22 / 65
お茶会で情報収集(皆が教えてくれる)②
しおりを挟む
「はいじゃあまずは、殿下の動向からいきますわよ!」
にっこにこのアマンダが話を始めてくれたので、フローリアは思わず背筋を正した。
「何と、さっき言った通り王妃様は殿下の尻拭いをしないんですって!」
「それって…どなたからアマンダは聞いたの?」
「いやねぇ、わたくしが将来どこで働くと思っているの?」
「王宮内…だけれど…」
アマンダの笑みが深くなり、もしやと思ったフローリアはちらりと彼女へと視線をやった。それって、と前置きしてからアマンダへとフローリアは問いかける。
「もう王宮内では噂になっている、ということ…?」
「もちろん!シェリアスルーツ侯爵ご夫妻が王宮にいらしてから後、だったかしら」
そうだ、父と母が慰謝料の話をつけにいく!と意気込んでばっちりおめかしして出かけた日があった、とフローリアは思い出す。
「お父様とお母様が一緒に王宮へ行っていた、ような…」
「それよ!って…何でフローリアは一緒に行かなかったの?」
ジュリエットに問われ、うーん、とフローリアは困ったような声を出した。
「お父様たちが、『任せろ!』って…」
「おじさまとおばさまなら、言いそうね…」
「実際言っているし、行動あるのみ!っていう雰囲気が…」
フローリアの言葉に、アマンダとリーリャはうんうん、と納得しているが、ジュリエットは呆れたように溜息を吐いている。
「でも、自分の婚約解消の慰謝料でしょ?フローリア、色々と話をすること自体が、面倒だ、っていう思いもあったんじゃなくて?」
「…」
「フローリア、こっち見なさい」
視線を逸らしたフローリアの反応に、ジュリエットは思わずツッコミを入れてしまう。
全くもう、とまるで母のようにフローリアを見ているジュリエットは苦笑いを浮かべて一口お茶を飲んだ。
「ま、王宮に行かなくて良いなら、行きたくないわよね」
「…ええ、面倒だし」
「本音、零れておりましてよ」
「ジュリエットは意地悪だわ」
「自分の手でカタをつけた方が良いんじゃないかしら、って思っただけですわ」
「むう…」
確かに己の手でカタをつけてしまえれば楽かもしれないが、フローリアは王宮に行くことがそもそも好きではない。
王太子妃教育が行われていたから行っていただけだし、良い思い出もない。ついでにミハエルに会いたくもないし、自分の国の国母といえど、あんなミハエルを産み落として甘やかしてあれこれ尻拭いばかりを自ら進んでやってきた王妃ジュディスにだけは、今は会いたくなかった。
「ジュリエット、あまりフローリアをいじめちゃダメよ。この子、多分王妃様にお会いしたくないんだから」
「それも知った上で意地悪したのよ」
ふふ、と笑うジュリエットと、ちょっと!と咎めるようなアマンダ。やめなさいよ、と二人を諌めるリーリャ。
あぁ、落ち着くなぁとフローリアは一人和んでいる。
その光景を見て、使用人たちも実は和んでいた。
フローリアは今まで王太子妃教育もあってか、笑顔を浮かべてはいるけれど、どこかピリピリした雰囲気を出してしまっていた。
家では少し気を抜いているつもりでも、張り詰めた心はそのままになってしまっている。
「お嬢様、お茶のおかわりはいかがですか?」
「いただくわ、ありがとう」
こうして話しかけても少し前は『…えぇ、お願い』と少しだけ強ばった笑顔を返されていた。
今は穏やかな笑みが、フローリアから自然と零れている。
良かった、と侍女長はつられて微笑んで頷き、どれを入れようかと考えてからまた、フローリアに問いかける。
「お嬢様、飲んだあとすっきりするようなお茶か、あるいは甘い風味のものなどございますが…」
「そうね、少し甘いものが良いかも」
「かしこまりました」
フローリアの希望通りのお茶をいれ、侍女長は彼女の前にカップを差し出した。
果実を使ったお茶で、ほんのりと香りも甘く、実際に飲んでみると風味も甘いもので最近人気が出ている茶葉だ。
「…あら、美味しい」
「それはようございました」
にこにことしている二人に気付いたフローリアの友人たちは、はっと顔を見合わせてから、自分も!と手を上げる。
「わたくしも!」
「次は冷たいお茶が良いのですけれど…」
「あの、お茶の入れ方にコツはありまして?とっても美味しいわ!」
わいわいと騒いでいる女子たちだが、ちょうどやってきたレイラを見てパッと顔を輝かせた。
