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苛立つカノア
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「……」
ぼんやりとしながら歩くのは性に合わなかった。
だが、いまのカノアには自分が自ら歩行していることさえ自覚がなく、意識も朦朧としている。
沸点となった怒りの感情は沈めるのが難しかった。
座り込んだまま何度も床を直截拳で殴りつけて、悲劇をわめき、――でもそのあとは妙に気が抜けてしまって立ち上がるのも困難だった。
しばらく十月騎士団の客員として賜っていた執務室の床に大の字のように寝転がって過ごしたが、それにも嫌気がさして、どうにか身を起こして、忌々しき十月騎士団の敷地を後にすることができた。
うつむく帰路のなかで、カノアはふと袖を見やる。
――軍装は全身、海軍騎士の七月騎士団の基調である濃紺が美しくて。
カノアは幼いころからずっとこの軍装に憧れて、堪らなかった。
――十七歳で少年兵を修了し、やっとこの軍装を手に入れたとき……。
カノアは早速しわになるほど愛しく抱きしめて、思わず一緒に寝たほどだ。
そんなにも微笑ましい思い出がよみがえると同時に、
「俺……もう、着ることもできないんだ」
つぶやいた途端に手入れだって余念がなかった七月騎士団の軍装を着ていること自体が虚しくなって、まるで未練を纏うような意識が生まれて嫌悪して、カノアは全身の肌を粟立たせてしまう。
――見るのも、着るのも嫌になるなんて……。
まるで我儘な子どもだ。
どんなクソガキだよ?
そんな醜態が自身の本音だなんて、そんな自分を晒すのも嫌になって、カノアは自宅へと向かう。
その思いだけが力の抜ける足を動かしているようなものだった。
――ほかの騎士団の武官や文官の日常はあまり知らないが。
海軍騎士の七月騎士団の武官たちの普段は、すぐに出港――出撃できるように、それぞれが所属する軍港の官舎、出撃がはじまれば所属する軍船内での生活を常としている。
カノアは現在、皇都地域にある自宅と所属する軍港の官舎との二重生活を送っているが、生活の中心は軍港の官舎だ。
もうじき客員として招かれた生活も終わるので、すぐに懐かしの我が家――そうとも呼べる官舎に戻れるよう、皇都の自宅には荷物はもうまとめてある。
数日前、あんなにも浮足立ちながら荷物をまとめていたのに、と自身を嘲笑し、
「何で、こんな日にかぎって……」
――収穫祭があるのだろう?
カノアは会場となる方角を見やる。
――収穫祭とは。
文字どおり季節の実りに感謝する祭りで、トゥブアン皇国ではもっとも重要な祝祭だ。
時期になると各地がにぎわい、人々は笑い、飲み食いに勤しむ。
とくにここ皇都地域の収穫祭は有名で、規模は勿論、出し物も豊富で、とにかく人の足が絶えずにぎわいがある。
――皇都、とは。
このトゥブアン皇国の頂点に立つ唯一皇帝が御座所としている皇宮と、その一帯に広がる町を指し、いわゆる首都のような意味を持つ。
町には皇国の人口の半分以上が集中して暮らしているし、十二ある騎士団の敷地それぞれが配されていて、この地域だけで一国の機能がほぼ集中している。
これはすこし余談になるが。
皇都地域は広大なので、人々の移動にはとにかく馬が必須となる。
皇国に生まれた男の大半が武官か文官、そのどちらかの「騎士」に就いて奉職、その騎士となるべく少年兵時代を過ごす十二月騎士団に入団すれば、得意不得意はともかく、最低限の馬術は習得させられる。
カノアも当然、当時は修練のひとつとして馬術を習ったが……。
――所詮、それは「当時」の話。
修了後の人生は乗馬や陸とは無縁の海洋で生活をしている。
そのため、陸でのカノアの移動手段は徒歩か、乗合馬車にかぎられていた。
□ □
カノアの皇都地域における自宅は、すこしのんびりしたところにある。
ようやくのことで戻ったカノアだが、いまに立つなりふたたび憤怒が再熱した。
まるで初恋の両想いが叶ったくらいに思い入れがある軍装は、何度も脱ぐことを躊躇ったが、もう身につける機会もないのだと思うと鏡に映る姿さえ恥ずかしく、未練がましくて疎ましい。
カノアは自身を映す鏡を殴り割ろうとして、寸前でその拳を壁に叩きつける。
堪らなくなって舌打ちし、カノアはついに濃紺の美しい軍装を脱ぎ捨てる。
