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書類仕事も大切です
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「まだ帰っちゃダメですからね、団長!」
「セルジュ、お前強くなったなぁ…」
しみじみ会話をしているが、帰られないようにとセルジュは必死にアルウィンにしがみついている。
何が何でもまだ離してやらねぇ!という強い意志があるから、それに加えてまだまだ聞きたいことは山積みなのだ。
返答についてはさっき、フローリアが飛ばしてくれた鳥の足に結びつけたのだから問題ないはずだ。
「なんだよ、他に何があるんだよ」
「一応聞きますけど、団長」
「何だ」
「仮に、婚約破棄が叶ったとして、ですよ」
「叶えるだろう。王妃が息子馬鹿だし、『ミハエルが婚約したいから婚約させた。破棄したいなら破棄よー!』とか言うだろう」
「あぁいや、そうではなく」
セルジュの否定するような言葉に、アルウィンははて、と首を傾げた。
「王太子妃候補じゃなくなったお嬢様の婚約者、どうするんですか」
「あぁ……」
そっちか、と呟いたアルウィンだが、フローリアの求める婚約者の希望が高すぎる。
フローリアよりも強く、賢い人など、一体どこを探せば居るというのか。
「お嬢様、お綺麗だからすぐに婚約者にしてください!って群がってくると思うんですけど」
「群がってきたとして、フローリアが蹴散らすだろうな」
「確かにその可能性がめちゃくちゃ高いんですが、王家は介入とかしてきませんかね?」
王家の介入に、心当たりがないわけではない。
そもそもミハエルがフローリアを婚約者にする!と叫んだあの場において、王妃がニタリといやらしい笑を浮かべていた。国王も、よっしゃよくやった、と言わんばかりの反応だったから、婚約破棄した場合にどうにかしてフローリアを繋ぎ止める可能性だってある。
そういえば、婚約した時に何かの念書を交わしたような気がするのだが、それを探す必要があるか、とアルウィンは考えた。
「…婚約したときに、確か念書というか、書類を交わしたはずなんだが…」
「それですよ、それ。団長側に有利になるようなこと書いてるかどうか、念入りに確認してくださいね」
「それはそうなんだが、あの馬鹿王太子、心がわりするってことは余程お綺麗な令嬢でも見つけたんだろうな」
「ミハエル殿下、面食いですからね。あと殿下も顔が良い。頭も良いんですけど」
ミハエルに関しては一応、フォローのように付け加えつつ、うんうん、とアルウィンとセルジュは頷き合う。
アルウィンは二杯目のお茶を、セルジュは入れてもらっていたものの、すっかり冷めてしまったお茶を飲み干してからカップを片付けるべくセルジュが立ち上がった。
「お嬢様の他には王太子妃候補、いなかったんですか?」
「いるんじゃないか?そもそもまだフローリアは王太子妃に内定してないんだからな」
「ですよねー」
カップを片付けて貰ってから、取り急ぎ決裁が必要な書類を確認して、アルウィンは翌日に野営地を出発できるようにと準備を始めた。
「セルジュ、もう魔獣は片付いたんだから、後は帰還するだけだよな?」
「団長の決裁もらう書類もあるんですけど」
「分かってる、ちゃんとそれだけ先に済ませる」
「そうしていただけると、後はわたしが先導して帰りますよ。ついでに、道中で何か魔獣でもいたら掃討して帰ります」
「頼んだ」
会話が終わると、アルウィンは書類仕事に取り掛かった。
魔獣討伐してから、魔獣の核を取り出せたのがどのくらいの数なのか。核のランクはどの程度なのか。
食用肉として扱われている魔獣もいるから、それがどのくらいいたのか、などなど。
処理しなければならないことは意外に多い。
特に魔獣の核については、純度が高く、核の中に有する魔力が大きい場合は『鮮血の悪魔』と呼ばれているヴェッツェル公爵に捧げる必要がある。
ラゼオーズ王国の現国王の王弟にして、独身を貫き通している変わり者の公爵。
公爵に関しては様々な噂が飛び交っているのだが、何が本当でデタラメなのかの判断がつかない。
