙汰になってなかったが、シスト・イークス令嬢も関わってたこと………「ああ、リティを陥れる為にララ・サルコーに情報を売っていたやつか。」
「さすが調べ尽くしてるな。そうだ、シスト・イークス令嬢をあんなに溺愛されていた侯爵が縁を切る勢い涙を流しながら、絶縁して平民に下るか遠縁の後妻になるか条件を突きつけたそうだ。あのプライドが高いシスト・イークス令嬢は侯爵に泣きついたらしいが冷酷に突き放したようだ。よほどお前の渡した資料が堪えたんだろう。それでシスト・イークス令嬢の行く末はわかってるだろ?」
「後妻になったんだな。シスト・イークス令嬢の性格から平民になることは出来ないだろう。後妻にしてもあのプライドからしたらこの上なく屈辱的だったに違いない。俺の妻の座を狙ってリティを排除したかったらしいが……はっ、俺がわからないとでも思ってたのかそんな女願い下げだ。」
「ははっ、リティに絡んだ奴らが自ら自爆もしくは罪な行いをしてくれたお陰で排除できた。今この上なく安堵してるよ。」
俺の膝枕で寝ているリティの髪に触れながら『リティは知らなくていいこと』を談笑する。
「俺はずっとここにいてもいいんだが、後少ししかない水入らずの家族の時間だからな。次はリティが家にいても問題ないようにしよう。」
俺の顔を伺うように見てきたクラリスに笑みを浮かべながら
「リティは何も知らない。リティは知らなくていい。」
「そうだな、リティは知らなくていい。世の中は残酷だよ。………いや、カルティドが残酷なのか。」
「人聞きの悪い言い方だな。」
「イークス侯爵元夫人にモーリス男爵元夫人………それにシスト・イークス令嬢の悲惨な末路の噂話が出回ってる。」
「ははっ。判決からまだ半月しか立ってないのに貴族の噂話は早いな。」
ニヤリと笑いながらクラリスを見ている俺を見て確信したみたいだな。
ハァ~とため息をつきながら
「容赦ないからな~カルティドは。裁判の判決だけでも結構堪えてたはずだが追い討ちをかけるとは……。」
「俺がしなかったらクラリスがやってただろ?」
「ははっ、確かに。」
クラリスも今回内心相当怒っていたんだろう、笑顔だが目は笑ってなく標的を射る目をしている。
「それに、侯爵に少し情報を渡しただけだ。元々愛妻家の侯爵は裏切られたことを許せずどんな判決になろうが離縁しただろう。実際、大っぴらにしてなかっただけで裁判には来ていたが判決を聞く時点で既に離縁していた。」
「侯爵から愛されていたイークス侯爵元夫人は離縁されると思わなかったんだろう。あの温厚な侯爵が怒鳴り声で罵倒したらしいぞ『淫乱』と。」
「侯爵夫人になれたんだ、普通にしていれば幸せな暮らしが出来ただろうが自業自得だろ。それに若い頃からあまりいい噂を聞かなかったモーリス男爵元夫人と仲良くなったのが災いだったな。そっちには何もしてないぞ、自ら自爆しただけだ。」
「ああ、モーリス男爵元夫人にしても男爵も悪い噂が耐えなかったからな。この件がなくても親子共々何処かで爵位剥奪か捕まるか………だっただろう。今回表沙汰になってなかったが、シスト・イークス令嬢も関わってたこと………「ああ、リティを陥れる為にララ・サルコーに情報を売っていたやつか。」
「さすが調べ尽くしてるな。そうだ、シスト・イークス令嬢をあんなに溺愛されていた侯爵が縁を切る勢い涙を流しながら、絶縁して平民に下るか遠縁の後妻になるか条件を突きつけたそうだ。あのプライドが高いシスト・イークス令嬢は侯爵に泣きついたらしいが冷酷に突き放したようだ。よほどお前の渡した資料が堪えたんだろう。それでシスト・イークス令嬢の行く末はわかってるだろ?」
「後妻になったんだな。シスト・イークス令嬢の性格から平民になることは出来ないだろう。後妻にしてもあのプライドからしたらこの上なく屈辱的だったに違いない。俺の妻の座を狙ってリティを排除したかったらしいが……はっ、俺がわからないとでも思ってたのかそんな女願い下げだ。」
「ははっ、リティに絡んだ奴らが自ら自爆もしくは罪な行いをしてくれたお陰で排除できた。今この上なく安堵してるよ。」
俺の膝枕で寝ているリティの髪に触れながら『リティは知らなくていいこと』を談笑する。
「俺はずっとここにいてもいいんだが、後少ししかない水入らずの家族の時間だからな。次はリティが家にいても問題ないようにしよう。」
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