双甲伝2-SOUKOUDEN2-

野口てんぐ

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第14章 村での作戦会議

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夜。マメの村の集会所には、灯された松明の火がゆらゆらと揺れていた。
村人たちと、ポン、ミク、マメの三匹が輪になって座っている。
その顔には緊張と不安が混ざり合っていた。

「敵は、イタチの玄牙と兎の月影……。厄介な二人が手を組んだ」
ポンが口を開いた。
「正面からの戦いでは数で負ける。だが、この村を守るのは俺たちの役目だ」

ミクは地面に木の枝で簡単な地図を描く。
「村の周囲は森と小川に囲まれてる。狭い道がいくつかあるから、そこを利用すれば大軍でも足止めできる」

マメが続けた。
「村のみんなには、小川沿いに避難できるよう準備してほしい。僕たちが戦うのは、村を守るためであって、犠牲を出すためじゃない」

その言葉に、村人たちは力強く頷いた。
長老が深く息をつきながら言う。
「……マメ、お前はもう立派な戦士だ。村の子供だった頃とは違う。皆、お前を信じておる」

マメは顔を赤らめ、それでも真剣に答えた。
「ありがとう。でも、僕一人じゃ無理だ。ポンとミクがいてくれるから……僕は戦える」

ポンとミクは顔を見合わせ、にやりと笑った。
「当然だ。俺たちは仲間だからな」
「最後まで一緒に行こうぜ」

会議が終わり、皆が散った後。
三匹だけが外に出て、夜空を見上げた。
星が静かに瞬いている。

「……きっと来るよね、玄牙と月影」
マメが呟く。
ポンは拳を握りしめ、低く答えた。
「ああ。だが負けるわけにはいかない」
ミクも笑って付け加えた。
「星に誓おう。俺たちで、この村を守るってな」

三匹は黙って星を見上げた。
夜風は冷たいが、その胸には確かな火が宿っていた。

翌日――空が茜色に染まる頃、森の奥から不気味なざわめきが広がった。
鳥たちが一斉に飛び立ち、森を駆け抜ける風に混じって聞こえるのは、甲高い笑い声と、地を蹴る無数の足音。

「来た……!」
村の見張りが叫ぶ。

マメは甲羅を締め直し、前に出た。
「みんな、落ち着いて! 避難の準備を!」

ポンとミクは武器を握り、村の入口へ駆け出す。
やがて、木々の間から黒い波のように現れたのは――イタチと兎の混成軍。

その先頭に立つのは、二つの影。
 
「甲羅ども……覚悟は出来たのか?」
冷たい声が森に響いた。
漆黒の毛並み、鋭い牙――玄牙。

隣に立つのは白銀の毛を持つ兎。
その目は炎のように燃え、口からは恨みの言葉が漏れる。
「ポン、ミク……そしてマメ。お前たちが夜白を堕とした。その報いを、ここで受けてもらう!」
月影が吠えると、兎たちが一斉に鬨の声を上げた。

村の空気が震え、村人たちの顔から血の気が引く。
だがポンは一歩も退かずに立ち、声を張り上げた。
「ここは俺たちの仲間の村だ! 好きにはさせない!」

ミクも続ける。
「数で勝ってるからって舐めるなよ。狭い森道じゃ、俺たちの方が有利なんだ!」

マメは深く息を吸い、全身で叫んだ。
「この村は、絶対に渡さない!」

その瞬間、玄牙が片腕を振り下ろした。
「進め!」

イタチと兎の混成軍が、怒涛の勢いで村へとなだれ込む。
地面が揺れ、枝が折れ、叫び声が響き渡る。

決戦が始まった。


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