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19話
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ふわふわとしていた。
身体が軽く宙に浮いているみたいだ。
ああ‥ここ知ってる‥この場所は安心だ‥このままずっとここに居たい。
そんな小さな幸せの中、虎太郎はゆっくりと目を開けた。
「‥えっ?」
目の前には、来栖がベッドサイドの椅子に腰かけ、自分を見つめていた。
「‥起きたか?」
優しく掛けられた言葉に、虎太郎の瞳に動揺の影が見えた。
「‥どうして‥」
その言葉を口にして、虎太郎は周りをキョロキョロと見渡す。
ここは来栖のマンションだと気が付くや否や、ガバッと身体を起した。
だが、急に起き上がる事が出来るほど、虎太郎の身体は普通ではなかった。
「‥‥うっ‥」
強烈なめまいを感じ、虎太郎は再びベッドへと沈み込む。
「‥おい!無理するな。お前、倒れたんだぞ!」
強い言葉に棘はなく、むしろ心配している声色に、虎太郎は申し訳なくなり来栖の顔を見た。
ゆっくりと記憶を辿ると、自分は来栖と一緒に食事に行こうと外に出た所までは覚えている。
「すみません‥僕」
眩暈が激しく目元を抑えようと手を伸ばすと、虎太郎は自分が着ている物がスーツでは無い事に気が付いた。
その瞬間、血の気が引き、頭の中が真っ白になっていく。
もしかして、自分の醜い身体を見られてしまったのだろうか‥いや、もしかしなくても、見られている。
「あっ‥あの‥‥僕‥‥」
言葉が出てこない。
何て話せばいいのか、何を話せばいいのか。
虎太郎の手が震え始める。
「若奈、大丈夫だ。きっと寝不足と栄養不足だ。待ってろ、おかゆを作ったから。食ってけ‥なっ‥」
来栖はそう言うと、寝室を出て行った。
何も聞いてこない来栖の優しさを感じる。
こんな優しい人に、自分は甘えていいのだろうか?
自分には優しくしてもらう資格さえないんじゃないのか、そう自問してみる。
来栖は、おかゆを温め直し部屋に戻ると、先程から呆然としている虎太郎の様子が心配で、頭がおかしくなりそうだった。
ベッド脇の小さなテーブルに小鍋を置くと、小皿に少しだけよそった。
卵入りのだしの効いたシンプルなおかゆだ。
横になっている虎太郎の身体を起そうと手を伸ばした。
「若奈、起きれるか?‥ほら、掴まれ」
声が届いているのかさえ分からない程の小さな頷きを返し、虎太郎は来栖の手を取る。
ゆっくりと起こし背に枕を当てると、座りやすく整えてやる。
よそった小皿とレンゲを虎太郎の手に渡した。
「ちょっと、熱いから気を付けろ‥」
そう言って渡されたおかゆを受け取ると、両手で包み込みジッと見つめている。
食べようか悩んでいるのか、それとも食欲がないのか‥不安な時間が過ぎる。
「‥少しでも食べてくれ」
そんな言葉が悲痛な声に聞こえてしまうのは、自分の耳がおかしくなってしまったからなのだろうか?虎太郎はそんな事を考え、自分の手の中にあるモノに視線を落とすが、どうしてもそれを口に運ぶことが出来なかった。
「‥ちょっとかして」
諦めたのか来栖が、虎太郎の手から小皿とレンゲを受け取る。
来栖は小皿からひと匙すくうと、フーフーとまるで子供に上げるように息を吹きかけ冷まし、虎太郎の口元へと運ぶ。
「‥‥はい、あ~ん」
その言葉に視線を送ると、目の前の来栖があ~んと口を開け、おかゆの乗った匙を構えていた。
その顔が、その瞳が堪らなく愛おしく思え、虎太郎は無意識に口を開いた。
口に入ってきた温かい優しい味は、久しぶりに美味しいと感じるものだった。
咀嚼して飲み込むと、次のおかゆを「あ~ん」と声を掛けられ口に入れられる。
まるで幼い自分に戻ったような感覚に、虎太郎は感情が揺さぶられる。
何口目かのおかゆを口に運んだ時、来栖は虎太郎の頬を涙が零れ落ちるのを見た。
慌ててティッシュを取り、涙を拭うと、ハッと驚いた表情を浮かべた虎太郎は、自分が涙を溢している事にも気が付かなかったのだろう。
そんな虎太郎の気持ちを考えると、自分の不甲斐なさに来栖は唇をキュッと結んだ。
静かな寝室には、虎太郎の咀嚼音と、来栖の優しい声しか聞こえず、ただこの時間がずっと続くと良いのに‥虎太郎はそんなありもしない事を願っていた。
