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第二章 ダルニア王国編
13.
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「はぁ………まさかこんなことになるなんて。みんなに心配をかけてしまいましたわ。」
ようやくなれてきた暗闇で見知らぬ天井を見ながら拘束されている手に力をいれてもびくともしない。
幸い、足を拘束されなかっただけありがたい。
天井近くの窓がオレンジ色をしていた………もう夕方なのかもしれない。
私の記憶ではまだお昼前だったから数時間気を失ってたんでしょうね。
ケリウナ公爵は、娘のケリウナ公爵令嬢の縁切りが条件で爵位剥奪、爵位降格は免れたそうです。
ケリウナ公爵は娘には甘い人だったみたいだけど仕事は真面目な人だったためと聞きましたわ。
苦渋の決断だったのかもしれませんね。
公爵家……に限らず貴族の領地持ちになると様々なものを背負ってますから。
当事者のケリウナ公爵令嬢は、公爵家より縁切りされ修道院行きが決まったそうです。
国王陛下が直属に処罰を伝えた時、その場にカルにクラリスお兄様、マシューもいたけれど「体調悪い私をケリウナ嬢と会わせたくない」とのカルの要望で見に行けなかった。
私に敵対心を燃やしていたことを考えると会わせたくないのはわかりましたが、体調が悪いのはカルのせいですよ。
クラリスお兄様やマシューにはとても言えないけど……あんなに求められたら起き上がれないのは目に見えてます。
ケリウナ元公爵令嬢はそのまま修道院送りになったと聞きましたが、何故か目の前にいるんですよね。
「ふふふ。ファシリック公爵令嬢はとても優しいのね……いや騙されやすくてこっちには都合がよかったわ。」
「お店の中に……いや、お店とグルだったと言っても良さそうですわね。」
「あそこのお店はケリウナ公爵家が投資していたの。あなたが事前に来ることがわかってたけどこんなに早く来てくれるなんてね。」
ここのお店につれてきた護衛もグルだったのね。
目の前のケリウナ元公爵令嬢を見ながら修道院へ行く途中で脱走でもしたんだろうな。
「修道院はどうされたのですか?」
「はっ、修道院へ行くくらいなら死んだ方がましよ。私が本当は王妃になるはずだったのに………お前のせいで全て台無しよ。カルティド殿下やマシューリ殿下に気に入られてる綺麗な顔から傷物にしてあげるわ。」
顔からとか本当にわたしのことがきらいなんでしょうね。
カルから貰ったネックレスが反応してないところをみると関知されにくい場所??
カルが助けに来てくれるまで大人しく待っているなんて嫌です。
バチンっと頬を叩かれたので、頬の痛みの倍返しのつもりで顔を………ではなく腕を蹴りつけた。
ドレスで私が起き上がっていたことがわからなかったんだろう、見事に一発入れられたわ。
「なっ………いたっーーー。何してくれるのよ!!」
「私を拘束したいならしっかり手だけでなく足も縛らなくては駄目ですわ。それに叩かれると痛いですのよ。」
前の誘拐事件以来、ファシリック公爵家で護身術を密かに身に付けていた。
そうしないとカルの反動が凄まじく怖いからだ。
前みたいな卑猥な誘拐じゃなさそうだからまだマシだろう。
「こっ公爵令嬢がこんな動きしませんわ。」
「あら、ご存じではないの?うちファシリック公爵家は武道も嗜みますの。私よりも遥かに家族の方が強いですが私もそこらの騎士よりは強くなりましたわ。ふふ。」
「そっそっそそそんなの聞いてないわ。でっでも手は拘束されてるからまだ私の方が優勢だわ。」
青ざめた顔をしているがまだ諦めてないと私の頬を叩き出す。
叩かれる度にジーンと頬が熱をもって腫れていくのがわかる。
手を後ろで拘束されてるから避けようがない。
もう一発蹴りを入れたいが無我夢中で頬を叩いてくるから体制が整わない。