いつもであればきちんと手入れをしてハンガーに掛けるというのに、いまはソファに投げ放り、「決別だッ」と背を向けて、ショートブーツタイプの靴も脱ぎ捨てる。
片方がうまく脱げなくて、ようやく脱げた瞬間に蹴り飛ばした。
そのままずいぶんと乱れてしまった三つ編みも解いて結い直そうとしたが、気怠い。
腰もとまで髪を伸ばしたのも、武官には多い式典や祝典のときに着用する盛装を演出させるために結い上げるため。
武官はそのため長髪が多く、カノアも何となく気に入っていた。
だが――。
もう武官ではいられなくなるのだ。
「このまま切ってやろうか……?」
美しい容姿のはずなのにどこか薄気味悪い笑みを浮かべて、カノアは衝動のまま三つ編みの髪を掴んで手近なチェストにあった鋏を手にし、ひと思いに……と、刃を寸前まで近づける。
だが……。
カノアにはこの髪を気に入っている「連れ」がいる。
この髪がすべてのはじまりだったと思うとさすがに切れず、カノアはどうにか堪えて鋏をチェストの上に置くことができた。
「何やってるんだよ、俺……」
これ以上の八つ当たりは、かえって自分を惨めに追い込むだけだ。
カノアはようやくのことで深い息を吐き、やや乱暴に三つ編みの髪を解いた。
長い薄茶色の髪はそのまま背に流し、シャツにスラックス姿と簡素な私服に着替えて、そのまま居間のソファに寝転がった。
――ほんとうなら……。
ソファではなく、ベッドの上に倒れこんで寝てしまいたい。
いまは誰とも会いたくない。
突然、左遷とも受け取れる転属を命じられた自分を見られたくない。
嫌だ……。
外に何か、出たくない。
――けれども、今朝。
この自宅で日々の暮らしをともにする「連れ」と約束したのだ。
――収穫祭の会場で会おう、と。
「連れ」はもとより愛想のいい面構えではなかったが、収穫祭の威力は凄まじく、普段は狂犬じみた駄犬がまるで高揚感が止まらないわふわふとした可愛らしい黒髪の大型犬のように浮足立って、カノアを誘ってきたのだ。
最初、カノアは恐怖と呆気の綯い交ぜになったが、「連れ」と屋外に出かけるのも久しぶりのことだったので、わかった、とうなずいた。
美貌にふさわしく笑むと、「連れ」もどこか男っぽく……男性的になってきた雰囲気で笑い、カノアの手を取って、とある指の付け根近くに唇を当ててくる。
『約束だ――』
と、何度も、何度もそこに口づけをされて。
その箇所には「連れ」と生涯変わらぬ愛を誓い合ったときに嵌めた婚姻の証である指輪がある。「連れ」の行為を眺めるカノアは何となく気恥しくなって、勝手にやってろ、とわざと呆れた表情を作る。
だが、指への口づけから名残惜しく離れて、「連れ」が身を起こしてこちらを見やり、カノアの唇に親指を当てて、そのまま輪郭をなぞるように滑らせてくるのにはさすがに焦った。
『お、おいッ、朝から……ッ』
カノアはこれから十月騎士団に客員として登庁しなければならないのに、「連れ」は何を考えて朝から雰囲気を出そうとしてくるのか。
ぴし、とカノアは唇に触れる指を自身の指に弾みをつけて弾くが、「連れ」はその手とはべつの、もう片方の手でカノアの腰を抱き寄せて、自身の身体に押し付けてくる。
このままキスするつもりか……ッ?
カノアは年甲斐もなくぎゅっと目を閉じてしまったが、
『待っている。――俺の奥さん』
『……ッ』
くっくっ、と笑いながら低い声で唇が触れ合おうとする直近でささやいてくるものだから、カノアは思わず照れ隠しに「連れ」を殴ってしまった。
――そのやりとりだって、まだ今朝のことだ。
だからカノアも、ふたりで楽しむことになるだろう収穫祭の参加にいい気分を向けていたのだが、もうそれどころではない。
だが、会うと約束してしまった。
行かなければきっと、可愛げのある黒髪の大型犬もただの駄犬に豹変し、狂犬と化すだろう。
そうなると、駄犬は途端に言うことを聞かなくなるのだ。
「まったく、どうしてこう……」
どうにかして重い腰を上げて、カノアは家の外に出る。
仰ぐ空は、秋の色。
薄い青が広がっている。
時刻はまだ遅くはないが、季節らしく西にかたむいている日差しは夏よりどこか情緒的な黄金色。あるいは――黄昏。
この皇都地域は秋が長いので、道中の並木や近景の木々も徐々に黄葉へと色付きはじめて、まさに夕暮れの黄昏色によく馴染んでいる。
それは軍船と港町の風景が日常だったカノアにとって、久しぶりに見る陸の……季節の情緒であり、好ましいものでもあったが……。