小皿1杯食べると、それ以上は受け付けないように、虎太郎は首を横に振った。
本当なら作った鍋一杯は食べて欲しいところだが、無理強いするつもりはなく、来栖もすぐに引き下がった。
「‥じゃあ、また少し眠ってろ‥なっ‥」
再び虎太郎をベッドに横にさせると、布団を掛けてあげる。
その時、ハッと虎太郎が身を起した。
「来栖主任‥今!何時ですか?」
慌てた様に問いかける虎太郎の顔は緊迫の表情だった。
来栖がベッド脇の時計に目をやり時間を教える。
「えっ‥今、8時前だけど‥」
「すみません‥僕、もう帰らないと」
強張った顔で立ち上がろうとする虎太郎を、来栖は両手で引き留める。
「若奈。‥オイッ!‥若奈!」
来栖の腕を振り払い立ち上がると、まだ眩暈がするのか、その場にしゃがみこんでしまい、来栖は慌てて虎太郎の身体を支える。
「オイッ、無理するなって、まだ動いちゃダメだ」
支えている来栖の腕をギュッと握り、苦しそうな顔を向けてくる。
「‥‥だっ‥ダメです‥ダメなんです‥帰らないと」
あまりにも必死な様子に、来栖は一瞬圧倒される。
来栖の腕を押しのけると、再び虎太郎は立ち上がり、フラフラしている身体を自分の足で踏ん張り部屋を出る。
リビングに掛けてある自分のスーツを見つけると、虎太郎は何の躊躇いもなく服を脱ぎ始める。
慌てているのか、それとも一度見られていると分かって恥じらいがなくなったのか、来栖には分からないが、身体に残る傷を隠しもせずにスーツに着替える様子に、胸が痛くなる。
「ダメだ!行かせない!」
虎太郎の身体をギュッと抱き締める。
「‥‥っ‥来栖主任‥すみません‥僕は、行かないと困るんです」
「ダメだ。お前、誰かに脅されているのか?そうだろ?無理やり‥こんな事‥お前に、これ以上傷付いて欲しくない‥」
来栖の悲痛な言葉は、今の虎太郎には奥深くまで沁み込んでいく。
だけど、自分がここに居る訳にはいかなかった。
やんわりと来栖の腕を自分の身体から剥がすと、ジャケットを着た。
玄関に向かう虎太郎の事を、止めなくてはと思うのに、来栖はこれ以上、止める事が出来なかった。
「来栖主任‥ありがとうございました」
玄関先で振り返った虎太郎の瞳が、少し赤く染まっていたのは、どう理解すればいいのか来栖には分からず、コクンと頷きを返すだけで、虎太郎を見送ってしまった。
来栖はその場から動くことが出来ず、ずっと立ち尽くしていた。
自分に出来る事は、何もないのだろうか‥自分は、本当に無力だ。
身体が軽く宙に浮いているみたいだ。
ああ‥ここ知ってる‥この場所は安心だ‥このままずっとここに居たい。
そんな小さな幸せの中、虎太郎はゆっくりと目を開けた。
「‥えっ?」
目の前には、来栖がベッドサイドの椅子に腰かけ、自分を見つめていた。
「‥起きたか?」
優しく掛けられた言葉に、虎太郎の瞳に動揺の影が見えた。
「‥どうして‥」
その言葉を口にして、虎太郎は周りをキョロキョロと見渡す。
ここは来栖のマンションだと気が付くや否や、ガバッと身体を起した。
だが、急に起き上がる事が出来るほど、虎太郎の身体は普通ではなかった。
「‥‥うっ‥」
強烈なめまいを感じ、虎太郎は再びベッドへと沈み込む。
「‥おい!無理するな。お前、倒れたんだぞ!」
強い言葉に棘はなく、むしろ心配している声色に、虎太郎は申し訳なくなり来栖の顔を見た。
ゆっくりと記憶を辿ると、自分は来栖と一緒に食事に行こうと外に出た所までは覚えている。
「すみません‥僕」
眩暈が激しく目元を抑えようと手を伸ばすと、虎太郎は自分が着ている物がスーツでは無い事に気が付いた。
その瞬間、血の気が引き、頭の中が真っ白になっていく。
もしかして、自分の醜い身体を見られてしまったのだろうか‥いや、もしかしなくても、見られている。
「あっ‥あの‥‥僕‥‥」
言葉が出てこない。
何て話せばいいのか、何を話せばいいのか。
虎太郎の手が震え始める。
「若奈、大丈夫だ。きっと寝不足と栄養不足だ。待ってろ、おかゆを作ったから。食ってけ‥なっ‥」
来栖はそう言うと、寝室を出て行った。
何も聞いてこない来栖の優しさを感じる。
こんな優しい人に、自分は甘えていいのだろうか?
自分には優しくしてもらう資格さえないんじゃないのか、そう自問してみる。
来栖は、おかゆを温め直し部屋に戻ると、先程から呆然としている虎太郎の様子が心配で、頭がおかしくなりそうだった。
ベッド脇の小さなテーブルに小鍋を置くと、小皿に少しだけよそった。
卵入りのだしの効いたシンプルなおかゆだ。
横になっている虎太郎の身体を起そうと手を伸ばした。
「若奈、起きれるか?‥ほら、掴まれ」
声が届いているのかさえ分からない程の小さな頷きを返し、虎太郎は来栖の手を取る。
ゆっくりと起こし背に枕を当てると、座りやすく整えてやる。
よそった小皿とレンゲを虎太郎の手に渡した。
「ちょっと、熱いから気を付けろ‥」
そう言って渡されたおかゆを受け取ると、両手で包み込みジッと見つめている。
食べようか悩んでいるのか、それとも食欲がないのか‥不安な時間が過ぎる。
「‥少しでも食べてくれ」
そんな言葉が悲痛な声に聞こえてしまうのは、自分の耳がおかしくなってしまったからなのだろうか?虎太郎はそんな事を考え、自分の手の中にあるモノに視線を落とすが、どうしてもそれを口に運ぶことが出来なかった。
「‥ちょっとかして」
諦めたのか来栖が、虎太郎の手から小皿とレンゲを受け取る。
来栖は小皿からひと匙すくうと、フーフーとまるで子供に上げるように息を吹きかけ冷まし、虎太郎の口元へと運ぶ。
「‥‥はい、あ~ん」
その言葉に視線を送ると、目の前の来栖があ~んと口を開け、おかゆの乗った匙を構えていた。
その顔が、その瞳が堪らなく愛おしく思え、虎太郎は無意識に口を開いた。
口に入ってきた温かい優しい味は、久しぶりに美味しいと感じるものだった。
咀嚼して飲み込むと、次のおかゆを「あ~ん」と声を掛けられ口に入れられる。
まるで幼い自分に戻ったような感覚に、虎太郎は感情が揺さぶられる。
何口目かのおかゆを口に運んだ時、来栖は虎太郎の頬を涙が零れ落ちるのを見た。
慌ててティッシュを取り、涙を拭うと、ハッと驚いた表情を浮かべた虎太郎は、自分が涙を溢している事にも気が付かなかったのだろう。
そんな虎太郎の気持ちを考えると、自分の不甲斐なさに来栖は唇をキュッと結んだ。
静かな寝室には、虎太郎の咀嚼音と、来栖の優しい声しか聞こえず、ただこの時間がずっと続くと良いのに‥虎太郎はそんなありもしない事を願っていた。
小皿1杯食べると、それ以上は受け付けないように、虎太郎は首を横に振った。
本当なら作った鍋一杯は食べて欲しいところだが、無理強いするつもりはなく、来栖もすぐに引き下がった。
「‥じゃあ、また少し眠ってろ‥なっ‥」
再び虎太郎をベッドに横にさせると、布団を掛けてあげる。
その時、ハッと虎太郎が身を起した。
「来栖主任‥今!何時ですか?」
慌てた様に問いかける虎太郎の顔は緊迫の表情だった。
来栖がベッド脇の時計に目をやり時間を教える。
「えっ‥今、8時前だけど‥」
「すみません‥僕、もう帰らないと」
強張った顔で立ち上がろうとする虎太郎を、来栖は両手で引き留める。
「若奈。‥オイッ!‥若奈!」
来栖の腕を振り払い立ち上がると、まだ眩暈がするのか、その場にしゃがみこんでしまい、来栖は慌てて虎太郎の身体を支える。
「オイッ、無理するなって、まだ動いちゃダメだ」
支えている来栖の腕をギュッと握り、苦しそうな顔を向けてくる。
「‥‥だっ‥ダメです‥ダメなんです‥帰らないと」
あまりにも必死な様子に、来栖は一瞬圧倒される。
来栖の腕を押しのけると、再び虎太郎は立ち上がり、フラフラしている身体を自分の足で踏ん張り部屋を出る。
リビングに掛けてある自分のスーツを見つけると、虎太郎は何の躊躇いもなく服を脱ぎ始める。
慌てているのか、それとも一度見られていると分かって恥じらいがなくなったのか、来栖には分からないが、身体に残る傷を隠しもせずにスーツに着替える様子に、胸が痛くなる。
「ダメだ!行かせない!」
虎太郎の身体をギュッと抱き締める。
「‥‥っ‥来栖主任‥すみません‥僕は、行かないと困るんです」
「ダメだ。お前、誰かに脅されているのか?そうだろ?無理やり‥こんな事‥お前に、これ以上傷付いて欲しくない‥」
来栖の悲痛な言葉は、今の虎太郎には奥深くまで沁み込んでいく。
だけど、自分がここに居る訳にはいかなかった。
やんわりと来栖の腕を自分の身体から剥がすと、ジャケットを着た。
玄関に向かう虎太郎の事を、止めなくてはと思うのに、来栖はこれ以上、止める事が出来なかった。
「来栖主任‥ありがとうございました」
玄関先で振り返った虎太郎の瞳が、少し赤く染まっていたのは、どう理解すればいいのか来栖には分からず、コクンと頷きを返すだけで、虎太郎を見送ってしまった。
来栖はその場から動くことが出来ず、ずっと立ち尽くしていた。
自分に出来る事は、何もないのだろうか‥自分は、本当に無力だ。
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