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23話
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虎太郎が会社を休み始めて3日が経った。
来栖は一日一日が恐ろしく長く感じ、今この間にも虎太郎が苦しんでいるのではと、気が気ではなかった。
幸いなのは仕事が繁忙期ではないという事だけだろう。
そろそろ営業1課の中でも、虎太郎の休みに関して、心配している声が飛び交っていた。
「来栖、ちょっと来い」
市原に呼ばれ、すぐにデスクに向かう。
「はい、なんでしょう」
浮かない顔の来栖が目の前に来ると、市原が声を落とした。
「待たせた。ようやく調べが付いたぞ。今日の夜、時間あるか?」
ニヤリと笑う市原の顔が、逞しく見えた。
「はい」
「じゃあ、仕事終わりに、ミツヨの店に来い」
「分かりました。課長、ありがとうございます」
ホッと安堵する顔をした来栖に、市原は苦笑いを浮かべた。
「礼は後にとっておけ、まだこれからだ」
市原との会話の後、仕事を何とかこなし、来栖は市原と待ち合わせの場所へと向かった。
ミツヨの店とは小さな料理屋で、店に入ると中から着物を着たお淑やかな女将が声を掛けてくる。
「いらっしゃいませ。来栖さん、お久しぶりですね」
柔らかな声に、来栖はペコリとお辞儀をした。
ここへは、よく市原に連れてきてもらった店だったので、来栖にも馴染みがあった。
「市原さんから聞いています。奥のお座敷にどうぞ」
案内された場所は、カウンターと座敷が並ぶ通路を抜けた、少し奥にある座敷だ。
そこは個室になっているので、落ち着いて話をするのには最適な場所だった。
「まだ、市原さんは見えていないので、しばらくお待ちくださいね。今、おしぼりをお持ちしますわ」
女将はそう言い残し、カウンターへと戻っていく。
座敷に上がり、掘り炬燵になっているテーブルに座ると、すぐ入り口の方で声が聞こえた。
「おお、来栖早いな」
市原がヒョイと顔を出すと、そのまま座敷に上がり、後ろから来た女将がおしぼりを渡してくる。
「市原さん、お飲み物をお持ちしてもよろしいの?」
「ああ、ビールと、あと適当につまめるもの頼む」
女将はそのまま笑顔を返し、奥へと消えていった。
「悪かったな、いろいろ調べるのに、3日も掛かって」
「いえ、俺の方こそ、課長に頼りっぱなしで、申し訳ないです」
謝罪してくる市原に、来栖は深々と頭を下げる。
「そんな事はない、お前も若奈も俺にとって大事な部下だ。気にするな」
安心できる言葉に、来栖は感謝しきれない。
そこで女将がビールとお通しを持ってくると、テーブルに並べる。
「ごゆっくり」
分かっているのか、おしゃべりもせずにスッと部屋のふすまを閉めていく。
市原は来栖のグラスにビールを注ぎ、市原に注ごうとする来栖の手を遮り、手酌で自分のグラスに注いた。
「まぁ、飲みながら話そう」
恐縮している来栖にそう言うと、市原はグラスとグイっと空けた。
そして、持ってきた茶封筒を来栖の目の前に差し出した。
「伊藤汰久の事を調べた。やっぱり、そいつで間違いない。とりあえず中を見てみろ」
市原から茶封筒を受け取ると、来栖ははやる気持ちを抑えながら中を取り出した。
一枚目に『伊藤汰久 報告書』と記載されており、市原がどこかに依頼したものだと分かった。
二枚目を捲ると、一番上に写真が印刷されていた。
「どうだ?そいつだろ?」
「‥‥はい」
市原の声に、来栖はコクンと頷いた。
写真は爽やかな好青年で、にこやかな笑顔の写真は、まるでモデルのスナップのようだった。
忘れやしない‥この顔は‥来栖は自分の意志とは関係なく手が震え、握り締めた報告書が小刻みに揺れる。
その様子に市原は気が付いたが、来栖が報告書を読み進めるのを邪魔する事はなかった。
三枚目の報告書には、伊藤汰久の個人情報が記載されており、住所・携帯番号・身長・体重・学歴・家族構成などなど。
気になったのは、伊藤汰久が伊藤食品の会長の孫で、現社長の実子であるという事。
それで腑に落ちた。どうして急に企画開発に移動してきたのか‥。
そして四枚目からは、幼い頃から現在までの成長の報告。
写真も数枚印刷されており、幼い頃の写真まで載っていたのには、少し怖くなる。
大切に育てられた伊藤汰久は、中学・高校と普通に成長していく。大学生になり、若奈虎太郎と出会う。そこからは、近々の事で調べやすかったのか、報告書が長い。