空も風景も黄昏色に染まっていると、何か心情的に終焉に向かうような情景にも見えて、すこしだけ疎ましかった。
ぼんやりとしながら歩くのは性に合わなかった。
だが、いまのカノアには自分が自ら歩行していることさえ自覚がなく、意識も朦朧としている。
沸点となった怒りの感情は沈めるのが難しかった。
座り込んだまま何度も床を直截拳で殴りつけて、悲劇をわめき、――でもそのあとは妙に気が抜けてしまって立ち上がるのも困難だった。
しばらく十月騎士団の客員として賜っていた執務室の床に大の字のように寝転がって過ごしたが、それにも嫌気がさして、どうにか身を起こして、忌々しき十月騎士団の敷地を後にすることができた。
うつむく帰路のなかで、カノアはふと袖を見やる。
――軍装は全身、海軍騎士の七月騎士団の基調である濃紺が美しくて。
カノアは幼いころからずっとこの軍装に憧れて、堪らなかった。
――十七歳で少年兵を修了し、やっとこの軍装を手に入れたとき……。
カノアは早速しわになるほど愛しく抱きしめて、思わず一緒に寝たほどだ。
そんなにも微笑ましい思い出がよみがえると同時に、
「俺……もう、着ることもできないんだ」
つぶやいた途端に手入れだって余念がなかった七月騎士団の軍装を着ていること自体が虚しくなって、まるで未練を纏うような意識が生まれて嫌悪して、カノアは全身の肌を粟立たせてしまう。
――見るのも、着るのも嫌になるなんて……。
まるで我儘な子どもだ。
どんなクソガキだよ?
そんな醜態が自身の本音だなんて、そんな自分を晒すのも嫌になって、カノアは自宅へと向かう。
その思いだけが力の抜ける足を動かしているようなものだった。
――ほかの騎士団の武官や文官の日常はあまり知らないが。
海軍騎士の七月騎士団の武官たちの普段は、すぐに出港――出撃できるように、それぞれが所属する軍港の官舎、出撃がはじまれば所属する軍船内での生活を常としている。
カノアは現在、皇都地域にある自宅と所属する軍港の官舎との二重生活を送っているが、生活の中心は軍港の官舎だ。
もうじき客員として招かれた生活も終わるので、すぐに懐かしの我が家――そうとも呼べる官舎に戻れるよう、皇都の自宅には荷物はもうまとめてある。
数日前、あんなにも浮足立ちながら荷物をまとめていたのに、と自身を嘲笑し、
「何で、こんな日にかぎって……」
――収穫祭があるのだろう?
カノアは会場となる方角を見やる。
――収穫祭とは。
文字どおり季節の実りに感謝する祭りで、トゥブアン皇国ではもっとも重要な祝祭だ。
時期になると各地がにぎわい、人々は笑い、飲み食いに勤しむ。
とくにここ皇都地域の収穫祭は有名で、規模は勿論、出し物も豊富で、とにかく人の足が絶えずにぎわいがある。
――皇都、とは。
このトゥブアン皇国の頂点に立つ唯一皇帝が御座所としている皇宮と、その一帯に広がる町を指し、いわゆる首都のような意味を持つ。
町には皇国の人口の半分以上が集中して暮らしているし、十二ある騎士団の敷地それぞれが配されていて、この地域だけで一国の機能がほぼ集中している。
これはすこし余談になるが。
皇都地域は広大なので、人々の移動にはとにかく馬が必須となる。
皇国に生まれた男の大半が武官か文官、そのどちらかの「騎士」に就いて奉職、その騎士となるべく少年兵時代を過ごす十二月騎士団に入団すれば、得意不得意はともかく、最低限の馬術は習得させられる。
カノアも当然、当時は修練のひとつとして馬術を習ったが……。
――所詮、それは「当時」の話。
修了後の人生は乗馬や陸とは無縁の海洋で生活をしている。
そのため、陸でのカノアの移動手段は徒歩か、乗合馬車にかぎられていた。
□ □
カノアの皇都地域における自宅は、すこしのんびりしたところにある。
ようやくのことで戻ったカノアだが、いまに立つなりふたたび憤怒が再熱した。
まるで初恋の両想いが叶ったくらいに思い入れがある軍装は、何度も脱ぐことを躊躇ったが、もう身につける機会もないのだと思うと鏡に映る姿さえ恥ずかしく、未練がましくて疎ましい。
カノアは自身を映す鏡を殴り割ろうとして、寸前でその拳を壁に叩きつける。
堪らなくなって舌打ちし、カノアはついに濃紺の美しい軍装を脱ぎ捨てる。
いつもであればきちんと手入れをしてハンガーに掛けるというのに、いまはソファに投げ放り、「決別だッ」と背を向けて、ショートブーツタイプの靴も脱ぎ捨てる。
片方がうまく脱げなくて、ようやく脱げた瞬間に蹴り飛ばした。