だが、アルウィンよりも強く、魔法の才も飛び抜けて凄い、ということだけはよく耳に入ってくる。
「あー…やべぇ、ヴェッツェル公爵への書類もあるんだったか…」
ついでに、ヴェッツェル公爵は書類のチェックがとんでもなく厳しい。
アルウィンはがしがしと頭をかき、指定された形式に従って間違いのないように書類を作成していく。
「フローリア、気落ちしていないと良いが…」
先程の伝言からして、恐らくフローリアは全く気にしていない。ほぼ間違いなく喜んでいるだろうし、学校を休め、と言ったことに関してもあの子は喜ぶだろう、と容易に推測できる。
そして、フローリアのことだ。
休んでいるあいだ、騎士団の練習に参加しに来るだろうし、魔獣討伐の機会があれば、参加すること間違いなし。
そうなれば芋づる式にフローリアの双子の妹の、レイラが『リアが行くならわたくしも!』と元気一杯参加してくるに違いない。
「…一応、レイラにも知らせを飛ばすか…」
指先に魔力を集中させて、飛ばしても違和感のないように、その辺をよく飛んでいる鳥を模して編み上げた。『フローリアが婚約破棄されたぞ。詳細は家族揃ってから報告など諸々』と、事実だけを端的に伝えられるように記し、レイラの魔力反応を追えるように細工もして飛ばしたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あら、お父様からだわ」
「レイラ、どうしたの?」
婚約者と丁度お茶会をしていたレイラ・シェリアスルーツは、飛んできた鳥が止まれるようにと指を差し出した。
レイラの婚約者である、フリッツ・ベルクヴァイン伯爵子息は、興味津々で鳥を見つめた。
「メッセージ…?」
レイラは訝しげな顔をしてフリッツを見つつ、二人は揃って首を傾げた。
「御父上、確かまた魔獣討伐に出向いてるんだったっけ?」
「ええ。滅多にメッセージとか……もしかして予想以上に大きな魔獣が出て、傷一つなく勝ったぞー、とかいう自慢の可能性が…」
「レイラ、君、御父上にどんな感情持ってるの」
「わたくしのお父様でしてよ?」
「う、うん…」
レイラとアルウィン、別に仲が悪いわけではないけれど、お互いに何故かライバル心が強い。
家族じゃないか、というツッコミも受けたことはあるが、家族だからこそのライバル!という奇妙な回答が二人揃って返ってきたのはここだけの話かもしれない。
「さて、何が…」
鳥の構造もしっかり把握していて、何をどうしたらどうなるのかを理解しているから、早々にメッセージを見たレイラはびしり、と音を立てて硬直してしまった。
音を立てて、は比喩表現なのだが、見事に硬直している。
「レイラ…?」
硬直していたのは一分ほどだが、はっと我に返ったレイラは次にわなわなと震え始めた。
「わたくしの愛しいフローリアが…婚約破棄される、ですって…?」
「いやレイラ、今聞いた感じ婚約破棄された、じゃ…」
「あの……っ、クソ王太子…!」
ギリギリと歯ぎしりをしながら、目は怒りに満ち溢れている。
なお、レイラはとてつもない美女だからこその迫力があり、婚約者であるフリッツはちょっとだけ距離を取った。だって怖いから。
いくら大好きな婚約者といえど、フローリアに関することだけは下手につっついてはいけない、というのはフリッツは学習済み。
「レイラ、殿下に対してあんまり悪口言っちゃいけないよ?」
「わたくしの可愛い可愛いフローリアに傷を付けて令嬢としての未来を潰しにかかった面食いなんか、もう滅びていただければよろしいのよ!」
「うん、物騒」
思わずフリッツは遠い目をしてしまうが、レイラがフローリアに関してとてつもないシスコンなのは知っている。知っているが、余程のことがない限りここまでキレることはないのだが、如何せん問題が問題だ。
婚約破棄、ともなれば貴族令嬢として『傷物』とされてしまう。
それは避けなければいけないのだが、かといってこのまま婚約継続、となったとしても上手くいく未来など見えるわけがない。
「こうしちゃいられませんわ、フローリアにあれこれ聞かなければ!」
「レイラ、馬車いる?」
「いりますわ!」
「ちょっと待ってね、手配するから。あと紅茶でも飲んで、ちょっと落ち着いて」
「はぁい」
