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第3章 動乱
47話 ロネ
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ガチャ。
部屋の中から2人のメイドが出て来て、俺に向かう。
「セレット様。後のことはよろしくお願い致します」
「姫様のわがままは無視して頂いて問題ありませんので」
「ああ、しっかり休んでくれ」
「ありがとうございます」
「失礼します」
そう言って2人はおぼつかない足取りで自分の部屋に帰っていった。
「入るぞ」
「どうぞ」
「それ……なんて服装をしてるんだ!?」
「?」
彼女の服装は素肌が透けそうな程のシルクの寝巻を着ているだけで、それ以外は一切何も身につけていない。
廊下部屋の中は既に明かりが消えていて、ギリギリ彼女の大事な部分などは見えないけど、正直心臓に悪い。
「この格好で無いと寝れなくて。わたくしの様なお子様の体には興味はないでしょう? アイシャさんやその秘書の方と仲がよろしいと伺っていますわ」
「そ、そういう関係ではないんだが……」
「ふーん。でしたらこちらに来て頂いてもいいんですよ?」
「俺は護衛なんだ。そんなことに誘わないでくれ」
「畏まりました。それではおやすみなさい」
「ああ、お休み」
俺は後ろ手に扉を閉めて周囲の警戒に勤める。この街に入ってから危険な目には遭っていないけど、だからこそ気になるといった方がいいのかもしれない。
暫くの間、じっと周囲の警戒をしていると、声がかけられた。
「ねぇ」
「なんだ?」
「折角なのです。こちらに来て少しお話してくださいませんか?」
「ダメだ。ロネ様も疲れているんだろう? あれだけ働いたら疲れないわけがない。今はしっかりと寝て体を休めるんだ」
姫様の我がままは無視していいと言われていたし、ここはきつめに言ってでも休んで貰わねば。
「……セレット、少し前に話した時の事を忘れたのですか?」
「? なんの事で……」
俺は言いかけて、電撃が走ったかのように少し前の、ロネ姫に2人きりの時には様はつけないと言われた事を思い出した。
(あれはその場のノリ的な奴じゃなかったのか……!)
「ロ、ロネさん」
「他人行儀過ぎますわ」
「ロ、ロネちゃ……ん?」
「その様な可愛らしさは要りませんわ」
「ロネ……」
全ての逃げ道を塞がれてそう言わざるを得なくなる。
「ふふ、そう呼ばれることもほぼありません。一人位はそう呼んでくださる人がいてもいいじゃない」
そういう彼女の声色は嬉しそうだ。
「ウテナやあのメイド達ではダメなのですか?」
「……ええ、メイドは貴族の生まれです。わたくしと共にいた時間は長く信頼していますが、それでも皇女としての扱いは絶対に破りません。それはウテナも一緒。親しく呼んでくださる方はいないんですよ」
「皇女なのに寂しいんだな……」
「そう思うのならセレット、側で昔話をして下さらない?」
「しかし……」
「寂しい皇女ですから。いいでしょう?」
俺は迷う。彼女の側に行ってもいいのか。良くないのか。
ウォータードラゴンを倒した夜の記憶が再び蘇る。こんな少女が弱音を吐くことも出来ずにいる。そんな彼女に、少し昔話をしてあげるだけならばいいんじゃないのか。
「……少しだけですよ?」
「ふふ、ありがとう。セレット、貴方は優しいのね」
「普通ですよ」
俺はゆっくりと彼女の側に近づき、元々この部屋に備え付けてあったイスにそっと腰をおろす。当然、警戒は緩めない。
「あれは俺が始めて龍脈衆として城に仕えた時の話です。当時は……」
それから、ロネ姫に俺の過去話をした。そして、10分も経たない内に彼女からの反応は鈍くなる。
「ということがあったんです」
「セレット……」
「はい?」
「一緒に寝ますか?」
「え? ダメですよ」
彼女はそう言ってきている布団を少し持ち上げている。夜目に慣れているから見えてしまいそうだ。何とは言わないが……。
「冗談ですよ。でも、もし何かいたずらされても誰も文句は言いません……よ?」
そういう彼女は意識も朧気で本気で言っているようには見えない。
「お休み、また明日」
「すぅーすぅー」
俺は立ち上がり、彼女の頭を一撫でしてから入り口に戻った。