そのままずいぶんと乱れてしまった三つ編みも解いて結い直そうとしたが、気怠い。
腰もとまで髪を伸ばしたのも、武官には多い式典や祝典のときに着用する盛装を演出させるために結い上げるため。
武官はそのため長髪が多く、カノアも何となく気に入っていた。
だが――。
もう武官ではいられなくなるのだ。
「このまま切ってやろうか……?」
美しい容姿のはずなのにどこか薄気味悪い笑みを浮かべて、カノアは衝動のまま三つ編みの髪を掴んで手近なチェストにあった鋏を手にし、ひと思いに……と、刃を寸前まで近づける。
だが……。
カノアにはこの髪を気に入っている「連れ」がいる。
この髪がすべてのはじまりだったと思うとさすがに切れず、カノアはどうにか堪えて鋏をチェストの上に置くことができた。
「何やってるんだよ、俺……」
これ以上の八つ当たりは、かえって自分を惨めに追い込むだけだ。
カノアはようやくのことで深い息を吐き、やや乱暴に三つ編みの髪を解いた。
長い薄茶色の髪はそのまま背に流し、シャツにスラックス姿と簡素な私服に着替えて、そのまま居間のソファに寝転がった。
――ほんとうなら……。
ソファではなく、ベッドの上に倒れこんで寝てしまいたい。
いまは誰とも会いたくない。
突然、左遷とも受け取れる転属を命じられた自分を見られたくない。
嫌だ……。
外に何か、出たくない。
――けれども、今朝。
この自宅で日々の暮らしをともにする「連れ」と約束したのだ。
――収穫祭の会場で会おう、と。
「連れ」はもとより愛想のいい面構えではなかったが、収穫祭の威力は凄まじく、普段は狂犬じみた駄犬がまるで高揚感が止まらないわふわふとした可愛らしい黒髪の大型犬のように浮足立って、カノアを誘ってきたのだ。
最初、カノアは恐怖と呆気の綯い交ぜになったが、「連れ」と屋外に出かけるのも久しぶりのことだったので、わかった、とうなずいた。
美貌にふさわしく笑むと、「連れ」もどこか男っぽく……男性的になってきた雰囲気で笑い、カノアの手を取って、とある指の付け根近くに唇を当ててくる。
『約束だ――』
と、何度も、何度もそこに口づけをされて。
その箇所には「連れ」と生涯変わらぬ愛を誓い合ったときに嵌めた婚姻の証である指輪がある。「連れ」の行為を眺めるカノアは何となく気恥しくなって、勝手にやってろ、とわざと呆れた表情を作る。
だが、指への口づけから名残惜しく離れて、「連れ」が身を起こしてこちらを見やり、カノアの唇に親指を当てて、そのまま輪郭をなぞるように滑らせてくるのにはさすがに焦った。
『お、おいッ、朝から……ッ』
カノアはこれから十月騎士団に客員として登庁しなければならないのに、「連れ」は何を考えて朝から雰囲気を出そうとしてくるのか。
ぴし、とカノアは唇に触れる指を自身の指に弾みをつけて弾くが、「連れ」はその手とはべつの、もう片方の手でカノアの腰を抱き寄せて、自身の身体に押し付けてくる。
このままキスするつもりか……ッ?
カノアは年甲斐もなくぎゅっと目を閉じてしまったが、
『待っている。――俺の奥さん』
『……ッ』
くっくっ、と笑いながら低い声で唇が触れ合おうとする直近でささやいてくるものだから、カノアは思わず照れ隠しに「連れ」を殴ってしまった。
――そのやりとりだって、まだ今朝のことだ。
だからカノアも、ふたりで楽しむことになるだろう収穫祭の参加にいい気分を向けていたのだが、もうそれどころではない。
だが、会うと約束してしまった。
行かなければきっと、可愛げのある黒髪の大型犬もただの駄犬に豹変し、狂犬と化すだろう。
そうなると、駄犬は途端に言うことを聞かなくなるのだ。
「まったく、どうしてこう……」
どうにかして重い腰を上げて、カノアは家の外に出る。
仰ぐ空は、秋の色。
薄い青が広がっている。
時刻はまだ遅くはないが、季節らしく西にかたむいている日差しは夏よりどこか情緒的な黄金色。あるいは――黄昏。
この皇都地域は秋が長いので、道中の並木や近景の木々も徐々に黄葉へと色付きはじめて、まさに夕暮れの黄昏色によく馴染んでいる。
それは軍船と港町の風景が日常だったカノアにとって、久しぶりに見る陸の……季節の情緒であり、好ましいものでもあったが……。
空も風景も黄昏色に染まっていると、何か心情的に終焉に向かうような情景にも見えて、すこしだけ疎ましかった。
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