「はぁはぁはぁ、これで終わりよ。」
何処からかナイフを取り出して私に振り下ろしてきた。
ようやくなれてきた暗闇で見知らぬ天井を見ながら拘束されている手に力をいれてもびくともしない。
幸い、足を拘束されなかっただけありがたい。
天井近くの窓がオレンジ色をしていた………もう夕方なのかもしれない。
私の記憶ではまだお昼前だったから数時間気を失ってたんでしょうね。
ケリウナ公爵は、娘のケリウナ公爵令嬢の縁切りが条件で爵位剥奪、爵位降格は免れたそうです。
ケリウナ公爵は娘には甘い人だったみたいだけど仕事は真面目な人だったためと聞きましたわ。
苦渋の決断だったのかもしれませんね。
公爵家……に限らず貴族の領地持ちになると様々なものを背負ってますから。
当事者のケリウナ公爵令嬢は、公爵家より縁切りされ修道院行きが決まったそうです。
国王陛下が直属に処罰を伝えた時、その場にカルにクラリスお兄様、マシューもいたけれど「体調悪い私をケリウナ嬢と会わせたくない」とのカルの要望で見に行けなかった。
私に敵対心を燃やしていたことを考えると会わせたくないのはわかりましたが、体調が悪いのはカルのせいですよ。
クラリスお兄様やマシューにはとても言えないけど……あんなに求められたら起き上がれないのは目に見えてます。
ケリウナ元公爵令嬢はそのまま修道院送りになったと聞きましたが、何故か目の前にいるんですよね。
「ふふふ。ファシリック公爵令嬢はとても優しいのね……いや騙されやすくてこっちには都合がよかったわ。」
「お店の中に……いや、お店とグルだったと言っても良さそうですわね。」
「あそこのお店はケリウナ公爵家が投資していたの。あなたが事前に来ることがわかってたけどこんなに早く来てくれるなんてね。」
ここのお店につれてきた護衛もグルだったのね。
目の前のケリウナ元公爵令嬢を見ながら修道院へ行く途中で脱走でもしたんだろうな。
「修道院はどうされたのですか?」
「はっ、修道院へ行くくらいなら死んだ方がましよ。私が本当は王妃になるはずだったのに………お前のせいで全て台無しよ。カルティド殿下やマシューリ殿下に気に入られてる綺麗な顔から傷物にしてあげるわ。」
顔からとか本当にわたしのことがきらいなんでしょうね。
カルから貰ったネックレスが反応してないところをみると関知されにくい場所??
カルが助けに来てくれるまで大人しく待っているなんて嫌です。
バチンっと頬を叩かれたので、頬の痛みの倍返しのつもりで顔を………ではなく腕を蹴りつけた。
ドレスで私が起き上がっていたことがわからなかったんだろう、見事に一発入れられたわ。
「なっ………いたっーーー。何してくれるのよ!!」
「私を拘束したいならしっかり手だけでなく足も縛らなくては駄目ですわ。それに叩かれると痛いですのよ。」
前の誘拐事件以来、ファシリック公爵家で護身術を密かに身に付けていた。
そうしないとカルの反動が凄まじく怖いからだ。
前みたいな卑猥な誘拐じゃなさそうだからまだマシだろう。
「こっ公爵令嬢がこんな動きしませんわ。」
「あら、ご存じではないの?うちファシリック公爵家は武道も嗜みますの。私よりも遥かに家族の方が強いですが私もそこらの騎士よりは強くなりましたわ。ふふ。」
「そっそっそそそんなの聞いてないわ。でっでも手は拘束されてるからまだ私の方が優勢だわ。」
青ざめた顔をしているがまだ諦めてないと私の頬を叩き出す。
叩かれる度にジーンと頬が熱をもって腫れていくのがわかる。
手を後ろで拘束されてるから避けようがない。
もう一発蹴りを入れたいが無我夢中で頬を叩いてくるから体制が整わない。
「はぁはぁはぁ、これで終わりよ。」
何処からかナイフを取り出して私に振り下ろしてきた。
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