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指輪を構えたヴィルヘルミーナだったが、一度だけ指輪が光って、それで終わった。
ルイーズを閉じ込めたような何かが起こると勝手に期待していたヴィルヘルミーナは、ぽかんとしてしまい指輪を改めて見つめて魔力を流してみるが、結果は変わらない。
何も起こらないし、何も変化しない。ほんのちょっとだけ光るだけ。
「あ、あら……?」
シェリアスルーツ家一同、そしてシオンは『あーあ、こうなった』と呆れ顔で王太后を見ている。
レイラは『だから言ったのに……』と呟いているし、フローリアやルアネは『まさかここまで……』と呆気にとられているが、シオンはそこそこ冷静に、そしてぽつりと呟いた。
「そりゃまぁ、魔法の才の無い奴が使おうとしたところで、何をどう使えば良いのか理解していないままやろうとするから、何も出来ないのは当たり前のことだろう」
淡々とした口調ではあったが、もののズバリそういうことなのだ。
それが何をするものなのか、どうしたら、何が起こるのかを理解しないまま使おうとしてもいい結果にはならないどころか、結果そのものが起こるわけがない。
「……っ」
「母上、あなたはとことんまで魔法の才がない。父上からも言われていたでしょう」
「……」
呆れたように溜息をつきながら、子供を諭すようにシオンから言われてしまいヴィルヘルミーナはぐっと言葉に詰まってしまう。
『ミーナ、君は無理をして魔法を使いこなそうとしなくていいんだよ。君には他の才能があるんだ、そちらを伸ばすといい』
魔法の才に溢れ、色々な人から尊敬されていた先王、ヴィルヘルミーナの最愛の人。
無理に魔法を使いこなそうとしなくていいと言ってくれた、愛しい人の言葉を今、思い出した。
君には政治の才能があるよ、そう言ってくれたから民が幸せになるようにと必死に頑張ってきたはずだ。
先王亡き後も、必死に──。
「父上が亡き後、母上は誰よりもこの国のことをお思いになっていらっしゃった。だが、父上のお姿を追いかけるあまり」
ぐ、とシオンは一度だけ言葉につまり、深呼吸をしてから続けていく。
「俺のことや、姉上のことは不要だと、切り捨てた」
「……っ!」
図星だったのだろう。いいや、今まで気が付かない方がおかしいくらいにおざなりな扱いしか、受けてきていない。
冷めた目のシオンとヴィルヘルミーナの視線が合い、ようやく親子として改めて顔を合わせた息子の目に、親を見るような親愛の気持ちは、どこにも無かった。
それを見て、今ようやく分かった気がした。
遅すぎることに加え、取り戻そうと思ったところで、取り戻せない。お願いをしてもシオンは拒否するだろう。
実の母親に殺されかけたことは、事実としてずっとシオンの心に残っているトラウマなのだ。
「切り捨てたくせに都合よく使い倒そうとするところは、兄上にもミハエルにも、とてもよく引き継がれていると……そう思いませんか?」
冷えきった目で問われ、ヴィルヘルミーナはよろめいた。
使えるものは使う、そんなこと当たり前のことなんだから何を文句ばかり、と言いたかった。
だが、時と場合によってはそれが反発をうむことなんて分かりきっていたはずなのに。
「……っ」
だが、もう後には引けないところまで来てしまっている。
魔石の力を借りたといっても、娘をどこかの空間に閉じ込めたのだ。今更水に流せとかどうとか、細々と言えるわけがない!と別の意味で腹を括ったヴィルヘルミーナは再度指輪を構えた。
「ええ、使えるものは使う! それのどこがおかしいのかしら!? 大人しく使われていれば、お前たちも大変なことにはならなかったでしょうねぇ!!」
「あー……」