「まぁ、レイラ様!」
「あ、フローリアのお友達の皆様方!」
レイラはフローリアが大好きなのもあるが、フローリアが大切にしている人たちも大好きであった。
双子の片割れが大切にしているならば、自分もという思考回路だが、おかげさまでと言うべきか人間関係は大変良好。フローリアの友人たちとは特に気が合っていた。
「お茶会、今日だったものね」
「そうなの」
「……そう、よね」
「レイラ?」
いつもの口調で話しかけられたのだが、直後にうーん、と何やら考え込んでしまったレイラを、不思議そうにフローリアは見つめる。
フローリアの友人たちもどうしたのだろうか、とレイラをつられて見つめた。
「レイラ様、どうなさいましたの?」
「えぇと…」
困ったような顔をしているレイラを、四人ははて、と顔を見合せてもう一度四人揃って見た。
「…私がさっき出かけて帰ってきたときに、うちの周りをゆっくり周回している妙な馬車があって…。もしかして、フローリアのお友達がもう一人来る予定だったのかしら、って…」
「え…?」
どういうことなのだろうか、と四人は顔を見合せた。
フローリアがいつも一緒にいる、あるいは行動を共にしているのはこのメンバーのみ。
たまに他の人が入ることもあるが、基本メンバーはここにいる人たちだけで、今日のお茶会だって話しているのは家族くらいだ。
「あ…」
「どうしたの、ジュリエット」
「もう一つ、思い出したわ」
一体誰が来たというのか、と考えていたところに、ジュリエットが話すのを忘れていた…!と苦々しい口調で呟いたのをアマンダが聞き逃さなかった。
「忘れてた、ってどういう事なの?」
「…フローリアから殿下を奪った令嬢いたでしょう?」
「アリカ・シェルワース嬢?」
「そう!」
誰だったか、と思ってしまったフローリアだが、小声でアマンダに『フローリア、バレてるわよ』とツッコミを受けてしまい、思わず視線を逸らしたが、続いた言葉に動きを止めてしまった。
「あの人が、やたらとフローリアに会いたがってるの!」
「……え?」
殿下は差し上げたというのに、今更何の用事なのかと、フローリアは思わず寒気を感じたのであった。
にっこにこのアマンダが話を始めてくれたので、フローリアは思わず背筋を正した。
「何と、さっき言った通り王妃様は殿下の尻拭いをしないんですって!」
「それって…どなたからアマンダは聞いたの?」
「いやねぇ、わたくしが将来どこで働くと思っているの?」
「王宮内…だけれど…」
アマンダの笑みが深くなり、もしやと思ったフローリアはちらりと彼女へと視線をやった。それって、と前置きしてからアマンダへとフローリアは問いかける。
「もう王宮内では噂になっている、ということ…?」
「もちろん!シェリアスルーツ侯爵ご夫妻が王宮にいらしてから後、だったかしら」
そうだ、父と母が慰謝料の話をつけにいく!と意気込んでばっちりおめかしして出かけた日があった、とフローリアは思い出す。
「お父様とお母様が一緒に王宮へ行っていた、ような…」
「それよ!って…何でフローリアは一緒に行かなかったの?」
ジュリエットに問われ、うーん、とフローリアは困ったような声を出した。
「お父様たちが、『任せろ!』って…」
「おじさまとおばさまなら、言いそうね…」
「実際言っているし、行動あるのみ!っていう雰囲気が…」
フローリアの言葉に、アマンダとリーリャはうんうん、と納得しているが、ジュリエットは呆れたように溜息を吐いている。
「でも、自分の婚約解消の慰謝料でしょ?フローリア、色々と話をすること自体が、面倒だ、っていう思いもあったんじゃなくて?」
「…」
「フローリア、こっち見なさい」
視線を逸らしたフローリアの反応に、ジュリエットは思わずツッコミを入れてしまう。
全くもう、とまるで母のようにフローリアを見ているジュリエットは苦笑いを浮かべて一口お茶を飲んだ。
「ま、王宮に行かなくて良いなら、行きたくないわよね」
「…ええ、面倒だし」
「本音、零れておりましてよ」
「ジュリエットは意地悪だわ」
「自分の手でカタをつけた方が良いんじゃないかしら、って思っただけですわ」
「むう…」
確かに己の手でカタをつけてしまえれば楽かもしれないが、フローリアは王宮に行くことがそもそも好きではない。