その日は、朝にメイドの2人が来るまで護衛を続けた。
部屋の中から2人のメイドが出て来て、俺に向かう。
「セレット様。後のことはよろしくお願い致します」
「姫様のわがままは無視して頂いて問題ありませんので」
「ああ、しっかり休んでくれ」
「ありがとうございます」
「失礼します」
そう言って2人はおぼつかない足取りで自分の部屋に帰っていった。
「入るぞ」
「どうぞ」
「それ……なんて服装をしてるんだ!?」
「?」
彼女の服装は素肌が透けそうな程のシルクの寝巻を着ているだけで、それ以外は一切何も身につけていない。
廊下部屋の中は既に明かりが消えていて、ギリギリ彼女の大事な部分などは見えないけど、正直心臓に悪い。
「この格好で無いと寝れなくて。わたくしの様なお子様の体には興味はないでしょう? アイシャさんやその秘書の方と仲がよろしいと伺っていますわ」
「そ、そういう関係ではないんだが……」
「ふーん。でしたらこちらに来て頂いてもいいんですよ?」
「俺は護衛なんだ。そんなことに誘わないでくれ」
「畏まりました。それではおやすみなさい」
「ああ、お休み」
俺は後ろ手に扉を閉めて周囲の警戒に勤める。この街に入ってから危険な目には遭っていないけど、だからこそ気になるといった方がいいのかもしれない。
暫くの間、じっと周囲の警戒をしていると、声がかけられた。
「ねぇ」
「なんだ?」
「折角なのです。こちらに来て少しお話してくださいませんか?」
「ダメだ。ロネ様も疲れているんだろう? あれだけ働いたら疲れないわけがない。今はしっかりと寝て体を休めるんだ」
姫様の我がままは無視していいと言われていたし、ここはきつめに言ってでも休んで貰わねば。
「……セレット、少し前に話した時の事を忘れたのですか?」
「? なんの事で……」
俺は言いかけて、電撃が走ったかのように少し前の、ロネ姫に2人きりの時には様はつけないと言われた事を思い出した。
(あれはその場のノリ的な奴じゃなかったのか……!)
「ロ、ロネさん」
「他人行儀過ぎますわ」
「ロ、ロネちゃ……ん?」
「その様な可愛らしさは要りませんわ」
「ロネ……」
全ての逃げ道を塞がれてそう言わざるを得なくなる。
「ふふ、そう呼ばれることもほぼありません。一人位はそう呼んでくださる人がいてもいいじゃない」
そういう彼女の声色は嬉しそうだ。
「ウテナやあのメイド達ではダメなのですか?」
「……ええ、メイドは貴族の生まれです。わたくしと共にいた時間は長く信頼していますが、それでも皇女としての扱いは絶対に破りません。それはウテナも一緒。親しく呼んでくださる方はいないんですよ」
「皇女なのに寂しいんだな……」
「そう思うのならセレット、側で昔話をして下さらない?」
「しかし……」
「寂しい皇女ですから。いいでしょう?」
俺は迷う。彼女の側に行ってもいいのか。良くないのか。
ウォータードラゴンを倒した夜の記憶が再び蘇る。こんな少女が弱音を吐くことも出来ずにいる。そんな彼女に、少し昔話をしてあげるだけならばいいんじゃないのか。
「……少しだけですよ?」
「ふふ、ありがとう。セレット、貴方は優しいのね」
「普通ですよ」
俺はゆっくりと彼女の側に近づき、元々この部屋に備え付けてあったイスにそっと腰をおろす。当然、警戒は緩めない。
「あれは俺が始めて龍脈衆として城に仕えた時の話です。当時は……」
それから、ロネ姫に俺の過去話をした。そして、10分も経たない内に彼女からの反応は鈍くなる。
「ということがあったんです」
「セレット……」
「はい?」
「一緒に寝ますか?」
「え? ダメですよ」
彼女はそう言ってきている布団を少し持ち上げている。夜目に慣れているから見えてしまいそうだ。何とは言わないが……。
「冗談ですよ。でも、もし何かいたずらされても誰も文句は言いません……よ?」
そういう彼女は意識も朧気で本気で言っているようには見えない。
「お休み、また明日」
「すぅーすぅー」
俺は立ち上がり、彼女の頭を一撫でしてから入り口に戻った。
その日は、朝にメイドの2人が来るまで護衛を続けた。
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