魔法が使えなくても、魔力はある。だからヴィルヘルミーナは一気に魔力を込めたのだが、レイラが冷めた目と声で『あーあ、やっちゃったー……』と呟いたのは聞こえていなかった。
「シオン様、防御を」
「レイラ嬢、分かってるわ。フローリア、アタシの後ろに」
「あ、はい」
ルアネも指示されずとも、二人の後ろへとさっと回る。
先程とは全く異なった光を放ち、爆発的にその場の魔力が膨れ上がった。
ここまでは、きっとヴィルヘルミーナの思い通りのことだったのだろう。
「──え?」
びし、と魔石に亀裂が入り、あ、と言う暇もなく魔石が砕け散ると同時に、とんでもない爆発が起こった。
シオンとレイラ、二人が展開したシールドはかなり強固なもので、それを各々展開していたから二重結界になっていたのだが、おかげで爆音の凄さも爆風も、何も飛んでくることなくシールド内は至って平和だった。
「うわ……」
シオンが顔を顰めていたが、レイラは顔を顰めることに加えて大きな溜息を吐く。
「当たり前の結果ですよ。使えないものを無理やり使おうとした結果、どれくらい魔力を注げばいいのか分からないから過剰に注ぎ込んで、いっぱいになったから魔石は魔法を発動するとかそんな状態ではなくなって、破裂した。……それだけのことですわ」
攻撃魔法もそうだが、使う魔法それぞれ特性があるのはいうまでもない。
魔石などのツールを利用する場合、込められた魔法の特性が何なのかを理解しないまま、ただ魔力を込めれば良いというわけではないのだが、ヴィルヘルミーナのようなことをすれば、魔力は溢れ、本来とは違った作用が発生してしまうのを、彼女は理解していなかった。
「王太后さまにはお気の毒ですけど、自業自得よ。やったこと全てが自分に跳ね返っただけですもの。同情も何も無いわ」
収納魔法からの発展として色々な魔法の研究もしているレイラは、ヴィルヘルミーナのやったことに対してどこまでも冷たい。
「……盛大にやっちゃったわね、これ」
爆発による煙がおさまってくると、とても普通には見られないような光景が見えた。
指輪をはめていた右手が血まみれになり、爆発のよはで顔面大火傷を負ってしまったヴィルヘルミーナが倒れ、呻いている。
彼女の側に居た従者たちも巻き添えを食らった結果、全員が何らかの火傷や怪我を負ってしまっている。
「やったのは王太后さまでしょう、……けれど、陛下が見たらわたくしたちが悪者ね」
「ジェラールは、お母様をとても愛しているから」
はぁ、とルアネとシオンが何度目か分からない溜息を吐きつつ呟いていたら、一人だけ無傷の女性が倒れていた。
「シオン様、あれ!」
フローリアがいち早く発見し、ぐいぐいと腕を引っ張る。
「いたたたた、ちょっとどうしたのフローリア!」
「あそこ、ルイーズ様です!」
「姉上!?」
レイラとシオンが結界を解除し、慌ててそちらへと駆け寄り、無事なのかを確認する。
息も普通にしているし、どうやらただ眠っているだけのようだ。
「レイラ、ルイーズ様は大丈夫かしら」
心配そうなフローリアに、レイラはにっこり笑って頷いてみせた。
「ええ、問題ないわ!どんな風に閉じ込められていたかは後でご本人に聞くとして、呼吸も普通だし体内を巡る魔力にも乱れは無い。そのうち起きるんじゃないかしら」
「良かったぁ……」
安心したように微笑んで、フローリアはシオンへと視線を移す。そして、シオンにも微笑みかけた。
「シオン様、良かったですわね」
「えぇ。……ありがとう、フローリア」
「……え?」
「姉上のことを、心配してくれて」
きょとん、と目を丸くするフローリアだが、またすぐに笑顔になってシオンに寄り添った。
「シオン様の大切なご家族ですもの。それに、わたくしも幼い頃からたくさん可愛がっていただけた、もう一人のお母様みたいな存在ですから」
「……そう」
良かった、とシオンとフローリアはまた、どちらからともなく笑い合う。
