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17話
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深い海の底からゆっくりと浮上するように、虎太郎は意識を取り戻した。
身体中に錆が付いているかのように重く感じ、何故そんな事になっているのか、記憶を呼び覚ますのにそう時間は掛からなかった。
ああ‥自分はなんてことを‥‥また同じ過ちを‥。
ゆっくりと目を開くと、虎太郎はベッドに一人寝かされていた。
自分はどれくらい意識を無くしていたのだろう‥カーテンの隙間から、明るい日差しが差しているのを見ると、どうやら夜は明けている様だった。
重い体に力を入れ起き上がると、腰と強引に広げられた尻の間に痛みが走る。
「‥‥っ‥ぅ‥」
掛けられた布団を剥ぐと、肌は拭かれサラリと綺麗になっていたが、身体中に付けられた赤い吸い痕が、自分の過ちを物語っている様だった。
虎太郎はゆっくりと立ち上がり、部屋のドアを開ける。
何も身に着けていない状態で恥ずかしくもあったが、一刻も早くこの場から逃げ出したかった。
ドアを開くと、そこはリビングでソファに汰久がゆったりと腰かけていた。
カチャリとドアが開く音で振り向いた汰久は、虎太郎を見てニコリと微笑む。
「おはよう‥虎太郎」
「‥‥‥‥」
虎太郎は、返事を返すことなくソファに掛けられている自分の服へと真っすぐに向かい、無言のまま身に着ける。
「だんまり?昨日は良かったよね‥久しぶりの虎太郎の身体、ヒクヒクして可愛かっ‥‥」
「黙れ!!」
汰久の言葉を遮るように叫ぶと、怒りで我を忘れそうになる。
ジッと虎太郎を見ている汰久の瞳に欲情を見つけ、虎太郎はジンと身体の奥が熱くなるのを感じた。
「ふふっ‥赤くなっちゃって‥そんなに良かった?」
汰久はそう言うと、ゆっくりと立ち上がり虎太郎の身体を抱き寄せる。
先程の怒りが悲しみに代わるのに、そう時間も掛からない。
「‥‥もう‥やめてくれ‥」
か細い声に汰久は逃すまいと更に力を込めた。
「‥‥どうして?虎太郎も気持ちよかったでしょ?なんで、それを否定するの?」
腕の中にいる虎太郎がビクッと反応する。
真っ赤な耳が僅かに見え、汰久は更に言葉を重ねる。
「‥やっぱりお前は才能があるよ‥ふふっ‥後ろだけでイケる人は、なかなか居ないよ‥」
「言うな!」
「どうして?恥ずかしい?」
汰久はどうしても答えが欲しいのか、虎太郎に問い続ける。
「も‥もうやめてくれ‥お願いだ‥‥」
声が震え虎太郎と触れている部分が、しっとりと濡れてくる。
「ごめんね。やめれない‥」
汰久の言葉に、虎太郎は両手で力いっぱい汰久を身体を押した。
汰久の表情が一気に冷たいものへと変わっていく。
「僕は、お前の玩具じゃない!!」
大きく見開いた瞳に涙を堪え、必死に抵抗してくる虎太郎の事を、汰久は冷静に見つめていた。
あの時と同じだ。
あの時も、抵抗していたのは初めだけで、すぐに自分にしがみ付き一緒に快楽の中へと身を投じていたのに‥。
だから、自分の思いが通じ受け入れられたと感じていたのに、どうして目の前の男は、それを拒否するのか分からない。
玩具だなんて思った事は一度もない。
汰久の心の中に、言葉に出来ない感情が溢れてくる。
「‥俺じゃ‥ダメなの?」
冷たい瞳の中に、少しの揺らぎが見えたが、虎太郎は気が付かない振りをする。
「そっか、分かったよ」
汰久の沈んだ声に、虎太郎の胸の奥がキュッと掴まれたように痛みを発する。
その痛みを振り払うかのように、頭を大きく振ると、再びシャツのボタンを留め始める。
「もう、やめるよ‥」
その言葉に、虎太郎はハッと汰久を見つめる。
「クックッ‥虎太郎、お前さ、考えてることがまるわかり。クックッ‥残念だったね。お前の心を手に入れるのは、もう止める‥」
心の中を見透かされたような感覚になり、虎太郎は目の前の何を考えているのか分からない、かつての親友を見つめている。
「‥‥お前の身体だけでいいよ」
汰久はそう言うと、その言葉を理解できぬまま呆然としている虎太郎の身体をもう一度引き寄せると、荒々しく唇を重ねた。
「‥んっ‥‥ぅ‥」
「ほら、どうするの?キスする時は‥?口を開けろ!」
その言葉と共に、更に深く唇を奪われる。
汰久の胸をドンドンと叩き、身体を引き離そうとするが、力づくで握られている腕を離すことが出来ない。
先程、着たばかりのシャツの隙間から、汰久は手を滑るように入れると、すべやかな肌を撫でまわす。
「‥んっ‥‥やぁ‥」
快楽を覚えた身体に再び火がつくのは簡単で、胸の突起に触れられた瞬間、虎太郎の身体にビリビリと稲妻が走ったように、言い表せぬ欲情が走り抜け、カクンと力が抜けた。
「クックッ‥もう、離さないよ‥虎太郎」
耳元で囁きながら持ち上げられた身体は、先程出てきたばかりの寝室へと運ばれていく。
‥‥ああ、もう逃げられない‥また、囚われてしまう‥‥。
頭の片隅に虎太郎の最後の抵抗が残っていたのは、僅かな時間だけだった。
身体中に錆が付いているかのように重く感じ、何故そんな事になっているのか、記憶を呼び覚ますのにそう時間は掛からなかった。
ああ‥自分はなんてことを‥‥また同じ過ちを‥。
ゆっくりと目を開くと、虎太郎はベッドに一人寝かされていた。
自分はどれくらい意識を無くしていたのだろう‥カーテンの隙間から、明るい日差しが差しているのを見ると、どうやら夜は明けている様だった。
重い体に力を入れ起き上がると、腰と強引に広げられた尻の間に痛みが走る。
「‥‥っ‥ぅ‥」
掛けられた布団を剥ぐと、肌は拭かれサラリと綺麗になっていたが、身体中に付けられた赤い吸い痕が、自分の過ちを物語っている様だった。
虎太郎はゆっくりと立ち上がり、部屋のドアを開ける。
何も身に着けていない状態で恥ずかしくもあったが、一刻も早くこの場から逃げ出したかった。
ドアを開くと、そこはリビングでソファに汰久がゆったりと腰かけていた。
カチャリとドアが開く音で振り向いた汰久は、虎太郎を見てニコリと微笑む。
「おはよう‥虎太郎」
「‥‥‥‥」
虎太郎は、返事を返すことなくソファに掛けられている自分の服へと真っすぐに向かい、無言のまま身に着ける。
「だんまり?昨日は良かったよね‥久しぶりの虎太郎の身体、ヒクヒクして可愛かっ‥‥」
「黙れ!!」
汰久の言葉を遮るように叫ぶと、怒りで我を忘れそうになる。
ジッと虎太郎を見ている汰久の瞳に欲情を見つけ、虎太郎はジンと身体の奥が熱くなるのを感じた。
「ふふっ‥赤くなっちゃって‥そんなに良かった?」
汰久はそう言うと、ゆっくりと立ち上がり虎太郎の身体を抱き寄せる。
先程の怒りが悲しみに代わるのに、そう時間も掛からない。
「‥‥もう‥やめてくれ‥」
か細い声に汰久は逃すまいと更に力を込めた。
「‥‥どうして?虎太郎も気持ちよかったでしょ?なんで、それを否定するの?」
腕の中にいる虎太郎がビクッと反応する。
真っ赤な耳が僅かに見え、汰久は更に言葉を重ねる。
「‥やっぱりお前は才能があるよ‥ふふっ‥後ろだけでイケる人は、なかなか居ないよ‥」
「言うな!」
「どうして?恥ずかしい?」
汰久はどうしても答えが欲しいのか、虎太郎に問い続ける。
「も‥もうやめてくれ‥お願いだ‥‥」
声が震え虎太郎と触れている部分が、しっとりと濡れてくる。
「ごめんね。やめれない‥」
汰久の言葉に、虎太郎は両手で力いっぱい汰久を身体を押した。
汰久の表情が一気に冷たいものへと変わっていく。
「僕は、お前の玩具じゃない!!」
大きく見開いた瞳に涙を堪え、必死に抵抗してくる虎太郎の事を、汰久は冷静に見つめていた。
あの時と同じだ。
あの時も、抵抗していたのは初めだけで、すぐに自分にしがみ付き一緒に快楽の中へと身を投じていたのに‥。
だから、自分の思いが通じ受け入れられたと感じていたのに、どうして目の前の男は、それを拒否するのか分からない。
玩具だなんて思った事は一度もない。
汰久の心の中に、言葉に出来ない感情が溢れてくる。
「‥俺じゃ‥ダメなの?」
冷たい瞳の中に、少しの揺らぎが見えたが、虎太郎は気が付かない振りをする。
「そっか、分かったよ」
汰久の沈んだ声に、虎太郎の胸の奥がキュッと掴まれたように痛みを発する。
その痛みを振り払うかのように、頭を大きく振ると、再びシャツのボタンを留め始める。
「もう、やめるよ‥」
その言葉に、虎太郎はハッと汰久を見つめる。
「クックッ‥虎太郎、お前さ、考えてることがまるわかり。クックッ‥残念だったね。お前の心を手に入れるのは、もう止める‥」
心の中を見透かされたような感覚になり、虎太郎は目の前の何を考えているのか分からない、かつての親友を見つめている。
「‥‥お前の身体だけでいいよ」
汰久はそう言うと、その言葉を理解できぬまま呆然としている虎太郎の身体をもう一度引き寄せると、荒々しく唇を重ねた。
「‥んっ‥‥ぅ‥」
「ほら、どうするの?キスする時は‥?口を開けろ!」
その言葉と共に、更に深く唇を奪われる。
汰久の胸をドンドンと叩き、身体を引き離そうとするが、力づくで握られている腕を離すことが出来ない。
先程、着たばかりのシャツの隙間から、汰久は手を滑るように入れると、すべやかな肌を撫でまわす。
「‥んっ‥‥やぁ‥」
快楽を覚えた身体に再び火がつくのは簡単で、胸の突起に触れられた瞬間、虎太郎の身体にビリビリと稲妻が走ったように、言い表せぬ欲情が走り抜け、カクンと力が抜けた。
「クックッ‥もう、離さないよ‥虎太郎」
耳元で囁きながら持ち上げられた身体は、先程出てきたばかりの寝室へと運ばれていく。
‥‥ああ、もう逃げられない‥また、囚われてしまう‥‥。
頭の片隅に虎太郎の最後の抵抗が残っていたのは、僅かな時間だけだった。
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