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第二章 ダルニア王国編
14.
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痛みよりも暖かいものに包まれ大好きな声が聞こえてきた。
「間に合ってよかった、リティ。」
「カル助けに来てくれてありがとう。」
顔を上げてカルの顔を見つめて伝えるとだんだんと険しくなっていく。
えっ!?どうしたのかしら??
ケリウナ元公爵令嬢の方は持っていたナイフをクラリスお兄様に取り上げられ床に伏せっています。
もう暴走することはなさそうだと思いとふぅ~とため息をつくと口の中が血の味がすることに気づいた。
ああ、殴られたときに口の中が切れたのね。
私も蹴ってしまったからお互い様………かしら。
「俺のリティをよくも殴ってくれたなぁ。覚悟は出来てんだろうなぁぁぁ。」
めちゃくちゃにカルが怒鳴ってます。
こんなカルは初めてみるかもしれないわ。
そんなに頬が腫れてるんですね………痛いとは思ってましたが、カルがここまでキレるくらいとか私の顔ヤバそうです。
「私は大丈夫ですわ。私も抵抗しましたからお互い様ということ………で…………。」
カルを押さえないと暴走してしまいそうだったから言いたかったのに力が抜けていき、名前を呼ばれてる気がしたが意識が遠くなっていった。
「リティ?リティ!?」
「安心したから気を失ったのだろう。カルティドや俺が来るまで耐えて抵抗してたようだしな。」
クラリスもリティの有り様をみて怒りを露にしている。
俺の腕の中で安堵したリティが愛おしくて、痛々しく腫れ上がっている頬を見ると怒りが込み上げてくる。
「ケリウナ元公爵令嬢、素直に修道院へ行くべきだったんだ。そうすれば命だけは繋げただろう……俺の大切な人に手を出したんだ。それなりの地獄を味わってもらおう。修道院なんて生ぬるいところに行けると思うな。」
「たっ助けてください。私はただファシリック公爵令嬢よりも容姿に立場に上だとわからせたかっただけですわ。まだ死にたくありませんわ。」
「はっ。リティより全てに劣っているお前がよく言うな。」
「わっ私を試したらそんなこと言えなくなりますわ。」
「誰がお前なんかを……わかった。そんなに死ぬのが嫌なら処刑なんて一瞬で終わる苦しみよりも生き地獄を味わわせてやる。これからの生き方を自分で選択しろ。」
「では、カルティド殿下の妾に「何もわかっていないな。リティを傷つけて今ここで殺したい気持ちを押さえてるんだ、あまり刺激するなよ。」
さすがに唇を噛みながら黙ったな。
この女は自分が一番だと疑っていない。
何言っても自分のプライドが許さないんだろう。
「お前の選択肢は罪人の強制労働で一生働くか罪人の娼館行きかのどちらかだ。」
「私が………。」
言葉にならないか。
公爵令嬢としての振る舞いからして横暴さがにじみ出ていた。かなり甘やかされてたんだろう。
だか、リティに絡んでしまったからには容赦しない。
「さて、選んでもらおう。どちらにしてもお前には酷な環境が待っているが。」
「間に合ってよかった、リティ。」
「カル助けに来てくれてありがとう。」
顔を上げてカルの顔を見つめて伝えるとだんだんと険しくなっていく。
えっ!?どうしたのかしら??
ケリウナ元公爵令嬢の方は持っていたナイフをクラリスお兄様に取り上げられ床に伏せっています。
もう暴走することはなさそうだと思いとふぅ~とため息をつくと口の中が血の味がすることに気づいた。
ああ、殴られたときに口の中が切れたのね。
私も蹴ってしまったからお互い様………かしら。
「俺のリティをよくも殴ってくれたなぁ。覚悟は出来てんだろうなぁぁぁ。」
めちゃくちゃにカルが怒鳴ってます。
こんなカルは初めてみるかもしれないわ。
そんなに頬が腫れてるんですね………痛いとは思ってましたが、カルがここまでキレるくらいとか私の顔ヤバそうです。
「私は大丈夫ですわ。私も抵抗しましたからお互い様ということ………で…………。」
カルを押さえないと暴走してしまいそうだったから言いたかったのに力が抜けていき、名前を呼ばれてる気がしたが意識が遠くなっていった。
「リティ?リティ!?」
「安心したから気を失ったのだろう。カルティドや俺が来るまで耐えて抵抗してたようだしな。」
クラリスもリティの有り様をみて怒りを露にしている。
俺の腕の中で安堵したリティが愛おしくて、痛々しく腫れ上がっている頬を見ると怒りが込み上げてくる。
「ケリウナ元公爵令嬢、素直に修道院へ行くべきだったんだ。そうすれば命だけは繋げただろう……俺の大切な人に手を出したんだ。それなりの地獄を味わってもらおう。修道院なんて生ぬるいところに行けると思うな。」
「たっ助けてください。私はただファシリック公爵令嬢よりも容姿に立場に上だとわからせたかっただけですわ。まだ死にたくありませんわ。」
「はっ。リティより全てに劣っているお前がよく言うな。」
「わっ私を試したらそんなこと言えなくなりますわ。」
「誰がお前なんかを……わかった。そんなに死ぬのが嫌なら処刑なんて一瞬で終わる苦しみよりも生き地獄を味わわせてやる。これからの生き方を自分で選択しろ。」
「では、カルティド殿下の妾に「何もわかっていないな。リティを傷つけて今ここで殺したい気持ちを押さえてるんだ、あまり刺激するなよ。」
さすがに唇を噛みながら黙ったな。
この女は自分が一番だと疑っていない。
何言っても自分のプライドが許さないんだろう。
「お前の選択肢は罪人の強制労働で一生働くか罪人の娼館行きかのどちらかだ。」
「私が………。」
言葉にならないか。
公爵令嬢としての振る舞いからして横暴さがにじみ出ていた。かなり甘やかされてたんだろう。
だか、リティに絡んでしまったからには容赦しない。
「さて、選んでもらおう。どちらにしてもお前には酷な環境が待っているが。」
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