王太后にとっては散々たる結果となったが、全ては自業自得。己が招いた結果なのだから、否が応でも受け入れるしかないことは、全員一致で感じたことだった。
ルイーズを閉じ込めたような何かが起こると勝手に期待していたヴィルヘルミーナは、ぽかんとしてしまい指輪を改めて見つめて魔力を流してみるが、結果は変わらない。
何も起こらないし、何も変化しない。ほんのちょっとだけ光るだけ。
「あ、あら……?」
シェリアスルーツ家一同、そしてシオンは『あーあ、こうなった』と呆れ顔で王太后を見ている。
レイラは『だから言ったのに……』と呟いているし、フローリアやルアネは『まさかここまで……』と呆気にとられているが、シオンはそこそこ冷静に、そしてぽつりと呟いた。
「そりゃまぁ、魔法の才の無い奴が使おうとしたところで、何をどう使えば良いのか理解していないままやろうとするから、何も出来ないのは当たり前のことだろう」
淡々とした口調ではあったが、もののズバリそういうことなのだ。
それが何をするものなのか、どうしたら、何が起こるのかを理解しないまま使おうとしてもいい結果にはならないどころか、結果そのものが起こるわけがない。
「……っ」
「母上、あなたはとことんまで魔法の才がない。父上からも言われていたでしょう」
「……」
呆れたように溜息をつきながら、子供を諭すようにシオンから言われてしまいヴィルヘルミーナはぐっと言葉に詰まってしまう。
『ミーナ、君は無理をして魔法を使いこなそうとしなくていいんだよ。君には他の才能があるんだ、そちらを伸ばすといい』
魔法の才に溢れ、色々な人から尊敬されていた先王、ヴィルヘルミーナの最愛の人。
無理に魔法を使いこなそうとしなくていいと言ってくれた、愛しい人の言葉を今、思い出した。
君には政治の才能があるよ、そう言ってくれたから民が幸せになるようにと必死に頑張ってきたはずだ。
先王亡き後も、必死に──。
「父上が亡き後、母上は誰よりもこの国のことをお思いになっていらっしゃった。だが、父上のお姿を追いかけるあまり」
ぐ、とシオンは一度だけ言葉につまり、深呼吸をしてから続けていく。
「俺のことや、姉上のことは不要だと、切り捨てた」
「……っ!」
図星だったのだろう。いいや、今まで気が付かない方がおかしいくらいにおざなりな扱いしか、受けてきていない。
冷めた目のシオンとヴィルヘルミーナの視線が合い、ようやく親子として改めて顔を合わせた息子の目に、親を見るような親愛の気持ちは、どこにも無かった。
それを見て、今ようやく分かった気がした。
遅すぎることに加え、取り戻そうと思ったところで、取り戻せない。お願いをしてもシオンは拒否するだろう。
実の母親に殺されかけたことは、事実としてずっとシオンの心に残っているトラウマなのだ。
「切り捨てたくせに都合よく使い倒そうとするところは、兄上にもミハエルにも、とてもよく引き継がれていると……そう思いませんか?」
冷えきった目で問われ、ヴィルヘルミーナはよろめいた。
使えるものは使う、そんなこと当たり前のことなんだから何を文句ばかり、と言いたかった。
だが、時と場合によってはそれが反発をうむことなんて分かりきっていたはずなのに。
「……っ」
だが、もう後には引けないところまで来てしまっている。
魔石の力を借りたといっても、娘をどこかの空間に閉じ込めたのだ。今更水に流せとかどうとか、細々と言えるわけがない!と別の意味で腹を括ったヴィルヘルミーナは再度指輪を構えた。
「ええ、使えるものは使う! それのどこがおかしいのかしら!? 大人しく使われていれば、お前たちも大変なことにはならなかったでしょうねぇ!!」
「あー……」
魔法が使えなくても、魔力はある。だからヴィルヘルミーナは一気に魔力を込めたのだが、レイラが冷めた目と声で『あーあ、やっちゃったー……』と呟いたのは聞こえていなかった。
