余命宣告を受けた暗黒令嬢は一途な想いを貫く

MAYY

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「ではマリヌス国王はプリット・アニョテス公爵令嬢を押すと言うことね?」

「はい、母上。神聖力も含めて身分も申し分ないので。不服でしょうか?」

ふぅ、、確かに神聖力があるのは素晴らしいことだわ。
でも、あの娘は野心を隠し持ってるのがひしひしと伝わってくるのよね。
国王と言えど息子ながら女を見る目がないのかしら?

「そうね……皇后はどうお考えかしら?」

「皇太后様……私は皇后の立場からすれば国王に賛成ですわ。ただ………「女としては?」

「はっはい、女としての目線ですとプリット・アニョテス公爵令嬢よりもラニア・アニョテス公爵令嬢の方をおすすめしますわ。」

「あら?良くわかってるじゃない。さすが皇后ね。そうね……今の意見を聞いてアーティスはどう思った?」

「はい、おばあ様。私は婚約者にはラニア・アニョテス公爵令嬢を押します。」

ふふ。国王よりも優秀ね。

「アーティス、神聖力は国にとっても重要人物なんだ。他国ましてや他の貴族に嫁がれては王家が危ぶまれるかもしれない。それにラニア・アニョテス公爵令嬢の人柄に問題ないとしても暗黒の魔力だ。国民にも噂はもう流れてるだろう。暗黒の魔力に不信を抱いてる者も中に出てくる可能性もある。そんな令嬢を皇太子妃には到底できない。」

マリヌスは国を思ってのことだと理解できるし、野心を隠し持ってる令嬢ほど危険人物はいないわ。

「マリヌスが言うことも一理あるわ。ノクスはどう思う?」

「マリヌス兄上は国を思ってのことだと重々承知できる。国民あってこその国だからな。ただ、プリット嬢が野心を持っていることをマリヌス兄上も気づいてるだろ?神聖力があることを前提にしても皇太子妃にするのは後々危険すぎる。ラニアは本当に淑女としても完璧で勉学も知識豊富で現段階で既に官僚並みだろう。暗黒の魔力は計り知れない力なのかもしれないが、この国一の魔力量を持っている俺が側にいれば問題ない。ってことでラニアを俺の婚約者にしたいがいいか?」

ふふ。アーティスがラニアを欲しがっているとわかって動いたわね。
お茶会でラニア令嬢を呼ぶと必ず何処から聞き付けたのかノクスが現れるし、アーティスも度々現れてたのよね。
私から見たら二人ともわかりやすかったもの。

「それでは、ノクスもアーティスもラニア令嬢を婚約者にしたいのね?」

「「はい」」

私から見ればラニア令嬢の気持ちは分かってるんだけど、ラニア令嬢はどちらを選ぶのかしら。
ノクスもマリヌスと離れた兄弟で兄である子供と2歳差。
ラニア令嬢とも2歳差くらいは許容範囲内だもの。

「ノクスが言うように慎重にならないと駄目だな。だが、プリット嬢を王家以外に嫁がせるわけにはいかん。」

「なら、プリット令嬢を皇太子妃候補者にして縛ってはどうかしら?あの子なら候補者と付いてても皇太子妃の言葉で喜んで受け入れるはずよ。候補者には誰も婚姻の申し込みが出来ないわ。」

「私はプリット公爵令嬢が苦手です。いつもギラギラした目で近づいてくるんだ……ラニア公爵令嬢はいつも優しく微笑んでくれて癒される……双子とは思えないほど違うんだ。」

最後は共感するわ。
双子なのにここまで違うのは怖いわね。王家に入れたくないわ。
アーティス苦手意識持ってしまってるじゃない。

「ラニア嬢本人に私からさりげなく聞いてみるわ。そうね、プリット嬢も一度話してみましょう。皇后、一緒に付き合ってくださる?」

「承知しました。」

前のめりに即答ね……アーティスの婚約者を決めるからか気になっているのね。

「また結果報告は皆に致しますわ。」
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