品行方正な学生だと言ってもいいくらい、成績も優秀、教授の受けもいい、唯一欠落している事は、交際関係。
付き合うのは女性・男性いずれも数知れず、抱いては捨てるを繰り返している。
交友関係は、若奈虎太郎を含め6人でいつも遊んでいたようだ。
卒業旅行の軽井沢が最後のようで、その旅行の詳細も記載されている。
最終日に、伊藤汰久のにが一足先に電車で帰宅したという事。
そして就職先は伊藤食品。
初めは営業課に配属したが、社長で汰久の父親の伊藤智久の一声で、急に企画開発へ移動になる。
「伊藤汰久は、厄介な男の息子だったって事だな」
来栖が資料を読み進めるのを黙って見ていた市原が口を開いた。
書類から顔を上げ、市原を見る。
「厄介?‥課長は伊藤食品の社長をご存じなんですか?」
まぁ、取引のある会社の社長だから、顔くらいは知っているだろうけど、厄介とまで言い切るには、仕事以上の気持ち含まれているような気がして、来栖は眉を顰めながら市原に聞いてみた。
「‥ああ、少しな」
これ以上、話す気配がないので、来栖は再び報告書に目を落とす。
就職した後の伊藤汰久は、眉目秀麗で才能あふれる人材として重宝されていた。
表の顔は優秀だったが、もちろん裏の顔もある。
大学時代からの交際関係の乱れは相変わらずで、就職後はそれが激しくなっているようであった。
関係のあった人物の名前が10名ほど載っていたが、来栖は、その中にケンの名前を見つけた。
自分と関係のあった者を、俺の元に送ったって事か、来栖は苦虫を潰したような顔をした。
そして現在は、自宅で若奈虎太郎と同居していると、そこで報告書が終了していた。
「これで間違いない。若奈はこいつの自宅にいる」
市原の言葉に、来栖は小さく頷く。
「若奈は、何か弱みを握られていて、それを元に脅されているんだと、俺はそう感じました」
来栖が視線を上げると、市原が自分を真っすぐに見ていた。
瞳が鋭く思わず視線をそらしそうになるが、自分の意思を曲げる訳にはいかないと、市原の視線を受け止める。
「‥脅しね‥ただ、若奈がそれを口にしてくれない限り、助けを求めない限り、力づくで連れ戻したとしても、それは無駄に終わる」
「市原課長は、あの状態の若奈を見ていないから、そう簡単に言えるんです。確かに、若奈は助けを口にしてません。だけど‥‥俺は、何とかしてあげたい」
「ふむ。来栖、お前のそれは同情なのか?‥それとも違う感情があるのか?」
来栖は一日一日が恐ろしく長く感じ、今この間にも虎太郎が苦しんでいるのではと、気が気ではなかった。
幸いなのは仕事が繁忙期ではないという事だけだろう。
そろそろ営業1課の中でも、虎太郎の休みに関して、心配している声が飛び交っていた。
「来栖、ちょっと来い」
市原に呼ばれ、すぐにデスクに向かう。
「はい、なんでしょう」
浮かない顔の来栖が目の前に来ると、市原が声を落とした。
「待たせた。ようやく調べが付いたぞ。今日の夜、時間あるか?」
ニヤリと笑う市原の顔が、逞しく見えた。
「はい」
「じゃあ、仕事終わりに、ミツヨの店に来い」
「分かりました。課長、ありがとうございます」
ホッと安堵する顔をした来栖に、市原は苦笑いを浮かべた。
「礼は後にとっておけ、まだこれからだ」
市原との会話の後、仕事を何とかこなし、来栖は市原と待ち合わせの場所へと向かった。
ミツヨの店とは小さな料理屋で、店に入ると中から着物を着たお淑やかな女将が声を掛けてくる。
「いらっしゃいませ。来栖さん、お久しぶりですね」
柔らかな声に、来栖はペコリとお辞儀をした。
ここへは、よく市原に連れてきてもらった店だったので、来栖にも馴染みがあった。
「市原さんから聞いています。奥のお座敷にどうぞ」
案内された場所は、カウンターと座敷が並ぶ通路を抜けた、少し奥にある座敷だ。
そこは個室になっているので、落ち着いて話をするのには最適な場所だった。
「まだ、市原さんは見えていないので、しばらくお待ちくださいね。今、おしぼりをお持ちしますわ」
女将はそう言い残し、カウンターへと戻っていく。
座敷に上がり、掘り炬燵になっているテーブルに座ると、すぐ入り口の方で声が聞こえた。
「おお、来栖早いな」
市原がヒョイと顔を出すと、そのまま座敷に上がり、後ろから来た女将がおしぼりを渡してくる。
「市原さん、お飲み物をお持ちしてもよろしいの?」
「ああ、ビールと、あと適当につまめるもの頼む」
女将はそのまま笑顔を返し、奥へと消えていった。
「悪かったな、いろいろ調べるのに、3日も掛かって」
「いえ、俺の方こそ、課長に頼りっぱなしで、申し訳ないです」
