双甲伝2-SOUKOUDEN2-

野口てんぐ

文字の大きさ
11 / 25

第11章 影との接触

しおりを挟む
翌朝、三匹は村の北側の森へと向かった。
陽の光は柔らかく差し込むが、木々の影はまだ長く、警戒心を呼び起こす。

「慎重にな。奴らは森の中に潜んでる」
ポンの声に、マメは甲羅を握り締め、頷いた。
「ぼく……今度は見逃さない」

しばらく進むと、森の奥で小さな気配を感じた。
枝が擦れる音、葉の揺れる音――微かな違和感。
ミクが身を低くし、三匹に合図する。
「向こうだ。影がいる」

森の隙間から、再び兎とイタチの残党が現れる。
彼らは不意を突かれた様子もなく、冷静にこちらを観察していた。
「……奴らも警戒してる」
ポンが低く呟き、進路を調整する。

小さな戦闘が始まった。
ポンが前面で攻撃を受け止め、ミクが側面から奇襲。
マメも石や枝を使って敵の動きを妨害する。

「よし、このまま押す!」
ポンの号令で三匹は連携し、敵の一角を追い詰める。
しかし、兎とイタチは巧みに動き、すぐに後退。
「まだ手強い……!」
ミクが息を切らしながらも、笑みを浮かべる。
「でも、僕たちもだ!」

小競り合いの中で、三匹は敵の動きや弱点を観察する。
「次に備えれば、村を守れる」
マメの目には確かな決意の光が宿る。

森の中、風が木々を揺らす。
緊張と静寂の間に、次なる戦いの気配が漂っていた。

森の奥、北の山道で再び兎とイタチの残党が姿を現した。
「ここで食い止める!」
ポンが低く声を上げ、三匹は一斉に構えた。

戦いは激しく、枝や石、爪や牙が入り乱れる。
ポンは前面で敵の攻撃を受け止め、ミクは素早く背後から反撃。
マメも臆せず甲羅を盾にし、戦術を駆使して敵を翻弄する。

「今だ、連携攻撃!」
ポンの指示で三匹が同時に攻撃。
ミクがイタチの側面を突き、マメが背後から石を投げ、ポンが正面から強烈な突き。
敵は混乱し、ついに退却した。

森に静寂が戻る。
三匹は息を整え、互いの背中を見て頷く。
「やった……村は守れたな」
マメの声に、ポンも静かにうなずく。
「これで村はひとまず安全だ。だが、まだ終わりじゃない」


---

マメの村への旅立ち

戦いが終わり、村人たちが安堵する中、三匹は宿に戻った。
マメの瞳には、新たな決意が宿る。
「次は、ぼくの村に行くんだ……家族を、仲間を守るために」

ポンが微笑み、肩に手を置く。
「わかった。俺たちも一緒に行く」
ミクも頷き、軽く甲羅を叩く。
「俺たちの旅は、まだ終わらない」

ちょこたとゆきみは見送りながら、声をかけた。
「気をつけてね!マメの村まで無事に!」
「必ず帰って来てね!」

三匹は新たな目的を胸に、モルモット村を後にする。
北の山道を抜け、遠くの地平線に目を向ける――
そこには、マメの村と新たな試練が待っていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

織田信長 -尾州払暁-

藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。 守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。 織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。 そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。 毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。 スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2022.04.04) ※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。 ※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...