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にじゅーにー
しおりを挟む「…あの、ユリス」
「ん?」
「なにこれ」
俺は今、ユリスの膝の上に座っている。
というか座らせられている。
「…王妃様と二人でなに話してた?」
「……情報早すぎ」
「それで、なに話してた?」
「…子供のことを少し、ね」
そう言った途端、お腹に回されていたユリスの手に力が篭る。
「…おい」
「勘違いしないでよ」
「!」
「俺の従弟のカレルズ公爵の息子がとても優秀なんだ」
「あぁ、ヨセン・カレルズなら聞いたことがある」
「今年十五なんだけど、俺と仲が良くて。養子に貰おうと思ってる」
「…いいのか?」
「なにが?」
「それ、俺とマリアのせいだろ?」
「……じゃあユリスは、俺がキャロルと子供作ってもいいの?」
「駄目に決まってるだろ!そんなことしてみろ、お前を、」
「分かってる、痛い!」
「…っ…悪い……」
「…俺もユリス以外に勃たないよ」
「……嘘つけ。こんなことされたら、逆らえないくせに」
「ひょわっ!?」
いきなり股間を掴まれるものだから、反動でユリスにしがみついてしまう。
「…愛してる」
「……俺も、ユリスのこと愛してる」
駄目だと分かっている。国王と恋人であること、臣下と恋人であることのスイッチの切り替えが上手く出来ない。
「…リゼ」
「ん?」
「もし、俺以外と触れ合うようなことがあったら殺すから」
「…ユリスも死んじゃうよ?」
「本望だな」
「俺はユリスに死んでほしくないけど」
「じゃあ俺だけを見てろ」
「…そうする」
甘いこの男にまた囚われ、数日。
甘い言葉は今では、日常。
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