すーはー、と深呼吸をして、レイラはフリッツが馬車を手配してくれるまでの間、改めてお茶を楽しんだのであった。
「セルジュ、お前強くなったなぁ…」
しみじみ会話をしているが、帰られないようにとセルジュは必死にアルウィンにしがみついている。
何が何でもまだ離してやらねぇ!という強い意志があるから、それに加えてまだまだ聞きたいことは山積みなのだ。
返答についてはさっき、フローリアが飛ばしてくれた鳥の足に結びつけたのだから問題ないはずだ。
「なんだよ、他に何があるんだよ」
「一応聞きますけど、団長」
「何だ」
「仮に、婚約破棄が叶ったとして、ですよ」
「叶えるだろう。王妃が息子馬鹿だし、『ミハエルが婚約したいから婚約させた。破棄したいなら破棄よー!』とか言うだろう」
「あぁいや、そうではなく」
セルジュの否定するような言葉に、アルウィンははて、と首を傾げた。
「王太子妃候補じゃなくなったお嬢様の婚約者、どうするんですか」
「あぁ……」
そっちか、と呟いたアルウィンだが、フローリアの求める婚約者の希望が高すぎる。
フローリアよりも強く、賢い人など、一体どこを探せば居るというのか。
「お嬢様、お綺麗だからすぐに婚約者にしてください!って群がってくると思うんですけど」
「群がってきたとして、フローリアが蹴散らすだろうな」
「確かにその可能性がめちゃくちゃ高いんですが、王家は介入とかしてきませんかね?」
王家の介入に、心当たりがないわけではない。
そもそもミハエルがフローリアを婚約者にする!と叫んだあの場において、王妃がニタリといやらしい笑を浮かべていた。国王も、よっしゃよくやった、と言わんばかりの反応だったから、婚約破棄した場合にどうにかしてフローリアを繋ぎ止める可能性だってある。
そういえば、婚約した時に何かの念書を交わしたような気がするのだが、それを探す必要があるか、とアルウィンは考えた。
「…婚約したときに、確か念書というか、書類を交わしたはずなんだが…」
「それですよ、それ。団長側に有利になるようなこと書いてるかどうか、念入りに確認してくださいね」
「それはそうなんだが、あの馬鹿王太子、心がわりするってことは余程お綺麗な令嬢でも見つけたんだろうな」
「ミハエル殿下、面食いですからね。あと殿下も顔が良い。頭も良いんですけど」
ミハエルに関しては一応、フォローのように付け加えつつ、うんうん、とアルウィンとセルジュは頷き合う。
アルウィンは二杯目のお茶を、セルジュは入れてもらっていたものの、すっかり冷めてしまったお茶を飲み干してからカップを片付けるべくセルジュが立ち上がった。
「お嬢様の他には王太子妃候補、いなかったんですか?」
「いるんじゃないか?そもそもまだフローリアは王太子妃に内定してないんだからな」
「ですよねー」
カップを片付けて貰ってから、取り急ぎ決裁が必要な書類を確認して、アルウィンは翌日に野営地を出発できるようにと準備を始めた。
「セルジュ、もう魔獣は片付いたんだから、後は帰還するだけだよな?」
「団長の決裁もらう書類もあるんですけど」
「分かってる、ちゃんとそれだけ先に済ませる」
「そうしていただけると、後はわたしが先導して帰りますよ。ついでに、道中で何か魔獣でもいたら掃討して帰ります」
「頼んだ」
会話が終わると、アルウィンは書類仕事に取り掛かった。
魔獣討伐してから、魔獣の核を取り出せたのがどのくらいの数なのか。核のランクはどの程度なのか。
食用肉として扱われている魔獣もいるから、それがどのくらいいたのか、などなど。
処理しなければならないことは意外に多い。
特に魔獣の核については、純度が高く、核の中に有する魔力が大きい場合は『鮮血の悪魔』と呼ばれているヴェッツェル公爵に捧げる必要がある。
ラゼオーズ王国の現国王の王弟にして、独身を貫き通している変わり者の公爵。
公爵に関しては様々な噂が飛び交っているのだが、何が本当でデタラメなのかの判断がつかない。
だが、アルウィンよりも強く、魔法の才も飛び抜けて凄い、ということだけはよく耳に入ってくる。
「あー…やべぇ、ヴェッツェル公爵への書類もあるんだったか…」
ついでに、ヴェッツェル公爵は書類のチェックがとんでもなく厳しい。
アルウィンはがしがしと頭をかき、指定された形式に従って間違いのないように書類を作成していく。
「フローリア、気落ちしていないと良いが…」
先程の伝言からして、恐らくフローリアは全く気にしていない。ほぼ間違いなく喜んでいるだろうし、学校を休め、と言ったことに関してもあの子は喜ぶだろう、と容易に推測できる。
そして、フローリアのことだ。
休んでいるあいだ、騎士団の練習に参加しに来るだろうし、魔獣討伐の機会があれば、参加すること間違いなし。
そうなれば芋づる式にフローリアの双子の妹の、レイラが『リアが行くならわたくしも!』と元気一杯参加してくるに違いない。
「…一応、レイラにも知らせを飛ばすか…」
指先に魔力を集中させて、飛ばしても違和感のないように、その辺をよく飛んでいる鳥を模して編み上げた。『フローリアが婚約破棄されたぞ。詳細は家族揃ってから報告など諸々』と、事実だけを端的に伝えられるように記し、レイラの魔力反応を追えるように細工もして飛ばしたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あら、お父様からだわ」
「レイラ、どうしたの?」
婚約者と丁度お茶会をしていたレイラ・シェリアスルーツは、飛んできた鳥が止まれるようにと指を差し出した。
レイラの婚約者である、フリッツ・ベルクヴァイン伯爵子息は、興味津々で鳥を見つめた。
「メッセージ…?」
レイラは訝しげな顔をしてフリッツを見つつ、二人は揃って首を傾げた。
「御父上、確かまた魔獣討伐に出向いてるんだったっけ?」
「ええ。滅多にメッセージとか……もしかして予想以上に大きな魔獣が出て、傷一つなく勝ったぞー、とかいう自慢の可能性が…」
「レイラ、君、御父上にどんな感情持ってるの」
「わたくしのお父様でしてよ?」
「う、うん…」
レイラとアルウィン、別に仲が悪いわけではないけれど、お互いに何故かライバル心が強い。
家族じゃないか、というツッコミも受けたことはあるが、家族だからこそのライバル!という奇妙な回答が二人揃って返ってきたのはここだけの話かもしれない。
「さて、何が…」
鳥の構造もしっかり把握していて、何をどうしたらどうなるのかを理解しているから、早々にメッセージを見たレイラはびしり、と音を立てて硬直してしまった。
音を立てて、は比喩表現なのだが、見事に硬直している。
「レイラ…?」
硬直していたのは一分ほどだが、はっと我に返ったレイラは次にわなわなと震え始めた。
「わたくしの愛しいフローリアが…婚約破棄される、ですって…?」
「いやレイラ、今聞いた感じ婚約破棄された、じゃ…」
「あの……っ、クソ王太子…!」
ギリギリと歯ぎしりをしながら、目は怒りに満ち溢れている。
なお、レイラはとてつもない美女だからこその迫力があり、婚約者であるフリッツはちょっとだけ距離を取った。だって怖いから。
いくら大好きな婚約者といえど、フローリアに関することだけは下手につっついてはいけない、というのはフリッツは学習済み。
「レイラ、殿下に対してあんまり悪口言っちゃいけないよ?」
「わたくしの可愛い可愛いフローリアに傷を付けて令嬢としての未来を潰しにかかった面食いなんか、もう滅びていただければよろしいのよ!」
「うん、物騒」
思わずフリッツは遠い目をしてしまうが、レイラがフローリアに関してとてつもないシスコンなのは知っている。知っているが、余程のことがない限りここまでキレることはないのだが、如何せん問題が問題だ。
婚約破棄、ともなれば貴族令嬢として『傷物』とされてしまう。
それは避けなければいけないのだが、かといってこのまま婚約継続、となったとしても上手くいく未来など見えるわけがない。
「こうしちゃいられませんわ、フローリアにあれこれ聞かなければ!」
「レイラ、馬車いる?」
「いりますわ!」
「ちょっと待ってね、手配するから。あと紅茶でも飲んで、ちょっと落ち着いて」
「はぁい」
すーはー、と深呼吸をして、レイラはフリッツが馬車を手配してくれるまでの間、改めてお茶を楽しんだのであった。
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