謝罪してくる市原に、来栖は深々と頭を下げる。
「そんな事はない、お前も若奈も俺にとって大事な部下だ。気にするな」
安心できる言葉に、来栖は感謝しきれない。
そこで女将がビールとお通しを持ってくると、テーブルに並べる。
「ごゆっくり」
分かっているのか、おしゃべりもせずにスッと部屋のふすまを閉めていく。
市原は来栖のグラスにビールを注ぎ、市原に注ごうとする来栖の手を遮り、手酌で自分のグラスに注いた。
「まぁ、飲みながら話そう」
恐縮している来栖にそう言うと、市原はグラスとグイっと空けた。
そして、持ってきた茶封筒を来栖の目の前に差し出した。
「伊藤汰久の事を調べた。やっぱり、そいつで間違いない。とりあえず中を見てみろ」
市原から茶封筒を受け取ると、来栖ははやる気持ちを抑えながら中を取り出した。
一枚目に『伊藤汰久 報告書』と記載されており、市原がどこかに依頼したものだと分かった。
二枚目を捲ると、一番上に写真が印刷されていた。
「どうだ?そいつだろ?」
「‥‥はい」
市原の声に、来栖はコクンと頷いた。
写真は爽やかな好青年で、にこやかな笑顔の写真は、まるでモデルのスナップのようだった。
忘れやしない‥この顔は‥来栖は自分の意志とは関係なく手が震え、握り締めた報告書が小刻みに揺れる。
その様子に市原は気が付いたが、来栖が報告書を読み進めるのを邪魔する事はなかった。
三枚目の報告書には、伊藤汰久の個人情報が記載されており、住所・携帯番号・身長・体重・学歴・家族構成などなど。
気になったのは、伊藤汰久が伊藤食品の会長の孫で、現社長の実子であるという事。
それで腑に落ちた。どうして急に企画開発に移動してきたのか‥。
そして四枚目からは、幼い頃から現在までの成長の報告。
写真も数枚印刷されており、幼い頃の写真まで載っていたのには、少し怖くなる。
大切に育てられた伊藤汰久は、中学・高校と普通に成長していく。大学生になり、若奈虎太郎と出会う。そこからは、近々の事で調べやすかったのか、報告書が長い。
品行方正な学生だと言ってもいいくらい、成績も優秀、教授の受けもいい、唯一欠落している事は、交際関係。
付き合うのは女性・男性いずれも数知れず、抱いては捨てるを繰り返している。
交友関係は、若奈虎太郎を含め6人でいつも遊んでいたようだ。
卒業旅行の軽井沢が最後のようで、その旅行の詳細も記載されている。
最終日に、伊藤汰久のにが一足先に電車で帰宅したという事。
そして就職先は伊藤食品。
初めは営業課に配属したが、社長で汰久の父親の伊藤智久の一声で、急に企画開発へ移動になる。
「伊藤汰久は、厄介な男の息子だったって事だな」
来栖が資料を読み進めるのを黙って見ていた市原が口を開いた。
書類から顔を上げ、市原を見る。
「厄介?‥課長は伊藤食品の社長をご存じなんですか?」
まぁ、取引のある会社の社長だから、顔くらいは知っているだろうけど、厄介とまで言い切るには、仕事以上の気持ち含まれているような気がして、来栖は眉を顰めながら市原に聞いてみた。
「‥ああ、少しな」
これ以上、話す気配がないので、来栖は再び報告書に目を落とす。
就職した後の伊藤汰久は、眉目秀麗で才能あふれる人材として重宝されていた。
表の顔は優秀だったが、もちろん裏の顔もある。
大学時代からの交際関係の乱れは相変わらずで、就職後はそれが激しくなっているようであった。
関係のあった人物の名前が10名ほど載っていたが、来栖は、その中にケンの名前を見つけた。
自分と関係のあった者を、俺の元に送ったって事か、来栖は苦虫を潰したような顔をした。
そして現在は、自宅で若奈虎太郎と同居していると、そこで報告書が終了していた。
「これで間違いない。若奈はこいつの自宅にいる」
市原の言葉に、来栖は小さく頷く。
「若奈は、何か弱みを握られていて、それを元に脅されているんだと、俺はそう感じました」
来栖が視線を上げると、市原が自分を真っすぐに見ていた。
瞳が鋭く思わず視線をそらしそうになるが、自分の意思を曲げる訳にはいかないと、市原の視線を受け止める。
「‥脅しね‥ただ、若奈がそれを口にしてくれない限り、助けを求めない限り、力づくで連れ戻したとしても、それは無駄に終わる」
「市原課長は、あの状態の若奈を見ていないから、そう簡単に言えるんです。確かに、若奈は助けを口にしてません。だけど‥‥俺は、何とかしてあげたい」
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