「シオン様、防御を」
「レイラ嬢、分かってるわ。フローリア、アタシの後ろに」
「あ、はい」
ルアネも指示されずとも、二人の後ろへとさっと回る。
先程とは全く異なった光を放ち、爆発的にその場の魔力が膨れ上がった。
ここまでは、きっとヴィルヘルミーナの思い通りのことだったのだろう。
「──え?」
びし、と魔石に亀裂が入り、あ、と言う暇もなく魔石が砕け散ると同時に、とんでもない爆発が起こった。
シオンとレイラ、二人が展開したシールドはかなり強固なもので、それを各々展開していたから二重結界になっていたのだが、おかげで爆音の凄さも爆風も、何も飛んでくることなくシールド内は至って平和だった。
「うわ……」
シオンが顔を顰めていたが、レイラは顔を顰めることに加えて大きな溜息を吐く。
「当たり前の結果ですよ。使えないものを無理やり使おうとした結果、どれくらい魔力を注げばいいのか分からないから過剰に注ぎ込んで、いっぱいになったから魔石は魔法を発動するとかそんな状態ではなくなって、破裂した。……それだけのことですわ」
攻撃魔法もそうだが、使う魔法それぞれ特性があるのはいうまでもない。
魔石などのツールを利用する場合、込められた魔法の特性が何なのかを理解しないまま、ただ魔力を込めれば良いというわけではないのだが、ヴィルヘルミーナのようなことをすれば、魔力は溢れ、本来とは違った作用が発生してしまうのを、彼女は理解していなかった。
「王太后さまにはお気の毒ですけど、自業自得よ。やったこと全てが自分に跳ね返っただけですもの。同情も何も無いわ」
収納魔法からの発展として色々な魔法の研究もしているレイラは、ヴィルヘルミーナのやったことに対してどこまでも冷たい。
「……盛大にやっちゃったわね、これ」
爆発による煙がおさまってくると、とても普通には見られないような光景が見えた。
指輪をはめていた右手が血まみれになり、爆発のよはで顔面大火傷を負ってしまったヴィルヘルミーナが倒れ、呻いている。
彼女の側に居た従者たちも巻き添えを食らった結果、全員が何らかの火傷や怪我を負ってしまっている。
「やったのは王太后さまでしょう、……けれど、陛下が見たらわたくしたちが悪者ね」
「ジェラールは、お母様をとても愛しているから」
はぁ、とルアネとシオンが何度目か分からない溜息を吐きつつ呟いていたら、一人だけ無傷の女性が倒れていた。
「シオン様、あれ!」
フローリアがいち早く発見し、ぐいぐいと腕を引っ張る。
「いたたたた、ちょっとどうしたのフローリア!」
「あそこ、ルイーズ様です!」
「姉上!?」
レイラとシオンが結界を解除し、慌ててそちらへと駆け寄り、無事なのかを確認する。
息も普通にしているし、どうやらただ眠っているだけのようだ。
「レイラ、ルイーズ様は大丈夫かしら」
心配そうなフローリアに、レイラはにっこり笑って頷いてみせた。
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「良かったぁ……」
安心したように微笑んで、フローリアはシオンへと視線を移す。そして、シオンにも微笑みかけた。
「シオン様、良かったですわね」
「えぇ。……ありがとう、フローリア」
「……え?」
「姉上のことを、心配してくれて」
きょとん、と目を丸くするフローリアだが、またすぐに笑顔になってシオンに寄り添った。
「シオン様の大切なご家族ですもの。それに、わたくしも幼い頃からたくさん可愛がっていただけた、もう一人のお母様みたいな存在ですから」
「……そう」
良かった、とシオンとフローリアはまた、どちらからともなく笑い合う。
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