お兄様が攻略対象者で妹のモブ令嬢のはずですが、攻略対象者が近づいてきて溺愛がとまりません。

MAYY

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第二章 ダルニア王国編

12.

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「どうしてですのお父様。私が何故部屋に謹慎されなければならないのです?」

「まだわからんのか?マシューリ殿下だけでなく隣国のカルティド殿下さらに婚約者であるファシリック公爵令嬢にも不敬を働いたこれだけで重罪だ。なんだ。これから王家からの通達があるまで黙っていろ。」

初めてお父様に怒鳴られましたわ。
こんな余裕のないお父様は初めてですわ。

「マシューリ殿下もカルティド殿下も私のことを気にかけていらしたのにファシリック公爵令嬢がいる手前あんな風に突き放した言い方をしたまでですわ。」

「お前は…………何故ここまで常識知らずに育ったんだ。いずれ皇太子妃に推すために教育してきたというのに………。いいか?お前は間違っているんだ。お前には言ってなかったが、夜会や学園で醜態をマシューリ殿下にさらした時は必ず王城から抗議が来ていたんだ。」

哀れんだ瞳で私を見ながらお父様が言ったことに衝撃を受けた。
抗議??愛の囁きではなくて?

「それにな、隣国のカルティド殿下はファシリック公爵令嬢を溺愛している話は有名でファシリック公爵令嬢絡みになると温厚なカルティド殿下は恐れられている。しかもファシリック公爵家は王家に匹敵する地位で普通の公爵家ではない。敵に回すと没落どころかと囁かれてるほどだ。そこのご令嬢にお前は堂々と喧嘩をうったんだ。わかるか?」

何もかも知らなかったわ。
状況が読めてきて身体が震えはじめた。

「お前の妄想でこの家は没落を迎える覚悟をしなければならない。育てた私にも責任はあるが………まさか娘に没落させられるとはな。」

これから先どんなことが起こるのか考えるだけで目の前が真っ暗になった。
私はどうなるのかしら………。



ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



「ねっ、お願いだから穏便にすませてね。」

つい令嬢の言葉を忘れて三人に投げ掛けた。
王宮に戻ってから三人とも難しい顔を………怒りを滲ませた表情をしてるから言わずにはいられなかった。

「リティは優しいね。俺もここまで怒りに満たされたのは久し振りだ。」
「私はカルを信じてるからケリウナ公爵令嬢に言われたことは気にしてないよ?」

「リティは見ているだけでいい。ファシリック公爵家に喧嘩をうられたんだ、受けてたつ。」
「いやいやいや、クラリスお兄様落ち着いて。ファシリック家をだしてしまうと隣国との戦争になってしまうから穏便にいったほうが私はいいです。」

「みんな申し訳なかった。俺がもっと忠告をしていればこんなことにはならなかったのに………何度拒絶しても向かってくるケリウナ公爵令嬢をめんどくさ……蔑ろにしてたからこんなことに………。」
「マシュー心の声が漏れてる漏れてる。私が少し拝見しただけでも話が通じなかったから元々そういう人なのかも………ね。」

とりあえずマシューが国王陛下に伝え、私を除いた三人も含め話し合いが行われケリウナ公爵令嬢の処遇が決まった。
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