王太子妃教育が行われていたから行っていただけだし、良い思い出もない。ついでにミハエルに会いたくもないし、自分の国の国母といえど、あんなミハエルを産み落として甘やかしてあれこれ尻拭いばかりを自ら進んでやってきた王妃ジュディスにだけは、今は会いたくなかった。
「ジュリエット、あまりフローリアをいじめちゃダメよ。この子、多分王妃様にお会いしたくないんだから」
「それも知った上で意地悪したのよ」
ふふ、と笑うジュリエットと、ちょっと!と咎めるようなアマンダ。やめなさいよ、と二人を諌めるリーリャ。
あぁ、落ち着くなぁとフローリアは一人和んでいる。
その光景を見て、使用人たちも実は和んでいた。
フローリアは今まで王太子妃教育もあってか、笑顔を浮かべてはいるけれど、どこかピリピリした雰囲気を出してしまっていた。
家では少し気を抜いているつもりでも、張り詰めた心はそのままになってしまっている。
「お嬢様、お茶のおかわりはいかがですか?」
「いただくわ、ありがとう」
こうして話しかけても少し前は『…えぇ、お願い』と少しだけ強ばった笑顔を返されていた。
今は穏やかな笑みが、フローリアから自然と零れている。
良かった、と侍女長はつられて微笑んで頷き、どれを入れようかと考えてからまた、フローリアに問いかける。
「お嬢様、飲んだあとすっきりするようなお茶か、あるいは甘い風味のものなどございますが…」
「そうね、少し甘いものが良いかも」
「かしこまりました」
フローリアの希望通りのお茶をいれ、侍女長は彼女の前にカップを差し出した。
果実を使ったお茶で、ほんのりと香りも甘く、実際に飲んでみると風味も甘いもので最近人気が出ている茶葉だ。
「…あら、美味しい」
「それはようございました」
にこにことしている二人に気付いたフローリアの友人たちは、はっと顔を見合わせてから、自分も!と手を上げる。
「わたくしも!」
「次は冷たいお茶が良いのですけれど…」
「あの、お茶の入れ方にコツはありまして?とっても美味しいわ!」
わいわいと騒いでいる女子たちだが、ちょうどやってきたレイラを見てパッと顔を輝かせた。
「まぁ、レイラ様!」
「あ、フローリアのお友達の皆様方!」
レイラはフローリアが大好きなのもあるが、フローリアが大切にしている人たちも大好きであった。
双子の片割れが大切にしているならば、自分もという思考回路だが、おかげさまでと言うべきか人間関係は大変良好。フローリアの友人たちとは特に気が合っていた。
「お茶会、今日だったものね」
「そうなの」
「……そう、よね」
「レイラ?」
いつもの口調で話しかけられたのだが、直後にうーん、と何やら考え込んでしまったレイラを、不思議そうにフローリアは見つめる。
フローリアの友人たちもどうしたのだろうか、とレイラをつられて見つめた。
「レイラ様、どうなさいましたの?」
「えぇと…」
困ったような顔をしているレイラを、四人ははて、と顔を見合せてもう一度四人揃って見た。
「…私がさっき出かけて帰ってきたときに、うちの周りをゆっくり周回している妙な馬車があって…。もしかして、フローリアのお友達がもう一人来る予定だったのかしら、って…」
「え…?」
どういうことなのだろうか、と四人は顔を見合せた。
フローリアがいつも一緒にいる、あるいは行動を共にしているのはこのメンバーのみ。
たまに他の人が入ることもあるが、基本メンバーはここにいる人たちだけで、今日のお茶会だって話しているのは家族くらいだ。
「あ…」
「どうしたの、ジュリエット」
「もう一つ、思い出したわ」
一体誰が来たというのか、と考えていたところに、ジュリエットが話すのを忘れていた…!と苦々しい口調で呟いたのをアマンダが聞き逃さなかった。
「忘れてた、ってどういう事なの?」
「…フローリアから殿下を奪った令嬢いたでしょう?」
「アリカ・シェルワース嬢?」
「そう!」
誰だったか、と思ってしまったフローリアだが、小声でアマンダに『フローリア、バレてるわよ』とツッコミを受けてしまい、思わず視線を逸らしたが、続いた言葉に動きを止めてしまった。
「あの人が、やたらとフローリアに会いたがってるの!」
「……え?」
殿下は差し上げたというのに、今更何の用事なのかと、フローリアは思わず寒気を感じたのであった。
1,228
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる